2022/07/29

マイマイカブリと野ネズミが出る夜の河畔林【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 晩春の河畔林を夜な夜な駆け回る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

2022年5月下旬・午後21:25 

河畔林に設置したトレイルカメラによく夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が写るのですが、今回は珍客も現れました。 
画面冒頭で野ネズミが林床に転がっている落枝の上を伝ってから右下へ跳び下り、走り去りました。 
その直後、野ネズミと入れ違いで黒くて細長い甲虫がニセアカシア(別名ハリエンジュ)の根際に登場し、林床を左下に歩き去りました。 
このシルエットは間違いなくマイマイカブリでしょう。 
短い登場シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:17〜) 

もしも野ネズミと出会っていたら、果たして暗闇でマイマイカブリを捕食したでしょうか?
マイマイカブリは自衛用の化学兵器を内蔵しているらしいので、野ネズミが噛み付こうとしても撃退したはずです。   
(マイマイカブリは)危険を感じると尾部からメタクリル酸とエタクリル酸を主成分とし、強い酸臭のある液体を噴射する。(wikipediaより引用)
そんな決定的瞬間をトレイルカメラが撮影する僥倖に恵まれるには、地道に続けるしかありません。 

私はマイマイカブリの実物をほとんど見たことがなくて、憧れの昆虫になっています。 
自然豊かな雑木林の林床で昔一度だけ見かけたことがあるだけです。(動画に撮り損ねた悔しさが今でも記憶に残っています。) 
マイマイカブリが夜行性ということも、この河畔林にマイマイカブリが生息しているということも、今回初めて知りました。 
餌となるカタツムリがこの河畔林に多いことを意味しています。 
日本固有種のマイマイカブリは飛べないため、地域によって多くの亜種に分化しています。 
山形県産@鶴岡市は首の部分が赤紫色をしている。(宮沢輝夫『山形昆虫記』より引用) 
赤外線の暗視映像では登場したマイマイカブリの体色について、残念ながら情報が得られません。 
山形県南部に生息するマイマイカブリは、コアオマイマイカブリDamaster blaptoides babaianus) という亜種のはずです。 
この河畔林に落とし穴トラップをあちこちに仕掛けて調べたら楽しそうですけど、なかなかそこまで手が回りません。




2022/07/28

コウリンタンポポの花蜜を吸うヒメシジミ♀

 

2022年6月中旬・午前11:45頃・晴れ 

河川敷に咲いたコウリンタンポポの群落でヒメシジミ♀(Plebejus argus micrargus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見になります。 
翅を半開きのままで、頭花の上でゆっくり向きを変えながら長々と吸蜜していました。 
初めは翅表だけを見て一瞬ベニシジミ夏型かと勘違いしたのですが、翅裏も確認するとヒメシジミ♀でした。
関連記事(2年前の撮影)▶ コウリンタンポポに訪花吸蜜するベニシジミ春型【HD動画&ハイスピード動画】
最後にようやく自発的に飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

2022/07/27

川沿いの獣道を夜に駆けるハクビシンの群れ【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 河畔林の獣道を歩く夜行性ハクビシン?【暗視映像:トレイルカメラ】
2022年5月下旬〜6月上旬 

川沿いの獣道を見下ろすようにトレイルカメラ(無人センサーカメラ)を新たに設置して監視してみました。 
カメラのすぐ背後を川が左から右へ流れています。 
画面の下から上に向かって緩やかに登る斜面になっています。 
雑草に覆われて分かりにくいのですが、その緩斜面はコンクリート・ブロックで護岸されています。 
その護岸を登るとニセアカシアの河畔林があり、これまで何ヶ月もトレイルカメラで調べてきたタヌキの溜め糞場rvがあります。 
つまり、今までとは真逆のアングルから狙ってみました。 
すると早速、新しい発見がありました。

シーン1:5/27・午後23:31 
ハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が獣道で立ち止まって地面の匂いを嗅いでいます。 
手前の死角ギリギリのところを別個体が追い越して行きました。 
初めの個体も慌てたように走って追いかけます。 
2頭は左へ(川沿いを上流へ)走り去りました。 

短い動画なので、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
スローシーンだけ自動色調補正を施して明るく加工しました。 


シーン2:6/1・午前2:46 
5日後に再びハクビシンが群れで登場しました。 
初めは2頭が画面の左端にいました。 
その後ろから別個体が走って追いかけてきました。 
3頭が相次いで左に(川沿いを上流へ)走り去りました。 

この3頭のハクビシンは親子や兄弟・姉妹などの家族群と思われます。 
素人目には体格に個体差は認められませんでした。
カメラの画角内で立ち止まってくれないと、トレイルカメラの起動が間に合いません。 
同じ獣道を逆方向に戻って来るハクビシンが一度も撮れていないのも、それが理由でしょう。
(川を渡って対岸を帰る可能性も考えられます。)
カメラに写っていないだけで、本当はもっと多くて4頭以上いるかもしれません。 
この流域でハクビシンが繁殖していることが確定しました。
ハクビシンは基本的にタヌキの溜め糞場に興味を示さず、横を通り過ぎるだけです。


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