2021/11/02

早朝からクリ樹洞の巣口を守るモンスズメバチ♀門衛

前回の記事:▶ クリ樹洞の巣口を守り迎撃に飛び立つモンスズメバチ♀門衛

2021年7月下旬・午前4:45頃・晴れ(日の出時刻は午前4:40) 

前回の定点観察から7日後。 
前回よりも更に少し早い時刻にモンスズメバチVespa crabro)の巣の様子を見に来ました。 
画質が粗くピントが甘いのは、未だ相当薄暗い時刻(薄明)のためです。 
夜明け直前からクリ(栗)樹洞の巣口に門衛が陣取って警戒していました。 
外役ワーカー♀が樹洞から次々に飛び去ります。 

動画には撮れてませんが、ちょっとした事件がありました。 
外役から戻った1匹のワーカー♀が帰巣途中に私の黒いカメラに勢いよくぶつかってきたのです。 
カツーン♪と衝突音が響きました。 
幸いカメラを持っていた手を刺されずに済みました。 
私が巣口の門衛を写真に撮ろうとフラッシュを何度も焚いていたのが気に食わなかったのかもしれません。 
怒ったモンスズメバチ♀が大顎を開閉してカチカチ♪鳴らす警告行動(威嚇)がなかったので、油断していました。
たまたま寝起きで機嫌の悪い個体、あるいは寝ぼけた個体だったのかもしれません。
私の着ていた黒っぽい服装が良くなかったのかもしれません。(上半身のタンクトップが黒と白・赤の細い横縞)
スズメバチの巣を観察・撮影する際は、専用の防護服がなくてもせめて白っぽい服を着るべきです。 
集団で私を襲ってきた訳ではないので、怯まずに動画撮影を続けます。(巣がある樹洞からもう少し離れました。) 

樹洞入口の横の幹に止まって門衛が身繕いしていました。 
左右の後脚を互いに擦り合わせたり腹部を擦ったり、前脚で顔を拭ったりしています。 
羽ばたいてはいないものの激しく腹式呼吸しながら周囲を油断なく警戒しています。 
幹の物陰にもう1匹の門衛が隠れていました。 

早朝から門衛はピリピリしていて、小さな蚊?が飛来しただけですかさず向き直り、つっかかるように威嚇しました。 
その後、2匹の門衛は相次いで飛び立ちました。 
1匹は定位飛行のように営巣木の方を向いてホバリングしながら扇形に飛び再んでから幹に止まりました。 
2匹の門衛が小競り合いすることもありました。(原因を撮り損ねたのが残念) 
帰巣した外役ワーカーに対しても門衛は迎撃に飛び立ち、誰何しました。 
門衛の飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

撮影できた行動としては前回とほぼ同じで、面白みに欠ける報告かもしれません。 
しかし同じだったという結果が私には重要な収穫でした。 
門衛が過敏に警戒し巣口を厳重にガードしているのは、モンスズメバチのどのコロニーでも普通に見られる習性なのだろうと確信できたからです。 
それまでは、もしもクリ樹洞に引っ越したばかりの二次巣だとしたら、引っ越し直後は門衛が警戒を高めているのか?とか、例えば前日にオオスズメバチなどの天敵に襲撃されて警戒態勢を高めていたのではないか?などと他の可能性をいくつか考えていたからです。 

コロニーの活動を一度ぐらいは終日観察してみたいものです。
しかし人目につくとすぐに巣を駆除されてしまうので、早朝または深夜の撮影だけで我慢しています。
無人カメラを仕掛けるのも藪蛇になりそうです。
ヒトが誰も来ない山奥でモンスズメバチの巣を見つけて、心置きなく観察・撮影したいなー。

ところで、門番は若いワーカー♀(羽化後の日齢が浅い個体)が務めるのかな? 
ミツバチからの連想で、スズメバチも年老いた(経験豊富な)個体が外役に出るような気がします。 


ベニシジミ夏型2頭の激しい卍巴飛翔【ハイスピード動画】求愛飛翔?縄張り争い?

