2020/06/04

カマツカの赤い実を食すドバトの群れ(冬の野鳥)



2020年1月上旬・午後12:45〜13:00・晴れときどき粉雪

民家の庭木にカワラバト(=ドバト;Columba livia)がバサバサと群がっていました。
何事かと思い近づいてみると、落葉した灌木の枝先に残った赤い熟果を食べに来たようです。

枝の一部には残雪が積もっています。
鳩が食べている赤い実の樹種は、おそらくナナカマドではないかと思います。
落葉後の冬は特徴が乏しいので、花が咲く時期になったら再訪して庭木の種類を突き止めるつもりです。
『野鳥と木の実ハンドブック』でナナカマドを調べると、
鳥が食べるのは11月頃からで、12〜1月になってからの方がよく採食する。(p17より引用)
【追記】
ナナカマドではなく、カマツカと判明しました。
花が咲く時期を見逃してしまったので、未だ暫定的な判断です。

ドバトは細い枝先に足で掴まると、不安定な姿勢でバランスを取るため必死に羽ばたきながら赤く熟した果実を1粒ずつ啄んでいます。
食べにくい枝先にしか果実はもう残っていません。
枝の先端に残った熟果を食べたくても鳩の体重を支え切れず嘴が届きません。
したがって枝先の実だけが残される結果となるのです。
赤い実を食べ終えた1羽が枝から飛び去ると、席が空くのを待ちかねたように別個体が飛来します。
私が見た限りでは、ドバト同士の喧嘩(カマツカ樹上での場所取り)はありませんでした。
樹上での採食を諦めて、路上や雪面に散乱したカマツカの落果を採食しているドバトもいます。

ハト類は植物の実を丸呑みすると種子ごと消化することが可能な種子捕食者です。
つまり鳩はカマツカの種子散布者ではありません。
カマツカにしてみれば、ただの食べられ損です。
木の実をよく食べるヒヨドリと違い、ドバトはホバリング(停飛)しながら枝先の木の実を採食するスキルは無いようです。
おそらくドバトが食べ残した赤い実をヒヨドリや体重の軽い小鳥が食べ、未消化の種子を糞と一緒に排泄することでカマツカの種子散布を助けていると予想されます。
もし腹を空かせた鳩が嘴で枝先を折り取ってから果実を食べるように行動を進化させたら面白いですね。
植物側はどんな対抗措置を取るように進化するでしょうか?(枝先がポキポキと折れないように靭性を高める?)
鳥と植物がこのような進化の軍拡競争を繰り広げていると想像するだけでも、ワクワクしますね。

カマツカの左に植栽された低い灌木はナンテンで、紅葉した葉が真冬でも枝に付いていました。
(庭木に疎い私の理解では)本来ナンテンは常緑樹ですが、紅葉する品種なのでしょう。
ナンテンの枝先にも赤い実が残っていたのですが、ドバトはその実を食べませんでした。
好き嫌いがあるのか、それともナンテンの枝はカマツカよりも更に細くてドバトが止まれないのかもしれません。
あるいは単純に、ナンテンの赤い実はカマツカの実よりも数が少なくて目立たなかっただけかもしれません。
カマツカの実を食べ尽くしたら、ナンテンの実も食べるようになるのかな?

叶内拓哉『野鳥と木の実ハンドブック』でカマツカを調べると、次のように書いてありました。
人間にはおいしそうに見えるが、食べてみるとわずかに苦味がある程度で、味はほとんどない。(p14より引用)

ところが、高槻成紀『都会の自然の話を聴く: 玉川上水のタヌキと動植物のつながり』という本を読むと、カマツカの赤い実はリンゴの味がすると書いてました。(p100より)

カマツカもリンゴも同じバラ科なのだそうです。

どちらが正しいのか、私も実際に味見してみたくなりました。 




ドバト(野鳥)@カマツカ落葉樹上+熟果採食
ドバト(野鳥)@カマツカ熟果採食
ドバト(野鳥)@カマツカ落葉樹上


ドバト(野鳥)群れ@雪道+カマツカ落果採食

カマツカ:赤い実(熟果)
カマツカ:赤い実(熟果)
カマツカ枝先に付着したドバトの羽毛
枝先にだけ赤い実が残っている


ナンテン:紅葉+赤い実・全景
紅葉したナンテンの枝先に赤い実


樹種を同定するために、ときどき定点観察に通いました。 
しかし肝心の花期を見逃してしまいました。 
カマツカは秋になると黄葉するらしいのですが、それも見逃してしまいました。 
引き続き来年も、定点観察を続けます。

葉+未熟果@7月上旬






赤い実(熟果)@9月中旬
しつこく定点観察に通い詰め、2021年6月上旬、遂に白くて小さな花を撮影できました。

6月中旬にもう一度花の写真を撮りました。


2020/06/03

小川を泳ぐ小魚の群れ



2019年9月中旬・午前11:10頃・晴れ

川の本流が中州によって大小2つに別れ、浅い小川になった方(副流路:主要な流れの他に、細い流れがもう1本分岐している)に小魚が群れていました。
私は釣りをしないので、魚類についてはさっぱりです。
これは稚魚なのかな?

網(タモ網)ですくって採集しないと魚の種類を同定するのは無理なのでしょう。
ペットボトル工作で簡単な罠を仕掛けてみても面白そうです。

実はこの辺りでカワセミをたまに見かけるので、もし小魚を捕食するシーンを観察できたら、本腰を入れて魚の名前を調べる気になるかもしれません。
(逆に、捕食シーンがなかなか見れないということは、浅い川で暮らす魚の方がカワセミに捕食されにくかったりするのかな?)
カワウも少し下流の方でこうした小魚を捕食しているのでしょう。



【追記】
松原始『鳥類学者の目のツケドコロ』を読むと、私の疑問に答えてくれていました。
河川の改修によって直線化された浅い河道は、カワセミの「水中に飛び込む」という採餌方法にまったく適していません。飛び込むためには水面の上に止まり木が張り出しているほうがいいし、飛び込む先にはある程度の推進が欲しいのです。カワセミは体が小さいので、水深30センチ程度の浅い水中にでも飛び込むことができますし、ときにはもっと浅い水にも斜め方向に飛び込んで採餌することがありますが、ある程度の深さがないと、やりにくいのはたしかでしょう。 (電子書籍版より引用)



自動色調補正後。レンズに偏光フィルターを掛けると見え方がどう変わるのか試してみたいと思いつつ、早何年…

屋根から飛び立つセグロセキレイ♂(冬の野鳥)



2019年12月中旬・午後12:15

農村部の納屋の屋根の天辺にセグロセキレイ♂(Motacilla grandis)が止まって辺りをキョロキョロ見張っていました。

私の記憶では、水辺を離れた屋根の上にセグロセキレイが居るという状況をこれまで見たことがなくて、少し珍しく思いました。
やがてセグロセキレイ♂は屋根の縁から飛び降りると、物置小屋の背後に消えました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

実は直後に、すぐ近くの白菜畑で♀が餌を探していたのですが、つがい相手のセグロセキレイ♀ではなくハクセキレイ♀でした。


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