2015/06/28

ヒオドシチョウの羽化(左右の口吻が結合する様子)



ヒオドシチョウの飼育記録#15


▼前回の記事
羽化したヒオドシチョウの初飛行

2015年6月中旬・室温23℃

最後に蛹化したヒオドシチョウNymphalis xanthomelas japonica)個体d白も無事に羽化してくれました。
実はこの個体は、終齢幼虫の時代に脱走して一時行方不明になりました。
数日間も室内を彷徨った末に再捕獲したのです。
長い飢餓状態に置かれても発生が少し遅れただけで問題なく成虫まで育ちました。

柳の枝に垂蛹を作ってから11日後の朝、翅の赤色が蛹の外から透けて見えるようになりました。
羽化が近いと判断し、早朝から録画で監視スタート。
今回の目標は、左右2本の口吻が1本に結合する様子を(マクロ)動画に撮ることです。

これまでの2例では、ヒオドシチョウの羽化開始時刻は9:42および14:39でした。
今回は午前7:33に蛹が割れて羽化が始まりました。
ただし早朝から撮影用の照明を当て続けたので、蛹の日周リズム(体内時計)が前にずれた可能性もあります。
今回も羽化の予兆となるような蠕動運動は認められませんでした。

冒頭16秒のみ、微速度撮影した10倍速映像です。
その後はリアルタイムに録画した映像です。
あっという間に翅が伸び切ったので、今度はマクロレンズで口吻を接写してみました。(5倍速映像)
鱗翅目の口器は幼虫と成虫とで機能も形態もまるで異なります。
噛む口器から吸う口器へと完全変態を遂げるのです。
成虫の口吻は羽化した時からストローのような管状になっている訳ではありません。
ゼンマイ状の口吻をくるくると伸縮させながら根本からジッパーを閉じるように左右2本の口吻を結合します。
もしも口吻の結合に失敗すれば、文字通り死活問題になります。(花蜜を摂取できずに餓死してしまうでしょう。)
口吻の結合が完了すると、口吻の伸縮が止まります。
丁度その頃、不要となった体液を蛹便として排泄したようです。
下に敷いた白紙が赤い蛹便で汚れていました。
後半は透明な液体も排泄したようです。



午前11:35頃になると翅も体も固まったようで、自力で明るい窓の方へ飛び立ちレースカーテンに止まりました。
撮影後は窓を開けて放蝶しました。




以下は羽化殻の写真。


さて、今回4頭の終齢幼虫を採集してきて飼育した結果、羽化率は100%(4/4)、寄生率は0%でした。
1匹ぐらいは寄生されているかな?と思ったので意外でした。
ヒオドシチョウ幼虫の棘状突起に寄生を妨げる防禦効果があるのかな?と想像してみました。
しかしヒオドシチョウを寄主とする寄生蜂を調べてみると例えば、ヒメヒオドシヤドリヒメバチが知られています。

シリーズ完。


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