2025/04/05

ボケの開花を待ち切れずに赤いつぼみで採餌を試みるセイヨウミツバチ♀【ハイスピード動画】

 



2024年4月中旬・午後14:25頃・晴れ 

赤い花を咲かせるボケ(木瓜)の品種に訪花するセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀を240-fpsのハイスピード動画で撮っていたら、興味深い行動が撮れました。 
花だけでなく、未開花のつぼみにも訪れて念入りに調べていたのです。 
後脚の花粉籠は空荷の個体でした。 
セイヨウミツバチ♀は前脚で顔や触角を拭って身繕いすると、ようやく諦めて蕾から飛び去りました。 

セイヨウミツバチ♀は、まだ固く閉じている花弁をこじ開けて侵入しようとしているのでしょうか。 
それとも蕾に穿孔して、蜜腺から直接盗蜜しようとしているのかもしれません。 
ボケの花がまったく咲いていない蕾だけの時期ならともかく、同じボケの木で花がすでに多数咲いているのに、どうして蕾に執着するのか、理解に苦しみます。 
開花直前の蕾は花蜜が最も豊富なのでしょうか。 
ボケは鳥媒花と言われていて、花にも蕾にも虫を誘引する芳香はありません。 (少なくとも私の嗅覚では無臭)
ミツバチを誘引するフェロモンに分子構造がたまたま似ている未知の化学物質をボケの蕾が密かに分泌しているとしたら、面白い話です。

ちなみに、ミツバチと入れ替わりで別種のハナバチが飛来しました。 
触角が長く、頭楯が白い蜂です。 
なんとなくツツハナバチですかね?(当てずっぽうのボケをかましてみました。)

晩秋の刈田で何度も虫を狩り捕食するチョウゲンボウ♀【野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月中旬・午後13:20頃・晴れのち曇り 

広い田んぼに隣接するグランド(球場)でネットの支柱の天辺にチョウゲンボウ♀(Falco tinnunculus)が止まっていました。 
ここはチョウゲンボウがお気に入りの止まり木で、毎年秋になるとよく見かけます。 
支柱の天辺は鳥の糞で白く汚れています。 
支柱の天辺で周囲を見渡して、稲刈りが終わった刈田に潜む獲物を眼光鋭く探しています。 
秋風でチョウゲンボウ♀の羽毛がなびいています。 

まるで頷くように、しきりに顔を上下に動かしている行動にも意味があります。 
眼球が固定されている猛禽類が広い視野を確保するためには、頭全体を動かす必要があります。 
このチョウゲンボウは、首をねじって背後も見張っています。 
また、猛禽は両眼視野が狭いので、頭を上下に動かすことで遠方の対象物への距離感や立体視を補完しているのだそうです。 

獲物を見つけたチョウゲンボウ♀は支柱から飛び立つと、刈田の上空で羽ばたきながら一点に留まり(ホバリング、停空飛翔)、狙いを定めてからスーッと急降下し、地上の獲物に襲いかかります。 
残念ながら、手前に生えたススキやアメリカセンダングサ、セイタカアワダチソウなどが邪魔で、チョウゲンボウ♀が獲物を狩る瞬間をどうしても撮れません。 

狩りの成否に関わらず、チョウゲンボウ♀は同じ止まり木(支柱天辺)に戻ってきます。 
舞い戻ってきて着陸するまで待ち構えて、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:41〜2:04) 
チョウゲンボウの性別は頭部の色で見分けられます。 
この個体は頭が茶色いので♀です。
尾羽根の下面に黒い横縞が目立つ点も♀の特徴です。 
スローモーションでしっかり確認できました。 

片足の鉤爪で小さな獲物と一緒に細長い藁(枯草)を運んでいました。 
獲物を掴んだ足には体重をかけず、反対側の足でふわりと着地し、翼を畳みました。 

チョウゲンボウが狩ってくる獲物は小さくて軽いので、片足で掴んで運びます。 
利き足がありそうな気がしたのですけど、何度も観察すると、左右の足を(交互にランダムで?)使っていました。 

