2024/08/24

虫捕りに来たホンドタヌキを営巣地から追い払うニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬・午後17:05頃・気温15℃(日の入り時刻は午後16:40) 

日没後に2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が連れ立ってニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)にやって来ました。 
林床に積もった落ち葉を踏みしめる足音を忍ばせながら、1頭のタヌキがアナグマの巣口Rの横を通り過ぎました。
しばらくすると(約15秒後)、アナグマが巣穴Rの奥から顔だけ覗かせて外の様子をうかがいました。 
このアナグマは左右の目の大きさが均等なので、ここで出産・育仔した母親♀ではない別個体です。 

その間に、もう1頭のタヌキは、別の巣穴L付近で何か小さな虫を捕食しようとしています。 
おそらく穴居性のカマドウマ幼虫だと思うのですが、アナグマの巣穴に居候している虫の大群がいて、それを狩ろうと様々な鳥獣が繰り返しやって来るのです。 (千客万来)
ここで虫がよく捕れることを学習した結果、採餌のためにタヌキが毎日巡回するルートにアナグマの巣口が含まれているのです。 

録画が一旦打ち切られ、次にトレイルカメラが起動したときには、巣口Lにタヌキの姿はなく、常緑のヒメアオキ群落の奥で右往左往していました。 
アナグマが巣穴Rから飛び出してきて、不届きな侵入者(タヌキ)を追い払ったようです。 
巣穴の主である丸々と太ったアナグマは、逃げた侵入者を深追いしたり吠えたりすることなく、静かに巣口Lでタヌキの残り香を嗅いでいました。 
これは赤外線カメラによる暗視映像で、暗闇で繰り広げられている事件だということを思い出してください。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
夏の間、この営巣地は長らくアナグマが不在でした
アナグマの空き巣に近所のタヌキが日夜やって来ては、巣口を点検したり虫を捕ったりしていました。
秋が深まると、越冬のためにアナグマが再び巣穴に住み着くようになったようです。

隣近所に住むホンドタヌキとニホンアナグマが営巣地でニアミスするシーンを録画できたのは、これが初めてかもしれません。 
図々しくセットに侵入したタヌキをアナグマが撃退する決定的瞬間を撮り損ねたのは残念です。 





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セイタカアワダチソウの花で採餌するオオマルハナバチ♀

 

2023年11月上旬・午後14:55頃・くもり 

平地の道端の側溝沿いに咲いたセイタカアワダチソウの小群落で オオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が訪花していました。 
意外にもこの組み合わせは初見です。 
黒い口吻を伸ばして吸蜜しています。 
後脚の花粉籠は空荷でした。 
晩秋に見かけた大型の個体なので、ワーカー♀ではなく新女王かもしれません。 



カメラのレンズを近づけて接写しても蜂は逃げませんでした。 
秋風が吹いたり、背後の車道をバイクや車が通りかかったりすると、風揺れに悩まされます。 
風揺れを抑えるために、セイタカアワダチソウの花穂を左手で押さえながら接写することにしました。 
手を離した花穂が激しく揺れても、オオマルハナバチ♀は花穂から振り落とされないようにしっかりしがみついています。 

たまにあるのですが、現場は平地なのに、山地性のオオマルハナバチが訪花していたのは不思議です。 
 (平地性のクロマルハナバチの姿をなぜか見かけませんでした。) 
逆に、山間部で営巣するクロマルハナバチのコロニーを観察したこともあります。
標高に応じて2種がそれぞれ自発的に棲み分けしているのではなく、競合する近縁種が互いに排除し合った結果として棲み分け分布している気がします。
(ライバル種の勢力が落ちると、それに乗じて生息地がダイナミックに広がるイメージ) 

余談ですが、今年はセイタカアワダチソウの草丈が低く、この群落でも目測で約1mしかありません。 
これでは「背高アワダチソウ」の名が廃ります。 
この夏の酷暑のせいで矮小化したのではないか?と勝手に推測しています(高温障害)。 

