2019/01/26

バラハキリバチ♀の仕業【フィールドサイン】

2018年6月上旬

小ぶりな花を咲かせる赤いバラの園芸種の若葉に丸くくり抜かれた跡が幾つも残されていました。
ハキリバチ科の♀が巣材を集めに来ているのでしょう。
その名もズバリ、バラハキリバチ♀(Megachile nipponica)の仕業かもしれません。
葉の成長に伴って若干変形している可能性もありますが、本で読んだ通りに、葉の切り取られ方は円形および楕円形の2タイプあります。
切り取った跡の縁は日数が経つと茶色に変色するようです。

葉切り跡@赤バラ葉
葉切り跡@赤バラ葉
葉切り跡@赤バラ葉
葉切り跡@赤バラ葉


手元にある『ハチ・ハンドブック』でバラハキリバチについて調べると、

・営巣場所は竹筒や甲虫の脱出孔など既存坑を使うことが多い。巣材は営巣場所の近くで見つかる柔らかい植物の葉で、種名のようにバラの葉を特に好むわけではない。
・春から秋まで2〜3化する。(p89より引用)


蜂そのものを見てないのにバラハキリバチの仕業だと決めつける訳にはいきませんが、一応、予備知識として頭に入れておきます。


6月中旬
10mぐらい離れたブロック塀に別のバラの生垣(赤い花)が植栽されているのを気づきました。
ところが、こちらのバラの葉は全く無傷でした。
ハキリバチ♀はどのような基準で巣材の葉を選ぶのだろう?と素朴な疑問を抱きます。
なるべく巣に近い所で済ませるのか、好みのバラの葉の種類があるのか、葉の柔らかさなどが違うのかもしれません。


8月下旬

バラの葉を切り抜いた跡を見つける度にその葉を取り除くようにすると、次回までに新たな葉切り跡が作られています。
取っても取っても取り切れない…ということは、ハキリバチ♀による巣材集め活動が続いていることを意味しています。

バラの隣に生育したケヤキおよびウワミズザクラの葉にも丸い噛み切り跡があることを新たに発見。
食植性の幼虫の食痕にしては、あまりにもきれいな丸い噛み切り跡です。
切り口がやや変色していることから、古い痕跡と思われます。
それまで私が気付かなかっただけで、ハキリバチ♀がいつからここで巣材を集めていたのか、不明です。


巣材の植物種にはあまり頓着しない種類のハキリバチ♀が活動しているのかな?(1種類とは限りませんね。)
同一種(バラハキリバチ?)でも世代が替わったのかもしれません。
辺りには色々な灌木が鬱蒼と茂っています。
ノリウツギ、タニウツギ、アジサイ、フキ、ツタの葉にはハキリバチ♀にくり抜かれた痕跡は見つかりませんでした。
どういう基準で巣材に選ばれているのでしょう?


葉切り跡@ウワミズザクラ葉
葉切り跡@ウワミズザクラ葉
葉切り跡@ケヤキ葉
葉切り跡@ケヤキ葉

9月上旬
依然として、バラの葉に丸く切り取られた跡が新しく残ります。
さすがにもう見落としとは考えられないので、やはりハキリバチ♀が未だ営巣活動中なのでしょう。



9月中旬
切り取り跡の付いたバラの葉を小枝ごと採集してみました。
方眼紙に載せて採寸してみます。

葉切り跡@赤バラ葉表@方眼紙
葉切り跡@赤バラ葉裏@方眼紙

今季のまとめ
実は私は、ハキリバチ♀が葉を大顎で切り取る行動を未だ見たことがありません。
いつか観察したいと常々思っていたので、巣材の採取地を見つけたのは大きな前進です。
しかし、ときどき、短時間しか見に来れなかったので、今季は活動中の母蜂と一度も出会えませんでした。
巣材集めをする時間帯が決まっているのでしょうか?
近所にあると思われる営巣地の場所も分かりません。
予め竹筒トラップを仕掛けておけば、ハキリバチ♀が営巣してくれるかな?



2019/01/25

イラガ(蛾)終齢幼虫が営繭前にオシッコ噴射

イラガ(蛾)の飼育記録2018年:#1


2018年9月下旬

今季もイラガMonema flavescens)の幼虫を終齢から飼い始めました。
繭の斑紋形成をもう一度観察するのが目的です。
9月下旬にカキノキの木の下で採集した終齢幼虫の個体で、柿の葉を給餌して育てきました。



2018年10月上旬

ある日食欲を失ったイラガ終齢幼虫は、カキノキの葉表に静止しました。
営繭前のみんに入ったのでしょうか?
ただし、正常に繭を紡げずになぜか病死してしまう例がこれまで多かったので、予断は許しません。
消化不良の腹痛で苦しんでいるのか?と心配したりもしました。

葉に静止したまま、腹端を持ち上げて透明なおしっこ(液状便)を後方に勢い良くピュッと噴射するようになりました。
時間を開けて何度も排泄します。
いわゆる下痢便とも違いますが、これも営繭の前兆かもしれません。
繭を紡ぎ蛹化する前に、体内の余分な水分を排出しておく必要があるのでしょう。
過去の観察記録を振り返ってみると、2年前には営繭中にオシッコをしていました。

▼関連記事
営繭中に排便するイラガ(蛾)終齢幼虫


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
この映像は、長々と微速度撮影した10倍速の監視映像を再び1倍速に落としているために、どうしてもコマ落ちがあります。
いつ次のオシッコをするのか予測できなかったので、動画として記録するための苦肉の策です。
通常の1倍速動画やハイスピード動画でオシッコ噴射を撮影しようとしたら、幼虫はもうオシッコしてくれなくなりました…。

つづく→#2:営繭前の眠で微動だにするイラガ(蛾)終齢幼虫【10倍速映像】


イラガ(蛾)終齢幼虫@カキノキ葉表+営繭前眠

2019/01/23

モズ♂が電線から排便(野鳥)



2018年7月上旬・午後18:15

電線に止まったモズ♂(Lanius bucephalus)が夕日を浴びて良い感じです。
下の原っぱをキョロキョロ見下ろしているモズ♂の後ろ姿を撮っていたら、黒っぽくて丸い固形糞をポトリと排泄しました。(@0:16)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


モズ♂(野鳥)@電線

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