支柱の天辺に持ち帰った獲物をチョウゲンボウ♀は早速食べ始めました。 
カメラのデジタルズームを最大にしても、少し遠くて獲物の正体をしっかり同定できませんでした。 
獲物は小動物(脊椎動物)ではなく、バッタやコオロギなど昆虫のようです。 
トンボを狩るときもあるのですが、今回の獲物はトンボには見えませんでした。 
チョウゲンボウは嘴を使って虫の翅を器用にむしり取ってから、ちびちびと食べました。 
他の種類の鳥とは違って、食後に汚れた嘴を掃除しないのが不思議に思いました。 

小宮輝之(監修)『鳥の食べもの&とり方・食べ方図鑑 おもしろふしぎ鳥類学の世界』でチョウゲンボウの食性を調べると、
大きく羽を広げ、ホバリングから急降下して昆虫やネズミなどの小動物を捕らえます。カマキリを捕獲! (p123より引用)
虫を1匹完食しても、満腹になりません。 
見晴らしの良い支柱の天辺で、チョウゲンボウは再び刈田に潜む次の獲物を探し始めます。 

支柱の天辺から飛び立つ直前に、脱糞した瞬間(@5:20〜)も動画に撮れていました。 
液状の白っぽい糞尿を後方に勢い良く噴出しています。 
今思いついたのですが、チョウゲンボウがよく止まっていた支柱の真下まで行ってペリットを採集できれば、未消化物に含まれる残渣から捕食した虫の種類を同定できるかもしれません。 
ただし、チョウゲンボウがペリットを吐き出すシーンを私はまだ観察したことが一度もありません。 
ペリットが無くても、チョウゲンボウが食前に毟り取った虫の翅などが支柱の下に散乱しているはずなので、アリなどに持ち去られる前に調べに行けばよかったですね。

やがて1羽のハシボソガラスCorvus corone)が飛来して、支柱の天辺に止まりました。 
お気に入りの止まり木を横取りされたチョウゲンボウ♀は、仕方なく隣に立つ支柱の天辺に移動して、そこで獲物を捕食するようになりました。 
別個体のカラスも加勢しに来たようで、嗄れた鳴き声が近くから聞こえます。 
カラスはとにかく猛禽類が大嫌いなので、縄張りからチョウゲンボウ♀を追い払うために集まってきたようです。 
晩秋はカラスの繁殖期ではありませんから、本格的なモビング(擬攻撃)にまでエスカレートすることはありませんでした。 
それでも地味に嫌がらせしたり心理的な圧力をかけたりしています。 
隣の空いた止まり木(コンクリート支柱)に移動したチョウゲンボウは、田んぼから少し離れたせいで獲物を探しにくくなったようです。 

最後にチョウゲンボウ♀はこの狩場から飛び去ってしまい、戻ってきませんでした。 
飛び去るチョウゲンボウをカラスの群れがしつこく追尾することはありませんでしたが、ハシボソガラスの地味な嫌がらせが奏功し、天敵を追い払えたことになります。 



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2025/04/04

春に休耕地の枯野をうろつくイエネコ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月中旬〜下旬

シーン0:4/10・午後13:11・くもり(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の様子です。 
根雪が完全に消えた休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 

イエネコFelis silvestris catus)の短い登場シーンをまとめます。
春の発情期に近所の飼い猫が活発に徘徊しているのでしょう。


シーン1:4/16・午後21:19・気温12℃(@0:04〜) 
監視カメラの起動が遅れ、右へ立ち去る猫の姿がちらっと写っただけでした。 
顔がしっかり撮れていませんが、尻尾と足先だけが黒い個体です。 
タヌキの巣穴にはまったく興味が無い(あるいは遠慮している)ようで、巣穴には立ち寄らず枯野を素通りしました。 


シーン2:4/22・午前5:10・気温6℃(@0:22〜)日の出時刻は午前4:51。 
6日後の早朝にも猫が登場しました。 
今回も監視カメラの起動が間に合わず、右端を立ち去る猫の尻尾がちらっと写っただけです。 
前回と同一個体かどうか、しっかり見分けられませんでした。

1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


つづく→

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