2023/05/18

セイタカアワダチソウの花蜜を吸うクロマルハナバチの雄蜂♂

 

2022年10月下旬・午後13:45頃・晴れ 

川辺りに咲いたセイタカアワダチソウの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)の雄蜂♂が訪花していました。 
この組み合わせは、意外にも初見です。 
(ワーカー♀の訪花シーンも撮ってませんでした。)
花穂を歩き回りながら吸蜜しています。 

奥の河畔林は晴れているものの、林縁には日が射していませんでした。

2023/05/17

アルビノの子猿と互いに毛繕いするニホンザル♀

 

2022年10月下旬・午後16:30頃・くもり 

夕方の山麓で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 
スギ植林地の林縁に真っ白なアルビノの子猿が居ました。 
スギの樹皮を齧ったり剥いだりして、採食の真似事(独り遊び)をしていました。 

やがて白猿は左に座っていた母親の元に駆け寄りました。 
母親♀の胸に長くて赤い乳首が目立ちますが、子猿は吸いつこうとしません。 
もう乳離れしているようです。 
土手に生えたイヌタデの群落が邪魔で、ニホンザル母子の姿がよく見えません。
猿を怖がらせないように私がゆっくり横にずれて、なんとか撮影アングルを確保しました。 
母親の毛皮の色は表現型として正常です。
アルビノという形質がメンデルの法則に従うと仮定すると潜性遺伝(昔の用語では劣性遺伝)で、母親は毛皮の色を支配する遺伝子座がヘテロなのでしょう。

アルビノの子ザルは口をモグモグさせながら、左手で左脚を掻き、目の前の下草を採食しました。 
私の背後(山側)から木の枝がバキッと折れる音とガガガ♪とサルが威嚇する鳴き声が聞こえました。 
別個体のニホンザルがおそらく私に対して威嚇しているようですけど、振り返らずにアルビノの撮影を優先します。 
その騒ぎに反応して母子が顔を上げました。 
母親に比べて、白猿の瞳の色が明らかに薄いです。 
したがって、白変種ではなく真正のアルビノのようです。 

しばらくすると、母猿がアルビノの子猿に対して毛繕いを始めました。(対他毛繕い@1:42〜) 
子猿の後頭部や背中の白い毛を掻き分けて、甲斐甲斐しく蚤取りしてあげています。 
純白の毛皮に紛れたノミを見つけるのは非常に難しいのではないでしょうか? 
アルビノ個体の抱えるデメリットの一つかもしれません。 
子猿も振り返って、拙い手つきで母親の毛繕いを始めました。(相互毛繕い) 

母猿が自分の腕に付着したひっつき虫に気づき、自分で取り除いて食べました。(@2:15〜) 
ひっつき虫を捨てるのではなく食べたというのが重要なポイントです。
ニホンザルは頻繁に毛繕いするので、せっかく毛皮に付着しても「ひっつき虫」が種子散布に成功する率はかなり低そうです。 

ざらついた粗い画質の動画ですが、とにかく非常に暗くて、私のカメラでは撮影の限界でした。
薄暗くても白猿は非常によく目立ちます。 
捕食者が居る環境だと目立つアルビノはかなり不利なはずです。
しかし結構な頻度で白猿を見かけるということは、現代日本の山林にニホンザルの捕食者は不在なのでしょう(捕食圧が低い)。 
それとも、この辺りの個体群の血が濃くなっているせいで潜性遺伝のアルビノが生まれやすくなっているのでしょうか?(近親交配)
ヒトはなぜかアルビノを神秘的に思う(畏敬する)奇妙な習性があるので、狩猟でニホンザルを害獣駆除する際も白猿は見逃してもらえるようです。(アルビノに対して狩猟圧も低い) 
逆に冬になれば、雪国のアルビノは完璧な保護色となります。
しかし晴れると雪に反射した強い紫外線によって、瞳の色素が薄いアルビノは特に目を痛めやすいはずです。(雪目、雪盲、雪眼炎)

この杉林はニホンザルの集団ねぐらであることが後に判明します。(動画公開予定)

夜の山林でカラマツの木を登るコアオマイマイカブリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月下旬・午前4:10頃 

山林のカラマツの根本に置いたドングリを野ネズミ(ノネズミ)が貯食のために持ち去る様子を無人カメラで撮影していると、未明に意外な珍客が現れました。 
暗視動画の冒頭で、野ネズミが餌場からミズナラの堅果を咥えて右に持ち去りました。 
トレイルカメラのセンサーが熱源を動体検知してから1分間録画するように設定しているのですが、 野ネズミが居なくなってからマイマイカブリ登場までの空白期間は、5倍速の早回しに加工しました。 

やがて画面右下から大型の甲虫が登場しました。 (@0:13〜)
雑木林の斜面を歩いて斜めに登り、カラマツの木へ向かっています。 
この独特のシルエットは間違いなくマイマイカブリです。 
山形県南部に生息するマイマイカブリは、コアオマイマイカブリDamaster blaptoides babaianus)という亜種なのだそうです。 

1分半後にカメラが再び起動すると、野ネズミは次のドングリを口に咥えて斜面の下に運んで行くところでした。
さっきのコアオマイマイカブリはどこに行ったのかと思いきや、なんとカラマツの幹をよじ登っていました!(赤丸にご注目 @0:37〜)

コアオマイマイカブリは獲物となるカタツムリを探してカラマツの木に登ったのでしょうか?
「木に縁りて魚を求む」とは「わざわざ木に登って魚を捕ろうとするような愚かなことは避けよ」と戒める故事ですが、陸貝(カタツムリ)は樹上にも居そうですね。
それとも、暗闇で野ネズミと鉢合わせして、慌てて樹上に避難したのかな?
コアオマイマイカブリと野ネズミがニアミスした瞬間が動画に撮れてなくて残念でした。
野ネズミはマイマイカブリを見つけたら、その場で捕食するでしょうか? 
マイマイカブリは自衛用の化学兵器を内蔵しているらしいので、野ネズミが噛み付こうとしても撃退したはずです。   
(マイマイカブリは)危険を感じると尾部からメタクリル酸とエタクリル酸を主成分とし、強い酸臭のある液体を噴射する。(wikipediaより引用)

今回、野ネズミは給餌場(宝の山!)からドングリを1個ずつ運び出して貯食するのに夢中でした。
栄養価の高いドングリを運搬中にマイマイカブリと出会っても、構わず見逃した可能性が高そうです。
マイマイカブリを野ネズミが捕食するかどうか、飼育下で与えてみる実験は(やろうと思えば)できそうです。


変温動物のコアオマイマイカブリがいくら動き回っても本来トレイルカメラは起動しません。 
恒温動物の野ネズミがたまたま貯食活動に励んでくれていたおかげで、今回の動画が記録されました。

関連記事(2ヶ月前の撮影)▶ コアオマイマイカブリの幼虫を見つけた!

実は、現場付近の林床で本種の幼虫を見つけています。 
本気になって探せば、意外にマイマイカブリの生息密度が高いのかもしれません。 
ということは、獲物となるカタツムリが多い豊かな自然環境なのでしょう。 

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