2021/12/11

電柱の天辺から脱糞後に飛び立つチゴハヤブサ【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年9月上旬・午後14:30頃・くもり

前回の記事:▶ チゴハヤブサ幼鳥同士で鳴きながら挑発飛行(野鳥)

田園地帯の道端に立ち並ぶコンクリート電柱の天辺にチゴハヤブサFalco subbuteo)が止まっていました。 
逆光ですが、下腹部に赤茶色が見えたので成鳥と判明。 
つい先程見たばかりの2羽の幼鳥の親鳥だと思います。 
稲穂が実る周囲の田んぼを鋭い眼光でキョロキョロと見渡しています。 
ときどき頷くように頭を上下に動かしているのは、獲物を探して遠くをよく見るための行動なのでしょう。 
風で羽毛がなびいて、絵になりますね。 
かなり豪胆な個体で、私が長時間カメラを向けても全く鳴かず、なかなか逃げようとしませんでした。 
 飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でかなり粘って長撮りしました。(@1:53〜2:24)
もちろん退屈なシーンは編集でカットしてあります。
強風で私の体ごと飛ばされそうになるので、ひたすら愚直に長撮りするのも大変でした。
電柱天辺のチゴハヤブサ成鳥は、頭を少し下げながら尾羽を上げて、白くて粘性のある液状便を真下に排泄しました。 
排便で体重を軽くした直後に翼を広げ、電柱を脚で蹴り出しながら飛び立ちました。 

田園地帯をしばらく飛び、電線に止まり直しました。 
ここでも辺りをキョロキョロと見回し、ときどき頭部を上下に動かしています。 
隣接する電柱間の中央で弛んだ電線に止まったのが興味深く思いました。 
チゴハヤブサは体重が軽いので、足場がやや不安定でも気にしないのでしょう。 
ノスリなど大型の猛禽は安定した足場を好むので、電線に止まる時は電柱に近い弛みのない部分を選びます。 

実はもう1羽も近くの電線に止まって居て、キーキーキー♪と鳴く声も聞こえたのですが、うまく動画で記録することができませんでした。

ホツツジ訪花中のスズキハラボソツリアブ♀に交尾を挑む♂

 

2021年9月上旬・午前11:40頃・くもり

里山の尾根道に沿って咲いたホツツジの群落でスズキハラボソツリアブ♀(Systropus suzukii)が単独で訪花していました。 
腹部末端が太いので、おそらく♀だと思います。 
吸蜜中は花に足を掛けて羽ばたきを止めているので、ツリアブ類が得意とするホバリング吸蜜ではありません。 

腹端を少し上に持ち上げてから次の花へと飛び立ちます。 
そこへ別個体が飛来しました。 ほっそりした体型なので、おそらく♂でしょう。 
空中で♀に衝突したものの、すぐに別れました。 
ホツツジの花は比較的広範囲に咲いていたので、蜜源植物を巡る縄張り争いとは考えられません。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、どうやら♂が♀を捕獲し交尾を挑もうとして失敗したようです。 
♀による明確な交尾拒否行動があったのかどうか、よく分かりませんでした。 
おそらく、この♀は既に交尾済みだったのでしょう。 
次は♂の求愛が成就して交尾に至る過程を観察してみたいものです。 



ところで、大谷剛『昆虫―大きくなれない擬態者たち』という本によると、
(寄生蜂の)産卵管はたいてい寄主に対応してうまく産卵できるように特殊化しているので、人の皮膚を突き破るのはなかなか難しいのだ。例外はアメバチのグループ。つい最近刺されてみたが、結構痛かった。だから、アメバチに擬態しているアブが存在する。 
写真4-1:アメバチ類とその擬態者。ニトベハラボソツリアブ、スズキハラボソツリアブのモデルがオオアメバチ、マツケムシヤドリコンボウアメバチ (p62より引用)
この指摘は面白く、初耳でした。 
確かにマツケムシヤドリコンボウアメバチとスズキハラボソツリアブは見た目がそっくり似ています。
しかし、私は夜に灯火の下ぐらいでしかアメバチ類を見たことがありません。 
(私の目が届かない山林の樹上などに多いのかな?)
昼間にフィールドで見かける個体数は、モデルよりも擬態種ハラボソツリアブの方が圧倒的に多い印象です。
アメバチは寄生蜂ですから、個体数が少ないのは当然です。 
そのような状況でベーツ型擬態が成立するかどうか(進化できるかどうか)、私は疑問です。 
つまり、鳥などの捕食者が擬態モデルのアメバチに刺されて(痛い目に遭って)学習する機会が乏しいのではないでしょうか? 
虫好きの脳は偶然の空似でもすぐに擬態だと言いたがる癖があります。
したがって、願望(希望的観測)や「言ったもん勝ち」ではなく、客観的な実証が必要です。 
食虫性の野鳥は本当にハラボソツリアブ類を怖がって忌避するでしょうか? 
実験でデータを取ろうとすると難しいですね。
だから今まで誰もやってこなかったのでしょう。

2021/12/10

虫カビ(ボーベリア)に感染して死んだフキバッタ

 

2021年9月上旬・午前11:45頃・くもり 

里山の尾根道で丈の低い笹の茎にフキバッタの一種がしがみついたまま斃死していました。
黒変した体の節々(関節)から昆虫病原糸状菌の白い菌糸が吹き出していました。 
おそらくボーベリアBeauveria bassiana)の仲間が感染して死んだと思われます。 

この日は途中の山道でもあちこちで同様の斃死体を目撃しています。 
いつか微速度撮影でバッタの感染個体が植物をよじ登って死んでボーベリアの白い菌糸が湧き出る様子を記録してみたいものです。

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