2023/10/21

小川の丸木橋を渡るハクビシンには右目を失明した個体と健常個体の2頭以上いる【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月上旬〜中旬

小川に架かる丸木橋を伝ってハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)がこの時期は頻繁に渡るようになりました。


シーン0:3/31・午後14:54・(@0:00〜) 
明るい日中に偶々撮れた現場の状況です。 
穏やかに左から右へ流れる小川に天然の丸木橋のように倒木が架かっています。 

 シーン1:4/4・午後23:15・(@0:05〜) 
自動センサーカメラの起動が遅れ、丸木橋を渡る肝心のシーンは撮れていませんでした。 
深夜に左岸で笹薮に覆われた崖を登るハクビシンの後ろ姿が写っていました。 
振り返った時に右目が失明している隻眼の個体と判明。 


シーン2:4/4・午後23:34・(@0:05〜) 
18分後に再びハクビシンが現れ、同じように左岸の崖を登る後ろ姿が撮れました。 今回はカメラを振り返ってくれず、隻眼個体かどうか不明です。                                                     ところがしばらくすると、河畔林から引き返して来たハクビシンが左岸の崖を下りました。 
やはり右目を失明した隻眼個体でした。 
倒木の対岸の根際をぐるりと回ると、丸木橋を此岸(右岸)に渡りました。 
左目しか無い隻眼で立体視が出来ない(不自由)はずなのに、意外に身軽な動きです。 
長い尻尾で体のバランスを保っているようです。 


シーン3:4/5・午後23:34・(@1:07〜) 
翌日も深夜に登場したハクビシンが丸木橋を渡り、左岸の崖を登りました。 
対岸の笹藪の奥から白く光る目が見えます。(おそらく隻眼?) 


シーン4:4/6・午後15:47・気温23℃(@1:53〜) 
野生動物が丸木橋を渡る瞬間をどうしても撮り損ねがちなので、トレイルカメラを反応の早い新機種に交換し、丸木橋を反対側から狙うことにしました。 
少し遠くなりますけど、広角で丸木橋を全体から監視できるようになりました。 
気温や月齢のデータも表示されるのは便利です。 
小川は手前から奥に向かって緩やかに流れていて、数十m先で川の本流に合流します。 


シーン5:4/9・午前1:35・気温2℃・(@1:58〜) 
万全の対策をしたつもりなのに、またしてもセンサーカメラの起動が間に合わず、丸木橋を渡るシーンは撮れませんでした。
小雪がちらつく深夜に丸木橋を渡り切ったハクビシンが右岸を右に走ってくるところでした。 
ハクビシンは暗い夜でも素早く走って丸木橋を渡っているとしか考えられません。 
それとも気温の低下(寒の戻り)で電池の電圧も下がってしまい、トレイルカメラの性能が低下したのかもしれません。

特筆すべき点として、白い目が2つ爛々と光って見えました。 
つまり今回の個体は隻眼ではなく健常個体でした。 
この丸木橋を利用するハクビシンは、少なくとも2頭いることが明らかになりました。 
この辺りを縄張りとする♀♂のペアなのでしょうか?
この川の流域ではハクビシンが繁殖していることが分かっていて、昨年は別地点のトレイルカメラに親子と思われる家族群が写っていました。
しかも隻眼個体はトレイルカメラによく写る常連です。


シーン6:4/11・午前0:30・気温2℃・(@2:05〜) 
2日後の深夜には、両目が光る健常個体が丸木橋を右から左へ渡りました。 
岸辺の崖穴をしばらく物色してから、笹薮の生い茂る左岸に上陸しました。 


シーン7:4/12・午前3:42・気温5℃・(@2:41〜) 
翌日の未明に登場したハクビシンは、丸木橋を左から右へ渡りました。 
上陸後に横を向いた際に、おそらく右目を失明した隻眼個体だろうと分かりました。 


シーン8:4/15・午前3:39・気温6℃・(@2:56〜) 
3日後も未明に現れました。 
丸木橋を右から左へ渡る途中で立ち止まってカメラ目線をくれたおかげで、隻眼の個体と判明。 
左岸の笹藪に姿を消しました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 

今のところハクビシンは深夜にしか現れず、完全な夜行性です。 




満開の桜に降る雪:花冷えのソメイヨシノ

 

2023年4月上旬・午前7:55頃・雪 

民家の庭でソメイヨシノの花がほぼ満開に咲きました。 
せっかく花見のシーズンが到来したのに、寒の戻りで雪が激しく降り始めました。 
これはこれで風情があるので、桜の花が萎れる前に「花冷え」を動画で記録することにしました。 
冠雪はシャーベット状で、濡れた花弁から雪解け水が滴り落ちます。 

じきに雪は止み、昼前には快晴になりました。 
地温が高いため、地上にうっすらと積もった雪もすぐに溶けました。 

2023/10/20

冬毛から夏毛へ生え変わる春山のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月上旬〜中旬

里山のスギ植林地に残されたカモシカの溜め糞場srを見張っているセンサーカメラにニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が写りました。 

シーン0:4/3・午後12:00・気温19℃ 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
スギの根元から雪解けが進行したものの、奥の斜面には未だ残雪が広がっています。 


シーン1:4/5・午前3:42・気温4℃(@0:05〜) 
深夜未明に白い冬毛のノウサギが奥の山腹を左から右にトラバースするように駆け抜けました。 
雪崩で埋もれた渓谷の上流部へ向かっています。 
いつになったら夏毛に生え変わるのでしょう? 



シーン2:4/11・午前3:14・気温6℃・(@0:15〜) 
画面右下隅の赤い矢印に注目してください。 
6日後の未明に、夏毛のノウサギが立ち去る後ろ姿がちらっと写りました。 
一瞬の登場シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:24〜) 
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


2回登場したニホンノウサギが同一個体とは限りませんが、6日間で冬毛から夏毛へと換毛したようです。
残雪が溶けても真っ白な冬毛のままだと捕食者に対してむしろ目立ってしまい、命の危険があります。
ノウサギが換毛する生理的メカニズムはどうなっているのでしょう?
気温や日照時間でホルモンバランスが変化して毛が季節的に生え変わるのでしょうか?
地球温暖化が急激に進行すると、春の雪解けが早くなるのにノウサギの換毛が間に合わなくなり、絶滅の危機に瀕するかもしれません。
それとも、対応できない個体が自然淘汰されるだけで、何かしらの進化を遂げるかもしれません。
例えば、手っ取り早く垂直分布を変える(冬毛の間は雪の多い高山地帯に移動する)ことが予想されます。



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