2019/01/04

ヒミズ死骸の肉片をクロヤマアリから守るクロオオアリの群れ



2018年9月下旬


▼前回の記事
ヒミズの腐乱死体に飛んで集まるヨツボシモンシデムシ

腐乱したヒミズUrotrichus talpoides)の死骸から少し離れた路上に小さな肉片が転がっていました。
死骸から食い千切った肉片を4匹のクロオオアリCamponotus japonicus)のワーカー♀が巣に運ぶ途中のようです。
肉片を大顎で噛んで引っ張り、更に細切れにしようとしています。
肉片には数匹の白い蛆虫(ハエの幼虫)が蠢いているのですが、アリは蛆虫を獲物とはみなしていないのか、肉片に夢中です。


▼関連記事
猿の死骸からウジ虫を運ぶアリ

2匹のクロヤマアリFormica japonica)も物欲しそうに肉片に近寄って来ました。
しかし、体格に勝るクロオオアリ♀が撃退しました。
クロヤマアリ♀は追い払われてもすばしこく逃げ回り、横取りするチャンスをしつこく狙っています。

もし仮に、クロヤマアリが援軍を呼び寄せてクロオオアリを数で圧倒したら、勝機はあるのでしょうか?


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クロオオアリ♀4 vs クロヤマアリ♀2@ヒミズ死骸:肉片

2019/01/03

逃げたニホンカモシカと再会



2018年9月下旬
▼前回の記事
鼻息を荒げ蹄を踏み鳴らして威嚇するニホンカモシカ

野生ニホンカモシカCapricornis crispus)と一触即発の睨み合い(メンチ切り対決)を制した興奮も醒めやらぬまま、つづら折れの峠道を数百メートル下ると、おそらく同一個体と思われるカモシカと再会しました。

別れてから3分後のことです。
先程のカモシカが藪に覆われた谷を駆け下りスギ林を走り抜け、先回りして私を待ち構えていたようです。

スギ林から車道に出て来たカモシカは私に対してフシュフシュ♪と鼻息を荒げて威嚇しながら車道を走り去りました。
今度はもう私に対して向かって来ませんでした。
山道のカーブの死角に消えたカモシカを慌てて追いかけたのですが、見失ってしまいました。

どうもカモシカという動物の性格は、臆病なだけでなく実は好奇心も旺盛な気がしてなりません。
逆に私のことをどう思ったのか、カモシカに聞いてみたいものです。
「せっかく巻いたはずなのに、あのおかしな人間がしつこく追いかけてきやがった」と思ったかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

三部作のシリーズ完。


ニホンカモシカ@再遭遇+対峙+

シャグマユリの花から離着陸を繰り返して縄張り占有するアキアカネ成熟♂【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

農村部の物置小屋の前に咲いたトリトマ(別名シャグマユリ)の花穂の天辺にアキアカネSympetrum frequens)成熟♂が止まっていました。
腹部が赤く色づいて「赤とんぼ」になっているのは性的に成熟した証です。
花穂からときどき飛び立っても、またすぐに舞い戻って来ます。
見晴らしの良いここを縄張りの拠点として、交尾相手の♀や獲物が飛来するのを待ち構えているようです。


(アキアカネの)成熟♂は朝方に草地や樹上で探雌飛翔するほか、日中は水辺の植物や地面に止まって縄張り占有し、♀を見つけると捕えて交尾する。(『日本のトンボ』p389より引用)

止まったまま時間が経っても、翅を深く下げた休息姿勢になりません。
翅を水平よりやや持ち上げた姿勢のままで、いつでも飛び立てる臨戦状態を保っています。
大きな複眼のある頭部がときどきグリグリと動き、辺りを油断なく見張っています。

ちなみに、ときどきバーン!と聞こえるのは、銃声ではなく近くの田んぼに設置されたスズメ追いの爆裂音です。

▼関連記事
収穫前の田んぼからスズメ(野鳥)を追い払う爆音機♪
この爆裂音が鳴ってもアキアカネ♂は驚いて逃げたりしませんでした。
もうすっかり慣れてしまって気にならないのか、それともトンボは聴覚があまり発達していないのでしょうか。

アキアカネ♂の離着陸や飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:11〜)
離陸シーンでは、前方に飛び出すだけでなく、いきなり急上昇することも斜め後方に飛び上がることもありました。
縄張りを軽く一回りした後、シャグマユリの花穂に近づいてホバリング(停空飛翔)しながら畳んでいた脚を広げて着陸します。
花穂に止まる向きが決まっているせいか、着陸時はいつも同じ方向からアプローチしています。
戻ってきたアキアカネ♂をよく見ても、獲物は何も捕らえていません。

渡辺守『トンボの生態学』によると、

ノシメトンボの採餌飛翔の経路は、静止場所の上空を通過しようとする小昆虫に向かってほぼ一直線に飛翔し、捕獲成功の有無にかかわらず空中で反転し、もとの静止場所に戻ってくるという8の字型である。(p48より引用)

今回のアキアカネ♂の行動も採餌飛翔(捕獲失敗)の繰り返しなのかもしれませんが、もう少し引きの絵で撮らないと飛翔経路が8の字型になっているかどうか分かりませんね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

余談ですが、この園芸植物の「トリトマ」という呼称は旧属名から来ているらしいので、そのうち使われなくなりそうです。
現在の分類体系ではユリ科Tritoma属ではなくツルボラン科Kniphofia属とのこと。


アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有
アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有
アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有

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