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繭作りのため地中に潜るウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【60倍速映像】
ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#13
2016年9月中旬・午後21:09〜午前11:06
飼育下で営繭を観察するのは無理かと諦めかけていたら、ウスムラサキイラガ(Austrapoda hepatica)の終齢幼虫はプラスチック円形容器の縁と接する地表の窪みに落ち着き、口から絹糸を吐いて繭を紡ぎ始めました。
微速度撮影で記録したので、100倍速の早回し映像をご覧下さい。
ちなみに、丸皿容器の直径は30mm(内径)。
繭室の底となる土に絹糸を敷き詰めて裏打ちしています。
幼虫は地中に完全には潜れなかったため、繭室の上はがら空きで足場がありません。
これからどうするのでしょうか?
砂粒を綴った塊が天井中央まで細長く伸びて、絹糸を架ける足場となる橋頭堡が出来ました。
これ以降は一気に営繭が進みます。
ときどき休む静止時にも背脈管(昆虫の心臓)の拍動がよく見えます。
初め白っぽかった繭が、次第に褐色に変化しました。
本種は毛虫ではないので、繭に抜け毛を織り込んでいるのではなく、絹糸の色が褐色なのでしょう。
同じイラガ科でもイラガ(Monema flavescens)の繭とは似ても似つかない繭が完成しました。
むしろイラガの硬い繭が異例なのでしょう。
完成した繭の中でウスムラサキイラガは前蛹越冬するそうです。
夏になったら成虫が無事に羽化してくれるでしょうか?
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【おまけの動画】
同じ素材で早送り速度を落とした10倍速映像(これがオリジナル)および60倍速映像をブログ限定で公開しておきます。
つづく→#14
【追記】
2020年9月下旬
里山の林道横の法面に自生するアカメガシワ幼木の若葉に黄緑色の懐かしいウスムラサキイラガの幼虫を見つけました。
フィールドで見かけるのはこれが2回目です。
葉の表側に堂々と静止していました。
採集してもう一度飼育しようか迷ったのですけど、この時期は色々と忙しかったので、写真に撮っただけで済ませました。