2019/08/12

幼い雛への給餌と抱雛のため送電塔の巣箱に出入りするハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)




送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#2



▼前回の記事
送電塔の巣箱を守る警戒心の強いハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)

2019年5月下旬・午後17:05〜18:59(日の入り時刻は午後18:49)

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥が巣箱に出入りする様子をまとめてみました。
♀♂のつがいが完全に分業するのではなく、共働きで雛に給餌しています。
ただし抱雛は♀が多いと言われています。

ようやく親鳥は見ている私の存在に少し馴れてくれたようです。(諦めた?)
私に対する威嚇や警告の行動を#1にまとめましたが、ハシブトガラスにしてはあっさりしていました。
大通りの送電塔に長年営巣しているつがいは人馴れしているのかもしれません。

送電塔に近づき過ぎると巣箱を見上げるアングルになり、親鳥も雛も鉄骨に隠れて見えなくなってしまいます。
逆に送電塔から結構離れて望遠レンズで狙った方が観察しやすいのです。

シーン1:

巣内で抱雛する親鳥の太い嘴が特設ステージ(巣箱)の上に突き出て見えますます。
親鳥は辺りをキョロキョロと見渡して監視を怠りません。
用意された巣箱はかなり丁寧な作りの力作で、送電塔の鉄骨に黒い針金でグルグル巻きに固定されていました。
巣箱の外枠は塩ビパイプ製のようで、そこに金網が張られています。
親鳥は枯枝を大量に持ち込んで組み合わせ、丸い巣を作りました。
巣箱の底は金網なので、雨が降ってもすぐに排水されるようになっています。
しかし、巣材が何本か巣箱から飛び出ていてちょっと雑な印象です。
樹上に一から巣を作る場合と比べて巣材の量も少ない(手抜き工事)気がしました。
巣の実物を回収して詳しく調べないことには、定量的な結論を何も言えないのが、辛いところです。
きっと誰か東北電力の巣箱担当者がしっかり調べてくれることでしょう。


シーン2:(@1:43)

巣箱で親鳥♀が抱雛中に、もう1羽の親鳥(おそらく♂)が帰巣し、餌乞いした雛に給餌しました。
ずっと巣に居た親鳥♀にも餌を少し分け与えたように見えました。
給餌後の親鳥♂は雛の脱糞を待たずに、さっさと巣を離れました。(滑空して川の方へ)

シーン3:(@2:29)

親鳥が♀♂共に巣をしばらく留守にした後で、親鳥♀が戻って来て抱雛を再開しました。

シーン4:(@3:31)

採餌から戻った親鳥が右下から斜めに飛び上がるように巣箱と同じ段の鉄骨に着地しました。
リズミカルなホッピングで巣箱の縁に止まりました。
その振動に雛が反応し、首を精一杯伸ばして真っ赤な口を大きく広げ、餌乞いを始めました。
雛の鳴き声は遠くて聞き取れません。
ところが親鳥は雛に給餌もしないで辺りを見回しているだけです。
しばらくすると雛は諦めて餌乞いを止め、巣内にうずくまってしまいました。
動物行動学の教科書で学んだときには、雛の餌乞いを見たら親鳥は機械的に給餌衝動に駆られるのだとばかり思い込んでいましたが、実際に観察すると意外に柔軟なのですね。
親鳥はようやく警戒を解き、巣箱に座り込んで幼い雛を抱き寄せます。

シーン5:(@4:31)

親鳥の帰巣シーンを撮り損ねてしまいました。
ホッピングで入巣すると、抱雛。
鉄塔の背後の鉛色の空をジェット機が飛んでも、飛行機雲は形成されません。

シーン6:(@5:18)

撮影地点をこっそり変更して、遠くの木陰から送電塔の巣箱を隠し撮りしてみます。
まずは親鳥♂が帰巣しました。
次に右からもう1羽の親鳥♀が帰巣し、鉄骨に並びました。
時間をかけてようやく♀が巣箱に入り、抱雛。
右の鉄骨に止まっている親鳥♂が急にカーカー♪鳴き始めました。
何事かと思いきや、すぐに親鳥♀♂が相次いで巣から飛び立ちました。
領空侵犯に対応する緊急出動のようです。
隠れている私の存在がバレてしまったのかな?


つづく→#3:ハシブトガラス♀♂つがいの愛情表現:キスと相互羽繕い(野鳥)


ニセアカシアの花で吸蜜・採餌するクマバチ



2019年5月下旬

河畔林で満開に咲いたニセアカシア(別名ハリエンジュ)キムネクマバチ♀♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
ニセアカシアの花の周囲で縄張りを張り♀を待ち伏せる雄蜂♂はこの時期によく見かけるのですけど、訪花シーンを撮れたのは意外にも今回が初めてです。

▼関連記事(2年前の撮影)
ホバリング中のクマバチ♂に石を投げてみると…【HD動画&ハイスピード動画】

花から花へと忙しなく飛び回るため、クマバチの性別をしっかり見分けられませんでした。
長時間のホバリング(占有飛翔)に疲れた♂が栄養補給(吸蜜)に来たのかな?
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けていれば間違いなく採餌中の♀です。


土手でセイヨウタンポポの種子を食すカワラヒワ♀♂(野鳥)



2019年5月上旬

堤防の道端に咲いたセイヨウタンポポの群落でカワラヒワCarduelis sinica)の♀♂つがいが種子を食べていました。
風が強い日で、タンポポの綿毛はほとんど吹き飛んだ後でした。
地面に落ちた種子を食べるだけでなく、背の高い茎でも蹴倒して倒伏させ、茎を踏みつけたまま残った種子を直接ついばむのがカワラヒワの得意技です。
辺りを警戒しながら2羽が互いに近くで採食を続けています。

最後は何かに驚いて一斉に飛び立ち、川とは逆の住宅地へ飛び去りました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、羽ばたきとともに黄色い翼帯が点滅して見えてきれいです。


カワラヒワ♀♂(野鳥)@土手+セイヨウタンポポ種子採食

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