2015年6月上旬・午後22:53
農村部の夜道で遭遇したゲジ(Thereuonema tuberculata)終齢幼虫が疾走する様子をシーンを赤外線の暗視動画に撮りました。
指で触れると慌てて逃走するのですけど、持久力がないのかすぐに止まってしまいます。
もしかしてクモと同じく呼吸器官が原始的なのですかね?
白色LEDの照明を点灯してもすぐには逃げません。
採寸代わりに指を並べて写しこみました。
触角を除き歩脚が14対しかないので、成体ではありません。
(ちなみに脚が15対あれば成体です。)
『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』でゲジを調べると、
孵化した幼虫は4対の歩脚をもち,第2期幼虫で5対,その後脱皮ごとに2対ずつ歩脚を増し,第6期幼虫で 13対となる。
『日本大百科全書(ニッポニカ)』によると、
3週間ぐらいで孵化(ふか)した幼虫は4対の歩肢しかないが、脱皮ごとに胴節数と歩肢対数が増えてゆき、約2年を経て成体になる。
という訳で、終齢幼虫だろうと判明しました。(昆虫と違って「齢」で数えないのかな?)
▼関連記事(室内で撮った成体)
夜のゲジ逃走中!【暗視映像】
2015年6月上旬
▼前回の記事
ヒレハリソウの花で盗蜜するセイヨウミツバチ♀
水田の畦道に咲いたヒレハリソウ(=コンフリー)の群落でセイヨウミツバチ(Apis mellifera)のワーカー♀が何匹も訪花していました。
複数個体を撮影。
花筒に潜り込んで正当訪花している個体も後脚の花粉籠は空荷でした。
2匹が隣り合う花で吸蜜するシーン(正当訪花)も見れました。
その一方で、盗蜜している個体もいます。
つまり、セイヨウミツバチは正当訪花しても舌が蜜腺に届くのに、あえて穿孔盗蜜することがある、と分かりました。
目移りしてしまうほど忙しなく飛び回るため、同一個体が正当訪花と盗蜜の採餌戦略を花によって(花筒の深さに応じて臨機応変に)切り替えるかどうか確認できませんでした。
経験豊富な個体が学習の結果として盗蜜を覚えるのかな?
生まれつき舌の短い個体が盗蜜しがちなのでしょうか?
それとも気紛れな日和見主義なのでしょうか?
『但馬・楽音寺のウツギヒメハナバチ:その生態と保護』p69によると
盗蜜は、クマバチ類だけの専売特許ではなく、ハキリバチ類、マルハナバチ類、セイヨウミツバチなど多くの種類で見られる。
舌が短く盗蜜行動の常習犯であるオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)も同じ群落で盗蜜していました。(映像のラスト)
もしミツバチの行動が二次盗蜜(一次盗蜜者があけた穴を利用する盗蜜)ならば、一次盗蜜者はおそらくこのオオマルハナバチでしょう。
2015年6月上旬
堤防の階段にムクドリ(Sturnus cineraceus)の死骸が一羽転がっていました。
羽根の黒色が薄いので若鳥(巣立ち雛)なのかな?
成鳥でも死後は血の気が引いて褪色する、なんてことはないですよね?
丁度樹の下だったので、樹上の巣から落鳥したのかと探してみたものの、巣は見当たりませんでした。
死骸に外傷や出血は認められず、死因は不明です。
鳥インフルエンザの流行は最近とんと聞きません。
バードストライクやロードキル(交通事故の轢死体)を誰かが道端から投げ捨て、たまたまここに落ちたのかもしれません。
巣立ち雛が何か有毒植物を誤って食してしまった(食中毒)という可能性も考えられます。
解剖して胃内容物を調べたら空腹による餓死ではありませんでした。(詳細は別の記事に書きます)
写真に撮りつつ死骸を裏返したら緑色の美しい(ミドリ)キンバエが数匹、死臭を嗅ぎつけて飛来しました。(※追記参照)
開いたままの眼球に興味を示しました。
♀が産卵(産仔)しに来たのかもしれません。
(ハエの種名は全然まじめに検討してません。)
ムクドリの死骸をどうするか迷いました。
現場に放置して生物分解される様子を定点観察したかったのですが、檻にでも入れない限り野生動物にすぐ持ち去られそうなので却下。
頭骨標本作りのために持ち帰りました。
つづく
※【追記】
大園享司『生き物はどのように土にかえるのか: 動植物の死骸をめぐる分解の生物学』によると、
動物のからだを構成する細胞は、酸素が不足すると、細胞自身のもつ酵素のはたらきによって分解しはじめます。これが、自己消化です。(中略)自己消化は、死後数分のうちに始まります。自己消化が始まるのとほぼ同じタイミングで、クロバエやニクバエが遺体に飛来して卵を産みはじめます。 (p37より引用)
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