2022/01/18

左後脚を負傷して跛行する野生ニホンザル

 

2021年10月中旬・午後14:10頃・くもり 

私が山麓の農村に近づくと、野生ニホンザルを追い払う発砲音(空気銃? 爆竹?)が聞こえました。 
集落の家庭菜園や畑は電気柵や網で厳重に囲まれていて、猿害の深刻さがうかがえます。 
その後、私が入山するとすぐに ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の鳴き交わすクーコール♪(コンタクトコール♪)が聞こえました。 
足音を忍ばせて林道を少し登ると案の定、ニホンザルの群れと遭遇しました。 
どうやら、麓の集落から追い返されたニホンザルの群れが山に帰ってきたところに遭遇したようです。 

私の姿を見つけるとニホンザルは警戒しつつ走って林道を横断し、山側の雑木林に逃げ込みました。 
林道上に突っ立って撮影する私を警戒し、迂回するように群れは遊動しています。 
山側から再び林道に降りて走り去る個体もいます。 
隙あらば里の畑や果樹園に戻って採食したいのでしょう。 

遊動する群れの中で1頭の若い個体が跛行していることに気づきました。(@2:15) 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:25) 
出血は見られませんが、左後脚を骨折しているのか、痛む左後足を地面に付けることができないようです。 
三足歩行でも素早く林道を横切りました。 
木登りはどうするのか知りたかったのに、見失ってしまいました。 
今のところ遊動する群れに何とかついて歩けるようですが、予後が心配です。 
雪国で厳しい冬を無事に越せるのでしょうか? 

遊動する野生ニホンザル群れのど真ん中に私が意図せずして入り込んでしまったため、次々に現れる個体のどれを撮るべきか目移りしてしまいました。 
カメラをぶん回して撮った細切れ映像の中からニホンザルが林道を横断するシーンをまとめました。 
猿の登場順は時系列の通りではなく、適当に入れ替えています。



タヌキの溜め糞に含まれる未消化の種子を食べるモリオカメコオロギ♂

 

2021年10月下旬・午後12:30頃・くもり
関連記事(52日前の撮影)▶ 山道の溜め糞を匂っただけで通り過ぎるホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

里山の尾根道に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞cで久しぶりに新鮮な糞が追加されていました(標高約520m地点)。 
未消化の種子が多数含まれています。 
個々の溜め糞を長期間定点観察してみると、季節消長というか栄枯盛衰があり、使われなくなる時期があったり復活したりすると分かりました。 
おそらく当地のタヌキは生息密度が低く、利用できる餌資源の季節消長に応じてタヌキの活動域が変化するのだろう、と推測しています。 

この日は常連客のベッコウバエの他に、意外な珍客も溜め糞に来ていました。 
糞食性のコオロギがいるとは知らなかったので、驚きました。 
まず、産卵管が無いので♂と分かります。 
胸背や前翅が白っぽく、左右の複眼を結ぶ頭頂部の白線が目立ちます。 
図鑑で調べてみるとモリオカメコオロギ♂(Loxoblemmus sylvestris)と判明。 
左の触角が根元から欠損した個体でした。 

糞の中にゴロゴロと含まれる未消化の種子よりもコオロギの頭部は小さいので、種子をかじってもツルツル滑って歯が立ちません。 
種子食と呼ぶのは不正確かもしれません。 
種子の表面に付着した糞を舐めていると言うべき? 
あるいは小さな種子を食べているのでしょうか? 
近縁種ハラオカメコオロギで食性を調べると、
昼間、草の根際に潜み、夜になると出歩いて餌を探す。雑食性で、植物の実や葉、小動物の死骸などを食べる。wikipedia:ハラオカメコオロギより引用)

飼育下でモリオカメコオロギ♂の鳴き声を聞いたり糞食性を調べるために、採集して持ち帰りたかったのですが、この日はあいにく採集容器や袋を何も持ち合わせていませんでした。
▼関連記事(9年前の撮影:飼育個体) 
ハラオカメコオロギ♂:鳴き声♪の声紋解析
コオロギの他には白いウジ虫(ハエの幼虫)や小型のハネカクシ類、アカアリ(種名不詳)が溜め糞の上を徘徊していました。 

雑食性のタヌキは果物(液果)を食べた後に移動し、縄張り内の溜め糞に排泄することによって植物の種子散布に協力しています。 
そんな教科書的な話には続きがあって、未消化の種子を食べようと様々な生き物がタヌキの溜め糞にやって来るというのは面白いですね。 
この場合、モリオカメコオロギ♂は植物にとって種子捕食者になります。
溜め糞をめぐる生態系の奥深さをまた1つ実感しました。

タヌキの糞には色とりどりの種子が消化されないまま含まれているので、これを本格的に調べてみるのも楽しそうです。(溜め糞調査の王道) 
この尾根道沿いにはあちこちでコブシが赤い実をつけていて、落果も見つけました。 
タヌキが通りすがりにコブシの果実(落果)を食べていても不思議ではありませんが、独特の形状をしたコブシの種子は糞に含まれていないようです。(パッと見の印象) 
あるいはホオノキの種子かも? 
黒くて小さい種子はアケビかな?と想像するものの、ちゃんと調べていません。 
タヌキが現場の尾根道(標高520m地点)から里の畑まで降りて採食するとすれば、スイカや柿の種が糞に含まれているかもしれません。

2022/01/17

里山の池で水を飲み水浴するハイタカ?(野鳥)【トレイルカメラ】

 

2021年10月下旬・午前11:00頃・晴れ 

トレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視している里山の水場に珍しく猛禽が登場しました。 
明るい昼間のはずなのに、カメラの設定ミスで暗視モードの白黒映像になってしまったのが残念です。 
おそらくハイタカAccipiter nisus)ではないか?と思うのですが、どうでしょうか。 
カッコウと迷ったのですが、この時期に夏鳥はもう渡去して居ないでしょうし、尾羽の横縞模様が違います。 

浅い池の中央で辺りを警戒しながら水を飲んでいました。 
やがて水浴を始めました。 
翼を羽ばたかせながら頭を水中に何度も浸しています。 
しかし手入れの行き届いた羽毛は水をすぐに弾いてしまいます。 
その後も飲水と行水を繰り返しています。 
カメラの設定で1分30秒で録画が終了してしまいます。 
ハイタカ?が水場から飛び去るまで見届けられず残念。 

ところが、数分後におそらく同一個体と思われるハイタカが水場に戻って来ました。 
♀♂つがいの可能性もありますかね? 
今度は場所を変え、左岸付近の浅瀬で水浴を開始。 
ときどき水浴を中断し、池の中でじっと辺りを警戒しています。 
断続的に水浴びを繰り返しました。
パタパタ、パシャパシャと翼を羽ばたいて水飛沫を上げる音が聞こえます。 
水浴の合間に、浅い池の中で羽繕いを始めました。
胸の羽毛を嘴で軽く整えています。 
その後も再び同じ所で水浴をやり直しました。 

結局、ハイタカが水場から飛び立つ様子を見届けられませんでした。 
尻切れトンボの映像で残念です。 

ハイタカがこれほど水浴好きとは知りませんでした。 
もしかすると狩りの直後で獲物の返り血を浴びていたのかな? 

※ 画面全体が不自然なピンク色に点滅する症状が煩わしいので、動画編集時に自動色調補正を施しています。 
画面奥に見える森の緑色だけがほんのりと復活しています。 


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