2023/07/20

落葉したカキノキ樹上に現れたコガタスズメバチの古巣

 

2022年12月上旬・午後15:00頃・晴れ 

山麓の農村部で民家の庭に植栽されたカキノキが完全に落葉し、枝に残った熟柿が夕日に照らされていました。 
細い枝に吊り下げられたコガタスズメバチVespa analis insularis)の丸い巣が風に揺れています。 
巣口が外皮側面のどこにあるのか、このアングルでは見えませんが、もはや蜂の出入りは全くありませんでした。 
最低気温が氷点下に下がる初冬ですから、コロニーが解散した後の古巣なのでしょう。
ワーカー♀と雄蜂♂は寒さで死滅し、交尾を済ませた新女王だけが巣を離れて安全な場所で来春まで越冬します。

隣の民家のちょうど2階ぐらいの高さに営巣していました。
夏の間に何度も横を通りかかったはずなのに、落葉するまでコガタスズメバチのコロニーの存在に全く気づかなかったのは迂闊でした。 
巣の外皮の上部にはカキノキの枯れ葉が何枚か付着したまま一体化しています。 
真下から古巣を見上げて底部にズームインすると、外皮が少し壊れた隙間から巣盤がちらっと見えました。 

成長し切った巣のはずですが、当地のコガタスズメバチの巣はあまり大きく育たないようです。 
その理由として考えられるのは、 
(1)獲物となる昆虫の数が最近かなり減っている。(農薬・殺虫剤の乱用と急激な温暖化の進行) 
(2)雪国なので、越冬明けの創設女王が営巣を始める時期が遅い。

2023/07/19

給餌場からクリの堅果を持ち去り貯食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月下旬

野ネズミ(ノネズミ)クリ(栗) の実を給餌してみました。


シーン0:11/28 
明るい昼間に撮った現場の状況です。 
山林の斜面に立つカラマツの根元に、果皮なしのオニグルミ堅果40個を左に、クリ堅果11個を右に分けて、置いてみました。 
野ネズミ(ノネズミ)はクルミとクリのどちらが好みなのでしょう? 
用意したクリは大小様々で、しかも虫食い穴だらけでした。 
クリシギゾウムシ幼虫の仕業?) 
逆に、クルミ堅果を食害する昆虫を私は知りません。
クルミはひたすら殻を頑丈にするよう進化して、種子食性昆虫との熾烈な軍拡競争に打ち勝ったのでしょうか?


シーン1:11/29・午後23:16・雨(@0:04〜) 
(画面に表示される気温のデータは全て異常な高温で、信頼できません。) 
左の給餌場からオニグルミ堅果を全て持ち去った後、今度は右側の餌場でクリの堅果を選ぶようになりました。
クリ1個を口に咥えると、左に持ち去りました。 
左の斜面に生えた常緑のシシガシラの茂みの下に隠れた野ネズミの白く光る眼が同じ場所で微妙に動いています。(赤丸@0:15〜) 
雨宿りしながらクリの実を食べているのか、それとも地面に埋めて隠しているのでしょうか(貯食)? 
その位置に野ネズミの巣穴または隠れ家があるのかもしれません。 


シーン2:11/29・午後23:43・雨(@2:05〜) 
なぜか右下から餌場(右)に戻ってきました。 
カラマツの根際に埋もれかけていたクリの堅果を掘り出すと、口に咥えて右斜面を駆け上がりました。 
貯食する場所を変えるようです。 


シーン3:11/29・午後23:51・雨(@2:27〜) 
右側の餌場に来ていた野ネズミがクリを選ぶと、今度は左に持ち去りました。 


シーン4:11/30・午前0:00・雨(@2:36〜) 
日付が変わった深夜、右側の給餌場で選んだクリを持って斜面を下に駆け下りました。 
オニグルミ堅果の場合は、表面にこびりついた果皮を齧り取ってから餌場から持ち去りました。 
一方クリ堅果の場合は、その場で果皮を剥かずにそのまま持ち去るようです。 


シーン5:11/30・午前0:38(@2:43〜) 
雨が止みました。 右側の餌場Rからクリを下に持ち去りました。 
しばらくすると(1分40秒後)、同一個体の野ネズミが右下から餌場Rにピョンピョン跳ぶように戻って来ました。 
そこで録画が終わってしまい、残念ながら尻切れトンボ。