蜂がなかなか飛び立ってくれないので、衰弱して飛べない個体なのか?と心配になってきました。 



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2024/08/23

ツキノワグマは山中の給餌場でクリの実を食べるか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬

シーン0:10/30・午後13:15頃・くもり(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の斜面を抜ける獣道でカラマツの根元の窪みに給餌場を設けてあります。 
里山で拾い集めた大きさの不揃いなクリの堅果を右の餌場Rに50個並べて置きました。 
左の餌場Lには5個のオニグルミ落果(果皮つき)をまとめて置きました。 


シーン1:11/2・午前5:00頃(@0:04〜)日の出時刻は午前6:02 
雨が降りしきる未明に右からツキノワグマUrsus thibetanus)が登場しました。 
真っ黒な毛皮には枯葉の破片や小さなひっつき虫が付着しています。 
通りすがりにカラマツの幹を見て、次に逆側のシナノキを見たら、トレイルカメラの存在に気づいたようです。 
臆病なツキノワグマは、途端に慌てて左に逃走しました。 


シーン2:11/6・午前4:00頃(@0:00〜) 
4日後も未明にツキノワグマがやって来ました。 
前回と同一個体なのかな? 
林道から法面を登って来たらしく、画面の左下に後ろ姿が写っています。 
左側の餌場Lにあるオニグルミ落果の匂いを嗅いでいました。 
次は右側の餌場Rにも気づいて、クリ堅果の匂いを嗅いでいます。 

今回もツキノワグマはクリの実(堅果)を全く食べなかったのが意外でした。 
以前、クリ園でクマの糞を見つけたので、てっきりクリの実が大好きなのだと思っていました。
当地のツキノワグマは舌が肥えていて、虫食いだらけのクリの実(クリシギゾウムシCurculio sikkimensis)の幼虫による食害)は不味くて食欲をそそられないのでしょうか? 
それとも、賢いクマは、何かの罠だと疑っているのかもしれません。 
ヒト(私)や野ネズミの残り香が気に入らないのかな? 
給餌場の付近にクリの木は自生しておらず、クリの実だけが地面に積まれてあるのは明らかに不自然です。

地面の匂いを嗅ぎながら、ゆっくりカメラの方へ向き直りました。
シナノキの幹に固定してあるトレイルカメラに興味を示し、頻りに匂いを嗅ぐ鼻息が聞こえます。 
おかげで迫力満点の映像が至近距離から撮れました。 
胸の白い三日月紋もちらっと見えました。 
同一個体が通っているのかどうか、三日月紋で個体識別できるかもしれません。 
熊の怪力でカメラを壊されずに済んで一安心。 

斜面をトラバースするように右に歩き去ったと思いきや、またすぐに右から戻って来ました。 
カラマツの幹の根元の匂いや餌場Rに置かれたクリ堅果の匂いを嗅ぎ回りました。 
やはりクリを食べてくれずに左へ立ち去りました。 
このときチラッとカメラに目線をくれたので、やはりトレイルカメラという異物の存在を警戒しているようです。 


【考察】 
やはりツキノワグマは夜明け前によく出没する(雨天決行)ようです。
トレイルカメラをもっと高所に設置していれば、クマに警戒されずクリの採食シーンを隠し撮りできたかもしれません。 
給餌場に通う小さな野ネズミの行動を撮影するために、監視カメラをローアングルで設置していたのが仇となりました。 

里で農作物を食い荒らしたり人身事故を引き起こしたりするツキノワグマに対して給餌する行為は問題視されるかもしれません。
私としては、野ネズミやリス、野鳥などを目当てに少量の餌を年に数回試供しているだけですし、現場は里からかなり離れた山中です。
記事のタイトルを「ツキノワグマは山中の給餌場でクリの実を食べるか?」としましたが、クマに給餌するのが私の主目的ではありません。
クマが餌場に立ち寄ったのはたまたまです。
私の個人的な給餌場でツキノワグマやニホンイノシシが食餌したことは(残念ながら)その後も一度もありません。
逆に、熊が里に降りてこなくても済むようにと、山中に「クマ用の畑」を自腹で設置している確信犯のヒトもいます。(『「クマの畑」をつくりました: 素人、クマ問題に挑戦中』)

つづく→ 


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