2024/10/29

雪で埋もれたニホンアナグマ営巣地をうろつく初冬のホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月中旬・午前3:20頃・気温-7℃ 

平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する営巣地(セット)を2台の自動撮影カメラで見張っています。 
暖冬ですが、12/17からようやく大雪が降りました。 

雪が降り止んだ12/20の深夜にホンドギツネVulpes vulpes japonica)が単独でやって来ました。 
気温が-7℃まで冷え込んだということは、よく晴れて放射冷却現象になったのでしょう。
キツネの登場は夏(7月下旬)以来で、かなり久しぶりです。 
大雪が積もった後でも、アナグマの巣口2つは辛うじて開口しています。 
キツネはその巣口L、Rを順に訪れたものの、顔を軽く突っ込んで匂いを嗅いだだけで引き返しました。 
巣穴の主であるアナグマは中で寝ているのか、キツネの訪問に気づいていないようで無反応でした。 

キツネが慌てて引き返したのは、トレイルカメラの存在に気づいて警戒したからかもしれません。 
キツネが深雪を歩くと足がズボズボと潜るものの、ラッセルするほどではありませんでした。 




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ノジギク?の花蜜を吸う合間に花弁を舐めるキタテハの謎(蝶の花粉食?)

 

2023年10月上旬・午前10:35頃・晴れ 

民家の裏庭の花壇に咲いたノジギク?で多数の秋型キタテハPolygonia c-aureum)が集まって訪花していました。 
翅をゆるやかに開閉しながら吸蜜しています。 
強い日差しを浴びて暑くなった個体は、翅を閉じたままにして体温を調節します。 
キタテハ同士は互いに干渉しないで、別々の頭花で吸蜜しています。 

キタテハをしばらく観察していると、ノジギク?の筒状花ではなく舌状花の花弁を舐める謎の行動が気になりました。 
伸ばした口吻の先端で蜜腺がある筒状花を探り当てるのに手間取っているだけなのでしょうか? 
これが意味のある意図的な摂食行動だとして、自分なりに考察してみました。 
吸蜜の合間の口直しなのかな? 
花弁に落ちた花粉を舐め取っているとしたら、非常に面白いです。
日本の蝶では珍しい花粉食(※追記参照)なら、なぜ筒状花の雄しべから直接舐め取らずに、わざわざ花粉密度の低い舌状花の花弁を舐めているのか、不思議です。 
ストロー状の口器で花粉を摂取するには、微量の水分(唾液?)を吐き戻して花粉を溶かしてから吸い込む必要があるはずです。
雄しべの葯から大量の花粉を直接吸い込もうとすると、花粉の懸濁液が濃すぎて口吻の内部で詰まってしまうのかもしれません。
チョウの胃内容物を詳しく調べてみた結果、花蜜だけでなく花粉も意外に多く見つかれば、花粉食が一般的だということが分かるかもしれません。
花粉という固形物を食べるのであれば、蝶は糞も排泄するはずですね。
チョウ成虫の胃内容物や糞からDNAメタバーコーディングによって植物由来のDNAが検出されたら、花粉を食べたと考えられます。

キク科植物の花弁に花外蜜腺があるという話は聞いたことがありません。 
アブラムシの甘露で花弁が汚れているようにも見えません。 
花弁は乾いているので、朝露を吸水している可能性もなさそうです。 
花弁が雨水で濡れた後に乾き、微量に残留したミネラル成分をキタテハ成虫が摂取しているのでしょうか? 

ノジギク?の花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@4:01〜) 
手をかざして蝶の上に影を作っても、その影を動かしても、食事に夢中のキタテハはなかなか飛んでくれませんでした。 

ノジギク?に訪花している微小な昆虫も気になりますが、マクロレンズで接写しないと正体不明です。 


※【追記】
今流行りの人工知能ChatGPT(Microsoft Copilot)にチョウの花粉食について質問してみると、次のように回答してくれました。
はい、チョウが花粉を食べることはあります。特に、ドクチョウ属(Heliconius)の一部の種は、花の蜜だけでなく花粉も食べることが知られています²。彼らはストローのような口(口吻)を使って花粉を吸収し、唾液酵素を使って花粉を消化します²。

ソース(情報源)として、中米コスタリカの昆虫を紹介したナショナルジオグラフィックの記事を紹介してくれました。
 ドクチョウの特徴のひとつが、その食事にある。一般的なチョウのように花の蜜を吸うだけでなく、なんと花粉も食べるのだ! ただし、食べると言っても、チョウにはアゴや歯はない。どうやって食べるのかと言うと、まずストローのような口(口吻)の中央から根もと辺りに花粉をつけ、ストローを丸めたり伸ばしたりしながら唾液酵素を出すことで、少しずつ吸収するという。
私が今回観察したキタテハは、花粉食の方法がドクチョウとは明らかに違います。
日本にドクチョウの仲間は生息していません。
YouTubeでドクチョウの花粉食シーンを探してみました。



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2024/10/28

トレイルカメラを警戒してイタチの越冬用巣穴に飛び込んだ野ネズミは無事なのか?【暗視映像】

 



2023年12月中旬・午後20:00頃 

平地のスギ防風林で根こそぎ風倒したスギの根元がえぐられたようになっています。
そこに掘られた巣穴をトレイルカメラで監視しています。 
スギと一緒に巻き添えを食らって倒れた落葉性幼木が、毎冬くりかえされる雪圧で捻じくれながらもたくましく育ちました。 

初冬のある晩、「根曲がり巣穴」の横で野ネズミ(ノネズミ)が細根に乗ってカメラを凝視していました。 
野ネズミの出巣した動きに監視カメラが反応したようです。
監視カメラのかすかな起動音を聞きつけて警戒したのか、野ネズミは瞬き一つしないで完全に動きを止めています(フリーズ状態)。 
やがて身を翻すと、背後の小さな巣穴に素早く駆け込みました。 

この根曲がり巣穴は、ニホンイタチMustela itatsi)が越冬する巣穴だろうと判明したばかりです。 

イタチは雪国でも冬眠しない肉食獣ですから、まさか野ネズミと同居しているはずがありません。 
野ネズミがイタチの巣穴になんか飛び込んだら、たちまち餌食になってしまうのではないかと心配です。 
この時イタチは留守だったのでしょうか? 
どうやらここは単純な巣穴ではなく、大小さまざまな穴が複雑に繋がっているようです。 
巣口は共通でも中ですぐにトンネルが分岐していると予想しています。 
次に野ネズミが写ったのは、新年になってからでした。(映像公開予定)

もしかするとイタチの越冬用巣穴だと思ったのは私の勘違いで、野ネズミの残り香を嗅ぎつけたイタチが興奮して狩りのために野ネズミの巣穴に何度も出入りしていただけかもしれません。 
トレイルカメラによる撮影だけでは、どうしても限界があります。 
ファイバースコープを根曲がり巣穴に突っ込んで内部を調べたら何か分かるでしょうか? 
そんなことをして、越冬を始めた野生動物が巣穴から怖がって逃げ出す羽目になるのは気の毒です。 
(正直に言うと、内視鏡のようなファイバースコープを上手く操作して複雑な巣穴の内部を撮影できるとはとても思えないので、高額なファイバースコープを買うのをためらっています。やってみなければ分かりませんね。) 
観察を始めたばかりの今季は、とりあえずトレイルカメラだけで調査します。 



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