2012年8月上旬
山桜の幹にヒグラシが黙って止まっています(地上75cm)。
徘徊する働きアリがセミにちょっかいをかけると、興味深い行動を示しました。
威嚇するかのように翅を小刻みにチャッチャッと震わせて撃退したのです。
映像では計3回、チッチッと翅を震わせて近づくアリを追い払っています。
音量を上げ耳を澄ませてお聞き下さい。
セミを捕獲して性別を調べればよかったですね。
微かに鳴いたということは♂なのかな?
それとも単に翅を弾いた音ですかね?
(ヒグラシの)オスの腹部はメスよりも明らかに太くて長く、オスメスの区別がつけ易い。また、オスの腹腔内は大きな共鳴室が発達しているためほとんど空洞で、光が透けるほどである。(wikipediaより)
解説を読んでも不慣れな私は外見から見分けられません。
腹面に発音器の腹弁が有れば♂と分かるのですが。
2012年8月上旬
山地のフィールドで捕獲したジガバチの仲間♀を個体識別のため炭酸ガス麻酔下でマーキング(黄色)しました。
ヤマジガバチまたはサトジガバチだと思うのですが、相変わらず私には外見で見分けられません。
(ミカドジガバチの可能性は?)
いつもお世話になっている蜂屋のヒゲおやじさんに写真鑑定してもらったところ、ヤマジガバチだろうとの回答を頂きました。
蜂蜜をなめる個体の中胸背板の画像をみると、おそらく「ヤマ」でいいと思います。
麻酔から完全に回復するまでの間に蜂蜜の原液を一滴与え、もてなしました。
早速、黒く長い舌を伸ばして吸蜜しています。
その後、このヤマジガバチ♀黄を放虫して追跡してみたのですが、林縁の潅木で見失ってしまいました。
片手間にほんの数匹マーキングするだけでは駄目ですね。
本腰を入れて、辺りに生息するジガバチ全個体を捕獲・標識する意気込みでやれば何か面白いことが分かるかもしれません。
営巣活動を観察・撮影するのか、一時捕獲して個体標識するのか、それとも同定してもらうため標本を採集するのか、いまいち目的が定まらず中途半端でした。
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徘徊@放虫後 |
同じ日に同じ場所でヤマジガバチ♂も個体標識(黄色)しました。
低空飛行と地上徘徊を繰り返す♂をしつこく追いかけて林縁のリョウブに訪花したところを捕獲しました。
♂は全身が痩せっぽちで顔が白いのですが、頭楯を接写してみると銀色の毛が密生していました。
同様に蜂蜜を与え、吸蜜する口器の動きを接写してみます。
口髭でリズミカルに蜜滴の表面に触れています。
後で思うと、捕獲した♀♂ペアの交尾行動を飼育下で観察してみればよかったですね。
せめて同種なのか別種なのか知りたいものです。
【追記】
アナバチ類の触角は♂で13節、まれに12節、♀で12節ある。(『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p44より)
2012年8月下旬
スズキハラボソツリアブ(Systropus suzukii)が単独でイタドリに訪花する様子を220fpsのハイスピード動画で撮影してみました。
ツリアブ科ですけどホバリングしながらの吸蜜ではなく、毎回花に着陸して翅を休めてから吸蜜しています。
個々の花蜜の量が少ないのか、忙しなく飛び回ります。
そのため、じっくりと接写するチャンスをなかなか与えてくれませんでした。
ニトベハラボソツリアブという近縁種もいますが、初めて自分で写真鑑定できました。
触角第1節の全体が黒色のものはスズキハラボソツリアブ、触角第1節は橙黄色をしていればニトベハラボソツリアブなのだそうです。
通常のHD動画でも撮ってみました。