2022/09/08

胸が赤くないムネアカオオアリの新女王(羽アリ)

 

2022年6月下旬・午後14:00頃・晴れ 

ウグイス♂の囀りさえずり♪を聞きながら山道を汗水流して登っていたら、大型の羽アリも山道を徘徊していました。 
結婚飛行を終えた新女王アリが営巣地に適した場所を探し歩いているのでしょう。 
なんとなくムネアカオオアリCamponotus obscuripes)の新女王と思ったのですが、胸背が赤ではなく黒色でした。 
腹部が長い翅で覆われているため、背側から見下ろすと腹背の赤がなかなか確認できません。
たまに体の角度が変わり、ちらっと赤色が見えました。 

翅を摘んで一次的に捕獲し、じっくり観察してみました。 
腹部に赤色は確認できたものの、胸部はやはり真っ黒でした。 
どうやら色彩変異のようです。 
この女王アリから生まれる子孫の体色はどうなるのでしょう?(遺伝するのかな?) 

アリハンドブック』でムネアカオオアリを調べると、
色彩に変異があり、体が黒ずむものや、赤色部が完全にない黒化型が時々見られる。 
・平野部では、5〜6月に結婚飛行を行うが、山地では結婚飛行の時期が遅くなり、8月まで見られる。(p69より引用)
和名のとおり胸部は赤く、頭部と腹部のほとんどは黒。しかし個体差が多少あり、胸だけが赤い個体・腹部の前方も赤い個体などがいる。wikipedia:ムネアカオオアリより引用)
翅をつまんでいた指を離して手乗りさせようとしたら、すぐに落下して逃げました。 

いつか捕獲した女王アリを飼育してコロニーを作らせてみたい…と長年思い続けています。
しかし初期投資(石膏飼育キット)が必要なこともあり、毎年後回しになっています。
関連記事(12年前の撮影)▶ 結婚飛行後のムネアカオオアリ女王

2022/09/07

山の泉で育つオタマジャクシの大群をすくって見る

 

2022年7月上旬・午後15:30頃・晴れ 

トレイルカメラで監視している山中の水場でオタマジャクシが大発生していることに気づきました。 
なぜか分布に偏りがあり、特に南の岸辺付近に集結していました。 
夥しい数の黒いオタマジャクシが岸辺で尾をくねらせています。 
素人目には過密状態で、水中を活発に泳ぎ回っている訳ではありません。 
池底の落葉やプランクトンなどを食べて育つのでしょう。 
この泉は湧き水の水温が低く日当たりが悪いために、山麓にある別のカエル池よりもオタマジャクシの成長が著しく遅れているようです。 


100円ショップで買ってきた「お魚観察ケース」でオタマジャクシの群れを掬って一時捕獲してみました。 
水温が低いために、透明プラスチックの表面がすぐに結露してしまいます。 
バンダナで水滴を拭きながら動画撮影しました。 
容器に定規のように目盛りが刻まれているので、オタマジャクシの大きさが分かります。 
容器のサイズは13.5×3.5×7.0cm。 
肝心の水温を測り忘れてしまいました…。 
湧き水(地下水)が流れ込む辺りに素足で入水すると、夏でも冷たくて長時間は我慢できないほどでした。 

お魚観察ケースを持つ私の左手から出血しているのが気になるかと思いますが、指先を少し切っただけです。 
水場に辿り着く前の激しい運動(登山)中にうっかり指先を負傷したら、びっくりするぐらい出血しました。 
体温と心拍数が上がった状態で指先を切ったからでしょう。
破傷風予防のために、とりあえず清潔なビニール袋を手にかぶせて傷口が汚れないようにしました。 

修行不足の私はオタマジャクシの種類をしっかり見分けられません。 
トレイルカメラの映像にヒキガエル成体がたまに写るので、おそらくアズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生だと思います。
関連記事(5日前の撮影)▶ 山中の池から岸に上陸したアズマヒキガエル【トレイルカメラ】
もうひとつの候補であるヤマアカガエルは、ここのトレイルカメラに一度も写ったことがありません。 
池畔の枝先にモリアオガエルの泡巣を見かけないので、モリアオガエル幼生の可能性は除外しました。
春の繁殖行動(カエル合戦・産卵)を観察して確かめるのが来季以降の課題です。 
本来ならば、採取したオタマジャクシを飼育して何ガエルに育つか調べるのが手っ取り早くて確実でしょう。 
しかし忙しくて、飼育する余力がありません。 
長谷川雅美『カエルの田んぼ (森の新聞)』によると、オタマジャクシの種類によって顔つきが違うらしい。




山頂付近でクズの蔓から飛び立つキアゲハ夏型♂

 

2022年6月下旬・午後16:30頃・晴れ 

里山の尾根道(稜線)を歩くと、あちこちでキアゲハPapilio machaon hippocrates)を数頭見かけました。 
山頂付近でクズの蔓に止まっていた個体は夏型♂でした。 
初めは翅を半開きにしていましたが、途中から閉じました。 
交尾相手の♀を山頂で待ち伏せするキアゲハ♂の縄張り占有行動なのでしょう。 
他の蝶が飛来するとすぐに飛び立って追いかけ、相手が別種のチョウ(あるいは同種のライバル♂)なら縄張りから追い払ってしまいます。 
…という教科書(旧来の通説)通りのシーンを動画で記録したかったのですけど、いざ撮り始めたら領空侵犯の蝶がなかなか飛来しません。(マーフィーの法則) 
仕方がないので、先を急ぐ私は持っていた傘を振って飛び立たせました。(ヤラセ映像) 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

【参考】 
竹内剛『武器を持たないチョウの戦い方:ライバルの見えない世界で』という名著の第5章にキアゲハの配偶行動を研究したストーリーが生き生きとエキサイティングに書かれています。

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