 

2021年8月上旬・午後15:55頃・くもり 

川沿いの堤防路の上空を2頭の夏型ベニシジミLycaena phlaeas daimio)が激しく乱舞していました。 
240-fpsのハイスピード動画で撮ってみましょう。 
♀♂間の求愛飛翔なのか、それとも♂同士が縄張り争いで卍巴飛翔しているのか、不明です。 
引きの映像では2頭の性別が外見で見分けられないからです。
 一定の空間を占有し、侵入してくるライバルの♂を追飛などの行動で追い払い、やってくる♀と交尾しようとする「縄張り」行動を繁殖戦略に採用している種も知られている。ベニシジミの場合、幼虫の寄主植物であるギシギシやスイバの生育している湿潤な草地において、♂は静止場所一帯で排他的な占有行動を示し、通過する♀に交尾を試みている。 (渡辺守『チョウの生態「学」始末』より引用)
チョウが互いに相手の周りを飛び回る卍巴飛翔は、縄張り争いの一種と説明される。しかし鋭い牙も爪も持たないチョウがただ飛び回ることが、なぜ「闘争」になるのだろうか。試行錯誤の末に著者がたどり着いたのは、チョウにはライバルという認識がないために縄張り争いが成り立つという“常識外れ”な結論だった。(竹内剛『武器を持たないチョウの戦い方: ライバルの見えない世界で (新・動物記 2)』商品紹介より引用) 
この本もすごい面白そうなのに積読状態なので、早く読まないといけません。 

求愛飛翔だとすると、♀は♂が気に入らず、逃げ回り振り切ろうとしているのでしょうか?
しかし、わざわざエネルギーを激しく消耗してまで♀が高速で♂から逃げ回る必要はない気がします。 
私が過去に観察したベニシジミ♀の交尾拒否行動は、訪花中になされました。
関連記事(7年前の撮影)▶ ベニシジミ春型の求愛と交尾拒否【ハイスピード動画】

縄張りに侵入したライバル♂を追い払おうと、もう1頭の♂が追尾しているのかもしれません。 
後半は互いにもつれ合うようにグルグルと激しい乱舞が始まりました。 
素人目にはゼフィルス(ミドリシジミ類)で見られる卍巴飛翔と似ている気がします。 
やがて2頭は再び追いかけっこモードに戻りました。 

激しい空中戦?が終わり、2頭は別々に飛び去りました。 
求愛飛翔だっだとしても、交尾には至らなかったことになります。 
片方の個体を目で追うと土手の草むらに着地しました。 
雑草の葉に止まって休息しています。 
きっちり閉じた翅裏をしっかり撮るために回り込もうとしたら、手ブレした瞬間に飛び立ってしまいました。 
すぐ近くの枯れ草の先端に止まり直し、翅を開いて日光浴を始めました。 
腹部が細く、前翅頂が尖っていることから♂と分かりました。 
周囲の草むらには♀が産卵するギシギシやスイバなどが生えていそうです。(未確認)
この♂個体はここで縄張りを張り、♀を待ち伏せしているのでしょう。

2021/11/01

川の岸辺で採食する巨大魚:野ゴイ?ソウギョ?【名前を教えて】

 

2021年8月上旬・午後15:15頃・晴れ・気温38℃ 

川の対岸の浅瀬で魚の黒い背中が動いています。 
初めはカメの甲羅かと思ったぐらい大きな魚でした。 
素人の目測では1mぐらいはあったように思いました。 
釣りを嗜まない私は魚類に関して全く疎いのですが、この淡水魚は野生のコイ(鯉;Cyprinus carpio)、つまり野ゴイですかね? 
もしかしてソウギョ(草魚;Ctenopharyngodon idellus)ですかね? 
どなたか教えていただけると助かります。 
現場は最上川の上流域で、堰の手前の流れが緩やかになった地点です。 
釣り禁止区域との看板があり、ここまで大きく育ったのも納得しました。

川岸近くの浅瀬に長々と留まっているので、初めは座礁しているのかと思ったぐらいです。 
水面から上に背中だけ出ています。 
背中がラクダの瘤のように少し隆起して見えるのはカラフトマス♂を連想しました。
背びれは寝ていて(後方に畳んでいて)形が分かりません。 
やがて川岸を離れて深みを遊泳したものの、再び川岸の浅瀬に戻って自ら乗り上げました。 
一体何をしているのでしょうか? 
川底の石に付着した藻でも食べているのかな? 
頭で川底を掘っているようにも見えます。(産卵準備?) 

鯉♀の産卵行動にしては時期が遅いでしょう。
4〜5月の午前中に、岸近くの浅瀬で大きな水しぶきがあがっていることがある。これはいわゆるコイの”乗っ込み”で、産卵行動である。コイはバスとソウギョ両者の食性をもち、汚染水にも耐性のある魚であることから、生態系の均衡を考えて、野外への意識的放流は避けるべきであろう。 (野上宏『街の水路は大自然―1.8kmの川で出会った野生動物たち』p89より引用)

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