2022/02/08

川の岩場に落枝を拾い集めて独り遊びするダイサギ【野鳥:10倍速映像】

 

2021年11月上旬・午後14:30頃・晴れ 

川の岩場の周囲で休んでいる白い鳥の混群にほとんど動きがないので、微速度撮影に切り替えて長時間監視してみました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 
岩場に乗って羽繕いしていた2羽のダイサギArdea alba)のうち、1羽が岩から離れ、川で採食を始めました。 
1羽のコサギEgretta garzetta)も続けて岩場から下りて、川で採食開始。 
一方、岩場の手前の川面で寝ていたコハクチョウCygnus columbianus bewickii)6羽の群れは、覚醒すると川面を泳いで岩場から離れて行きました。 

岩場に残ったダイサギが川に沈んでいた長い落枝を嘴で拾い上げ、足元の岩に乗せました。 
まさかこんな晩秋に(季節外れに)巣作りを始めるのか?と私は驚いて見守りました。 
しかもダイサギは高い樹上に営巣するはずです。 
せっかく拾い上げた枝を再び持ち上げて捨てたり拾い直したり、という謎の行動を何度も繰り返しています。 
どうやら巣材集め行動を転用して、ただの独り遊びというか暇つぶしの行動のようです。 

他の仮説を無理やりひねり出すと、岩場を独占したいダイサギが自分の隣の空席に物を置いて仲間が戻って来にくいように嫌がらせしたのですかね? 
ヒトではよく見られる席取り行動です。
しかしダイサギはそもそも群れで暮らすことが多い※ので、それは考えにくいでしょう。 
(※ 繁殖期にはコロニーを形成しますし、非繁殖期でも毎日夕方になると群れで塒入りします。) 
先にネタバレすると、これから夕方になるとダイサギはこの川に就塒前集合します。
岩場で隣に誰も来て欲しくなければ、近づく相手に対してつつく素振りをして牽制すれば済むのに、岩場に並んでいたときにはそんな敵対行動は見られませんでした。 
実際に、タイサギの中には単独行動が好きな個体も居て(一匹狼タイプ?)、同じ時間帯に群れから離れて中州に独り佇んだり、近くの樹上に単独で止まって休んでいる個体も同じ日に見かけました。(映像公開予定?)

落枝で遊ぶ合間に岩場のダイサギは川の水を飲みました。 
独り遊びに飽きると、岩の上で片足立ちになりました。 

しつこく求愛中のモンキチョウ♀♂にモンシロチョウが乱入すると…

 

2021年11月上旬・午後13:30頃・晴れ 

河川敷の小径に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の花で吸蜜中のモンキチョウ♀(Colias erate poliographus)に♂がしつこく求愛を繰り返していました。 
モンキチョウは翅の色で性別が一目瞭然なので、配偶行動の観察に適しています。 
♀は白色、♂は黄色です。 
(黄色い翅の♀もたまにいるのですが、今回のペアはスタンダードな翅色です。) 
♂は♀のごく近くでホバリングしたり、翅を小刻みに羽ばたいたりして♀に秋波(性フェロモン)を送っています。 
一方、♀は交尾済みのようで、翅を開き腹部を高々と持ち上げました。 
これはシロチョウ科の♀に特有の交尾拒否行動です。 
しつこい♂が近づくと、♀はパッと一瞬だけ翅を閉じます。 
♀の背後に着陸した♂が強引に交尾器を結合しようとしたものの、嫌がった♀は飛んで逃げ出しました。 
色気より食い気の♀はすぐ横のムラサキツメクサの花に移動すると、吸蜜を続けます。 
諦めきれない♂は、同じ花の反対側で翅を震わせています。 

モンキチョウの求愛および交尾拒否行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@1:15〜) 
リアルタイムでは見過ごしたのですが、途中でちょっと面白い事件が起こっていました。 
急にモンシロチョウPieris rapae)が飛来したのです。(@2:25) 
白い翅のモンシロチョウにモンキチョウ♂は一瞬惑わされたようで、追尾を始めました(誤認求愛)。 
しかしすぐに別種だと気づいたようで、モンシロチョウを追い払ってモンキチョウ♀の元に戻ると、求愛活動を再開。 
乱入したモンシロチョウの性別を私は見分けられませんでしたが、探雌飛翔中の♂だったのかもしれません。
つまり、モンシロチョウもモンキチョウ♀に誤認求愛しかけた可能性があります。
▼関連記事(3年前の撮影@ムラサキツメクサ) 
訪花中のモンシロチョウに誤認求愛するモンキチョウ♂
モンシロチョウの世界では可視光よりも紫外線で見える情報が配偶行動には特に大切であることが分かっています。
私も紫外線カメラで動画撮影してみたいところですが、高嶺の花です。

つづく→モンキチョウ♂2頭からの求愛を拒否して逃げ回る♀

2022/02/07

川で水浴・羽繕いするオナガガモ♂【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年11月上旬・午後14:10頃・晴れ
前回の記事:▶ 川の水を浴び羽繕いするオナガガモ♀(野鳥)
よく晴れた午後に川のあちこちでオナガガモAnas acuta)の群れが次々と水浴を始めました。 
どの個体を撮るべきか目移りしてしまいます。 
今回の動画は♂の水浴シーンをまとめてみました。 

水浴びに続けて羽根の水気を切り、次に羽繕いを行います。 
それを1セットとして何度も繰り返します。 
 羽繕いで抜け落ちた羽毛が水面に流されて行きます。(@0:30) 
水浴の合間に小声で鳴くことがありました。 
激しく水飛沫を上げながら翼を水面に叩きつけ、後半は上半身を上に伸ばしました。 
頭を水中に突っ込み、次に頭を上げると左右に振ります。 
その間は翼で水面を叩き続けています。 
立ち泳ぎしながら激しく羽ばたき、羽根の水気を切ります。 
ようやく落ち着くと、川面で尾羽を左右に振り振りしています。 

オナガガモ♂の行水を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:47〜) 
この個体は、♂エクリプス羽から生殖羽に移行中の個体だと思います。 
水浴後は立ち(泳ぎし)ながら激しく羽ばたいて伸び上がり、羽根の水気を切ります。 
水浴が一通り終わるといつも尾羽を左右に振るのがなんとも可愛らしいです。 

最後は♂エクリプスの水浴シーンのハイスピード動画です。(@7:27〜) 
以前の私なら、この個体は♀と見なしていました。 
決定版『日本のカモ識別図鑑』とじっくり見比べると、エクリプス羽の♂と判明しました。 
この図鑑は副題に「日本産カモの全羽衣をイラストと写真で詳述」とあるように、私でもかなり細かく見分けられるようになりました。 
それと同時に、カモ観察の奥深さが分かってきました。 
今後オナガガモの行動の解釈が捗りそうです。 

他には、♂幼羽から第1回生殖羽に移行中の個体も混じっています。
越冬のために渡来した直後のオナガガモには様々なステージの個体が混在しているのです。
 

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