2020/05/18

カルガモ♀♂の求愛・交尾行動(冬の野鳥)



2019年12月中旬・午前11:32・晴れ

川面に並んで浮かぶ2羽のカルガモAnas zonorhyncha)が求愛行動(お見合い)を始めました。
互いに見つめ合いながら交互に頭を上下に動かしています。
このヘッドトッシングと呼ばれる求愛の際に嘴を一瞬水面に付けるので、次に首を伸ばすと嘴から水が滴り落ちました。
左の個体が♂、右の個体が♀でした。
♀のお辞儀の動きが小さくなり、頭を水面に下げました。
その背後から♂がのしかかり(マウント)♀の首筋を軽く咥えて体を保定すると、交尾に成功しました。
短い交尾を終えると、♂は頭を低くした姿勢で川面を泳ぎ去り、♀から素早く離れました。(儀式化された求愛行動のレパートリーの一つで、nod-swimmingと呼ぶそうです。)
その場に残った♀は、全身を水中に漬けて水浴を繰り返します。
次に伸び上がって羽ばたき、濡らした嘴で羽毛を整えました。(羽繕い)

※ 動画編集時いつものように手ブレ補正は施しませんでした。(副作用が酷いため)
カルガモの求愛・交尾の一部始終をしっかり観察できたので満足です。
一年越しの宿題が解決しました。

▼関連記事(1年前の撮影)
池の水面で求愛・交尾するカルガモ♀♂【冬の野鳥】

八木力『冬鳥の行動記:Ethology of Wild Ducks』という本で読んだことのある、カモ類の交尾行動と同じでした。

 交尾には♀との合意が必要なので、♂が♀に近づきながら頭部を上下させるヘッドトッシングを行なって交尾を促し、これに♀が同調して頭部を上下させれば同意の合図。
♀は交尾受け入れの姿勢をとります。♂は♀の後頭部をくわえてマウンティング。
交尾終了後、♀は必ず(儀式的水浴びと)転移性羽ばたきを行ない、♂はまれに行なうことがあります。 (p58より引用)


カルガモ♀♂(野鳥)@川面+交尾

2020/05/17

ヤマハギの花で採餌するサカガミハキリバチ♀?の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2019年10月上旬・午後14:15頃・くもり

里山の峠道のコンクリート法面に垂れ下がるように伸びたヤマハギ(山萩)スミスハキリバチ♀(Megachile humilisと思われる蜂が訪花していました。(標高約600m地点)
腹部下面のスコパおよび後脚に黄色い花粉が付着しています。
吸蜜中は腹端をやや持ち上げて海老反り姿勢になりました。
吸蜜中に左右の後脚を擦り合わせることもありました。
体毛に付着した花粉をスコパへ移しているのでしょう。

ヤマハギの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:55〜)
複数個体(少なくとも2匹)を撮影。

ハキリバチ類を見分けるのは苦手ですし、同定のための採集もできていません。
もしスミスハキリバチではなく別種でしたらご指摘願います。
『日本産ハナバチ図鑑』と見比べて素人の当てずっぽうですが、頭楯に白い毛が密生しているのでサカガミハキリバチ♀(Megachile remota sakagamii)ですかね?
(顔が花粉で汚れているだけなら黄色に染まっているはずです。)
ツルガハキリバチ♀(Megachile tsurugensis)とも似ていて、悩ましいところです。
図鑑の記載では、発生期が撮影日の10月を含むのはツルガハキリバチです。(スミスおよびサカガミの発生期は9月まで)


背面
腹面:スコパ
側面



群れから離れた倒木で過ごす独居カワウの羽繕い(冬の野鳥)



2019年12月中旬・午後12:48〜13:55


▼前回の記事
川岸の止まり木でカワウに遠慮するカルガモ(冬の野鳥)

カワウPhalacrocorax carbo hanedae)の群れ(計7羽)が止まり木として共有している倒木から川下に少し離れた別の倒木で独りで過ごしている一匹狼の個体を見つけました。
腹面の羽毛が白っぽいので若鳥のようです。
ブラインド内から隠し撮りしていると、どうしても視野が狭くなり、初めは気づきませんでした。

細い倒木に下流を向いて止まり、念入りに羽繕いしていました。
翼を大きく広げて羽根に風を通し日光を浴びて乾かします。
これほど間近で美しいカワウの羽繕いを観察できたのが嬉しくて、長々と撮ってしまいました。
皆さんには退屈な映像かもしれません。

倒木をつかむ足にも注目です。
中川雄三『水辺の番人 カワウ (月刊たくさんのふしぎ2017年11月号)』によると、
カワウは水かきをもつにもかかわらず、上手に枝をつかむことができます。多くの鳥は前に3つ、後ろに1つのゆびをもちますが、カワウは前だけに4つのゆびがあり、それぞれのゆびの間に水かきがあります。この4つのゆびを使い、木をぎゅっとつかむのです。(p20-21より引用)

せっかくなので、カルガモとカワウの足元に思いっきりズームインして枝の掴み方の違いを撮るべきでしたね。

群れの仲間から外れているのは、血縁関係が薄い個体なのでしょうか?
若鳥でも成鳥と一緒に止まり木で鈴なりに並んでいる個体も居たので、年齢で別れている訳でもなさそうです。
それとも単純に、お気に入りの倒木は早い者勝ちで空席が埋められてしまい、遅れてきた者は仕方なく少し離れた止まり木に甘んじるしかないのかもしれません。
これを見るとヒトはよく「孤立している」「一匹狼」「かわいそうな仲間外れ」「独立心が強い」などど勝手に感情移入や擬人化をしがちです。
それを証明するにせよ否定するにせよ、本当のところは個体識別した上で長期間観察しないと分かりません。

対岸にはカルガモの群れもずらっと並んで休んでいました。

つづく→川岸の倒木に離合集散するカワウ:1日の暮らし【10倍速映像】(冬の野鳥)





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