シーン6:11/30・午前2:59(@2:36〜) 
餌場Rに戻ってきた野ネズミが暗闇で未練がましくクリを探しています。 
カラマツの根っこの隙間に埋もれていた最後のクリを苦労して(後述)ようやく掘り出しました。 
飛び跳ねて喜んでいます。 
動物の行動を記述する際に安易な擬人化は避けたいところですが、どう見ても喜んでいるようです。 
最後のクリを持って、斜面の下に運んで行きます。 


シーン7:11/30・午前0:40(@3:12〜) 
時間を少し遡ります。 
説明しやすいように(演出の都合上)、動画の順番を入れ替えました。 
野ネズミが右斜面やカラマツ幹の背後をウロチョロしています。 
餌場Rを素通りして探餌徘徊しているということは、もう餌場Rのクリは全て無くなったのかな? 
餌場に通っている野ネズミとは別個体なのかもしれませんが、私には見分けられません。  


シーン8:11/30・午前2:19(@4:04〜) 
久しぶりに右の給餌場Rに戻ってきた野ネズミがクリを探すものの、暗闇で見つけられなかったようです。 
次は左の餌場Lに移動してクルミを探索。 
オニグルミの果皮を齧り捨てた窪地を丹念に探索して、お宝がもう残っていないかどうか調べています。 


シーン9:11/30・午前2:34(@4:33〜) 
カラマツの右を回り込んで餌場Rに到着した野ネズミは、残りのクリを見つけられません。 
餌場Lもくまなくチェックしてから、探索の範囲を周囲に広げます。 
右斜面に転がっていた落枝を伝って右へ移動しました。 


シーン10:11/30・午前2:55(@5:05〜) 
未練がましく餌場Rで残り物を探しています。 
急に大跳躍して斜面を飛び降りました。(@5:33〜) 
地中に埋もれた(根っこに挟まれた)クリが取り出せない苛立ちの現れなのでしょうか? 
諦めて餌場Lを経由してから斜面の下に消えました。 

この数分後にシーン6を再掲。 

※ 暗視映像が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


3日後の12月上旬に現場検証すると、給餌場のすぐ下の斜面に食べかけのクリ堅果が1個だけ転がっていました。

食べ残し(食痕)




クリ堅果を給餌する実験は1回しか試せていません。 
ドングリ、クルミに続いてクリでもやってみようと思い立ったときには時期的に遅かったです。
給餌するためのクリを拾い集めるのが大変でした。
(ライバルが多くて、落果をすぐ誰かに拾われてしまいます。) 
ヒトの食用に品種改良されたクリは堅果の粒が立派(大き)過ぎて、野ネズミは運べないのではないかと予想しています。

野ネズミはクリよりもオニグルミ堅果を優先して貯食のために運んでいました。 
虫食いだらけのクリだったことが影響したでしょうか? 
おそらくクルミの方が冬に長期間の貯蔵ができるので、野ネズミにとって価値が高いのでしょう。 
それとも栄養価を比べると、クリよりもクルミの方が脂肪が多くて高評価なのかもしれません。 
野ネズミの堅果選好性を厳密に調べるのなら、クルミとクリをごちゃ混ぜにして同じ餌場に山盛りに置くという追試が必要ですね。 
野ネズミが選んだ堅果の種類を暗視映像で見分けられるのか?という技術的な困難がありそうです。
(タンニンにまみれたオニグルミ堅果は真っ黒に写るので見分けられそう?) 



桜の樹上でニイニイゼミ♂が鳴く声♪

 

2022年7月中旬・午前11:00:頃・くもり 

郊外の道端にあるソメイヨシノの古木からニイニイゼミ♂(Platypleura kaempferi)の鳴き声がします。 
離れたところから動画を撮り始め、そのまま歩いて桜に近づいても珍しくニイニイゼミ♂は鳴き止みませんでした。 
それにしても、ニイニイゼミ♂の鳴き声は「ニイニイ♪」とは全く聞こえないので、「チイチイゼミ」に改名して欲しいです。

恥ずかしながら、私はまだ生きたニイニイゼミを見つけたことがありません。 
翅が褐色の斑模様ですから、木の幹に止まっていると迷彩効果が高いのでしょう。
それから鳴き声が単調で、どこで鳴いているのか方向が掴みにくいです。 
なんとか鳴いているニイニイゼミ♂を見つけて動画で記録するのが今後の宿題です。 



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