2012/09/15

クロバナヒキオコシの茎を食すキスジアシナガゾウムシ




2012年6月上旬

クロバナヒキオコシの茎にゾウムシのペアを発見。
♂が♀の背中に乗っているものの、交尾器は結合していません。
交尾後ガードなのかな?
体長は♂<♀。
いつもお世話になっている虫我像掲示板にて質問したところ、蛾LOVEさんよりキスジアシナガゾウムシだろうと教えて頂きました。

♀は頻りに長い口吻をクロバナヒキオコシの茎にグサグサと突き刺しています。
茎の側面に生じた裂け目から中の黒い口吻が覗いて見えます。
茎の髄に穿孔して産卵しようとしているのか、それともただの採食行動でしょうか。
ちなみにシソ科の茎は断面が四角形(正方形)です。

本種の幼虫はイラクサ科のヤブマオやキク科アザミの茎の中に棲み、そこで蛹になる
らしい。
♀はヤブマオの茎を切断して産卵するとの記述もありました。
クロバナヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属)は科も違いますし、産卵目的ではなさそうです。
茎のかなり広範囲が傷ついていた(食痕)ので、産卵口を開けていたのでは無いように思います。
♀は色気より食い気なのでしょう。

警戒した♀が茎から口吻を抜きました。
(抜く瞬間は撮り損ねました。)
茎の裏側にゆっくり回り込みながら口吻を前脚で拭います。
背側を接写しようとレンズを向けると茎の裏側にくるりと回り込んでしまいます。
最後はうっかり草むらを乱してしまい、擬死落下して見失いました。



恋人とキスする前にミントを噛んで口臭ケア?
【追記】
茎の傷から出る匂いが、交尾相手の♂を惹き寄せるのかもしれません。(『カラー自然シリーズ47:ゾウムシ』p12より)

2012/09/14

コガラの行水と羽繕い【野鳥】




2012年7月上旬

山中にひっそりと佇む沼で水浴する野鳥を待ち構えて、こっそり撮影しました。
混群で飛来した中のコガラ篇です。

浅瀬で素早く行水すると岸の潅木に戻って羽繕い。
鳴きながらこれを何度も繰り返します。




2012/09/13

毒虫アオバアリガタハネカクシを捕食したトノサマガエルが嘔吐




2012年7月上旬

池から岸に上陸したトノサマガエルPelophylax nigromaculatus)を何気なく撮っていたらスクープ映像が撮れました。
スギの落ち葉に乗り、こちらを向いて静止しています。
その場で方向転換すると、たまたま目の前を横切った虫を電光石火の早業で捕食しました。
ところがすぐに舌を出して吐き出しました。


岸辺の日当たりが良過ぎて白飛び気味ですが、映像を何度も見直すと獲物の正体はアオバアリガタハネカクシPaederus fuscipes)のようです。
この甲虫(ハネカクシ科)の体液にはペデリンという強力な有毒物質を含むことで有名です。


※アオバアリガタハネカクシ1個体の抽出物の半量がハツカネズミのLD50で,皮膚に接触させると特有の壊疽を生じる。(『最新医学大辞典』より)
アオバアリガタハネカクシの分泌する体液が皮膚につくと,体液中の毒物質ペデリンにより痒みが起こり,発赤,水疱を生ずる.虫を払いのける際,こすった部分が線状に“みみず腫れ”になるのが特徴(線状皮膚炎).眼に入ると激痛,結膜炎,角膜潰瘍,虹彩毛様炎などを起こす.

派手なツートンカラーの体色は、毒虫であることをアピールする警戒色(警告色)なのでしょう。
幸い飲み込む前だったようで、トノサマガエルが胃を洗う行動(※)は見られませんでした。
ひどい目にあったこの蛙は二度とアオバアリガタハネカクシを捕食しないでしょう(学習)。
解放されたアオバアリガタハネカクシは何事もなかったかのように逃走。



カエルが獲物を狩る瞬間を撮れたのは初めてです。
どうせなら、スローモーションでリプレイして見せればよかったですね。




【参考映像】
※ 懐かしの某番組で紹介されたネタ「カエルは異物を飲み込むと胃袋ごと吐き出す」。



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