2021/12/07

チゴハヤブサ幼鳥同士で鳴きながら挑発飛行(野鳥)

 

2021年9月上旬・午後14:00頃・くもり・強風

田園地帯の上空を2羽(?)の猛禽がキーキーキー♪と甲高く鳴きながら高速で激しく飛び回っていました。 
追いかけっこしているようなので、縄張り争いなのかと初めは思いました。

しばらくすると、木造施設の屋根の上に設置されたままの古い八木式アンテナに1羽が止まりました。 
この個体aにズームインしてみると、チゴハヤブサFalco subbuteo)でした。 
手前にある魚の背骨のような八木アンテナが邪魔で見えにくいのですが、下腹部が赤茶色ではないので幼鳥のようです。 
動画編集時に一部は逆光補正を施しています。 
(撮影時は逆光で羽根の斑紋が全く見えず、チョウゲンボウかと勘違いしていました。) 

幼鳥aの上空スレスレをもう1羽のチゴハヤブサbが鳴きながら高速で飛び回るようになりました。 
鉤爪や嘴による直接的な攻撃はしませんでしたが、アンテナ上に居座る個体aを威嚇しているように見えます。 
(攻撃と言うよりも、ちょっかいをかけている?)
アンテナ上の幼鳥aは首をすくめてやり過ごすだけで、反撃しようとしません。 
高速で跳び回る相手の動きを首を回して目で追うだけでした。 

やがて、飛び回っていた個体bが近くに立つ電柱の天辺に止まってくれました。 
この個体bが幼鳥か成鳥かの判断が悩ましいところで、一連の行動の解釈が全く変わってきます。 
逆光補正しても下腹部の茶色が薄いので、私はこれも幼鳥(若鳥?)のような気がするのですけど、成鳥だよと誰かに言われたら納得してしまいそうです。 
聞こえる鳴き声と嘴の動きが一致したことから(リップシンクロ)、今まで鳴いていたのは個体bと判明しました。 
鳴き声を声紋解析したいところですが、風切り音のノイズが耳障りです。 

個体bが電柱から鳴きながら飛び立つと、アンテナ上の幼鳥aに対する攻撃?を再開しました。 
幼鳥aの真上でホバリングすることもありました。 
八木式アンテナ上に居座る幼鳥aも今度はキーキー♪と鳴き返すようになりました。
最後、個体bは諦めて右に飛び去り、近くの駐車場の端に植栽されたミズキの梢に止まりました。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:25〜)
チゴハヤブサの見事な高速飛翔能力をご堪能ください。 
さて、この2羽は何をしていたのでしょうか? 
2羽が共に幼鳥だとすると、おそらく飛び回ること自体が嬉しくて兄弟(姉妹)で遊んでいるのでしょう。 
チゴハヤブサの巣立ちはお盆前後が多いのだそうです。(『やまがた野鳥図鑑』p75より) 
「お山の大将」ゲームのような、お気に入りの止まり木(八木式アンテナ)を巡る争い(占有行動)とは考えられません。 
隣に並んで止まれる余裕は充分にあるからです。 
空中戦の遊びに誘うために、活発な個体bがおとなしい個体aを挑発しているように私には見えました。 
幼鳥aはアンテナに止まって親鳥が巣外給餌に来てくれるまで待っているのかな?

活発な個体bがもしも成鳥だとすると、「子別れ」という解釈も考えられます。 
つまり、親鳥が幼鳥を縄張りから追い出そうとしているのかもしれません。 
しかしチゴハヤブサは夏鳥ですから、子育てが終わった親鳥は国内の縄張りに留まる理由がなくなり、南国へさっさと渡去するのではないか?という気もします。 
また、子別れならもっと激しく幼鳥を攻撃するのではないでしょうか?(八木アンテナから幼鳥を追い払えていません。)
幼鳥に実践的な飛行訓練しているのかな?

関連記事(3年前の撮影:9月中旬)▶ チゴハヤブサの縄張り争い/子別れ?(野鳥)
山渓カラー名鑑『日本の野鳥』でチゴハヤブサについて調べると、
声:鳴くことは稀である。繁殖期には、親鳥は「キュッキュッキュッ」と警戒鳴きをする。若鳥も同じような声で鳴くが、少し声が弱い感じであるという。 
見分け方:下腹の赤茶色が見えれば見間違うことはない。若鳥ではこの赤茶色がないが、胴が細く、閉じた翼の先が尾の先を超えることなどに注意する。飛翔時、翼は幅が細くて長く、やや余り気味に見える。(p166より引用)


その後、親鳥も少し離れたところで見つけました。
 つづく→電柱の天辺から脱糞後に飛び立つチゴハヤブサ【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】
チゴハヤブサ幼鳥a(野鳥)@八木アンテナ
チゴハヤブサ幼鳥b(野鳥)@電柱天辺


タマゴタケ幼菌に集まるニクバエ

 

2021年9月上旬・午後13:25頃・くもり 

山道の横のあちこちに真っ赤なキノコが生えていました。 
タマゴタケです。 
見るからに毒々しいのですが、食用可能らしい。 
 傘が大きく開く前の状態は幼菌と呼ぶそうです。 
開きかけの傘が割れて(裂けて)いる幼菌は、自然に割れたのか、それとも食害を受けたのでしょうか? 

帰り道にも同じ群落でチェックすると、風が強い日なのにニクバエの一種が来ていました。 
(風が吹くと匂い分子の拡散は大きく撹乱されてしまうはずです。)
しかしキノコに鼻を近づけて嗅いで見ても、ハエを誘引する腐敗臭や糞便臭などは感じませんでした。 
ハエは飛び立ってもすぐに同じタマゴタケ幼菌に舞い戻って来ます。 
2個の幼菌が並んでいても、ニクバエは割れたキノコに執着しているようです。 
この傾向はその後何度も見られました。 (n=3)
ハエは割れたり裂けたりしたタマゴタケの匂いを好むようです。 
タマゴタケ上のニクバエは口吻を伸縮させておらず、産卵行動も見られませんでした。 (天気が下り坂だったのでじっくり観察できず)
キノコを中心とする虫たちの生態系も奥が深いらしいのですけど、まず私はキノコの名前を一つずつ覚えるところから始めないといけません。 

タマゴタケの幼菌が成長して傘が開く様子を微速度撮影してみようかと思ったのですが、忙しくて手が回りませんでした。 
野生動物が食べてしまうのかキノコ狩りのヒトが片っ端から採取してしまうのか分かりませんが、数日後にはタマゴタケの群落は荒らされたり無くなったりしてしまうのです。 
私も幼菌を採集して自宅で栽培(?)しながら撮影する必要がありそうです。

2021/12/06

ママコナの花で採餌するトラマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年9月上旬・午後12:30頃・くもり 

里山の尾根道に沿って点在するママコナの群落でトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が訪花していました。 ピンク色の唇形花に正当訪花を繰り返し、花蜜を吸っています。 後脚の花粉籠に黄色っぽい花粉団子を運んでいます。
関連記事(8年前の撮影)▶ ママコナを訪花するトラマルハナバチ♀

8年前は植物の名前に自信が持てずエゾママコナと迷いました。
苞葉に鋸歯があることから、今では自信を持ってママコナと分かるようになったのがささやかな進歩です。
(茎の下部の葉には鋸歯がありません。)
今回はママコナの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:15〜) 
吸蜜しながら中脚で顔に付着した花粉を拭っています。 
次の花に向かって飛んでいる間も黒い口吻を長く伸ばしたままでした。

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