2023/09/23

夜の小川を遡上し丸木橋を渡るニホンイタチ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年3月中旬〜下旬 

小川に架かった天然の丸木橋を自動センサーカメラで監視していると、ニホンイタチMustela itatsi)らしき小動物が登場しました。 
ホンドテンMartes melampus melampus)と迷ったのですが、小さいのでイタチだと思います。 

【追記】


シーン0:3/17・午後14:55・(@0:00〜) 
明るい日中に撮れた現場の様子です。 


シーン1:3/19・午後23:44・(@0:05〜) 
深夜に小川の右岸近くの浅瀬をチョロチョロと走って遡上していました。 
尻尾が短い点が気になったのですが、ニホンイタチは尻尾が胴体の半分よりも短いのが特徴なのだそうです。 
一方で、外来種のシベリアイタチ(チョウセンイタチ)は尻尾が胴体の半分よりも長いらしい。 
短い遡上シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:14〜) 


シーン2:3/22・午後20:47・(@0:31〜) 
3日後の晩には右岸に現れました。(赤丸に注目) 
小川に沿って下流へ向かって少し移動すると、丸木橋を渡り始めました! 
慎重に左岸へ渡ると、河畔林の笹薮に姿を消しました。 

ところで、空中をフワフワと舞っている白い物は雪なのか、早春の花粉や雪虫(アブラムシ?)が風で飛散しているのか、気になります。 

※ 一部は動画編集時に自動色調補正を施しています。 



空中投下でクルミの殻を割って食べるハシボソガラス(野鳥)

 

2023年3月中旬・午後14:15頃・晴れ 

胡桃の実を咥えたハシボソガラスCorvus corone)が市街地の電線に止まっていました。 
てっきりいつものようにオニグルミの堅果だと思ったのですが、後に現場近くでカシグルミ(=テウチグルミ)の庭木を見つけたので、その落果を拾ってきたのかもしれません。 

カラスは少量の固形糞をピュっと排泄した直後に電線から飛び立つと、空中でクルミを離して下の駐車場に落としました。 
後を追うようにカラスもふわりと駐車場に舞い降ります。 
脱糞およびクルミ空中投下の瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

舗装された駐車場に投げ落とした衝撃でクルミの硬い殻が見事に割れました。 
割れたクルミ堅果を足で押さえつけながら、美味しい中身(子葉)を嘴でほじくって食べています。 
ハシボソガラスが地上で止まっている細い金属パイプは、雪国に特有の消雪パイプです。 
消雪パイプに並んだ穴からシャワーのように散水して、駐車場や車道に積もった雪を融かすのです。 

車道にわざとクルミ堅果を置いて車に踏ませて殻を割ってもらうという有名なクルミ割り行動を残念ながら当地のカラスはなぜかほとんどやりません。
車を利用する方法に比べて投げ落とし(空中投下)によるクルミ割り行動は簡単そうですが、意外に難しくて奥が深いのです。 
落としたクルミが大きく転がって見失うことがあるからです。 


クルミの紛失をどう防ぐかがカラスの知恵の見せ所です。 
クルミに与える衝撃を増そうとしてあまり高い位置から投下すると、跳ね返った後に勢い余って遠くまで転がってしまうかもしれません。 
落下中に風にあおられて、狙いを付けた場所にクルミが落ちないかもしれません。
かと言って低い位置から投げ落とすと打撃が不十分になり、何度も何度も繰り返さないといけなくなります。 
クルミを投下する高さの加減が難しいのです。 

私が7年前に観察した事例では、雨水を排水するためにわずかに傾斜のついた駐車場にクルミを投下していました。 
広い駐車場の中央部に排水溝があり、外側がすり鉢状に少し高くなっていたのです。 
ここにクルミを投げ落とせば、駐車場の外にクルミが転がり出る前に止まります。 

今回の事例でも、駐車場に埋設された消雪パイプのおかげで、投げ落としたクルミが駐車場の外に転がり出るのを阻止していました。 
くるみ割りをする場所としてこの駐車場を選んだのは偶然かもしれませんが、学習(試行錯誤)の成果だとしても驚きません。 

割れ残ったクルミの殻の半分を嘴で咥えると、ハシボソガラスはどこかに飛び去りました。 
もっと落ち着いて食事ができる場所に移動したのでしょう。 
食べ残しのクルミを持って飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

投げ落としによるカラスのクルミ割り行動は、ヒトが大規模に舗装するようになってから発達したのでしょうか?
アスファルトやコンクリートが発明される前にもカラスは岩山や河原などで岩の上にクルミを投下して割っていたのかな?
動物の行動は化石に残らないので、誰か気づいたヒトが書き残さない限り「無かったこと」にされてしまいます。(記録の重要性)
逆に、クルミを地面に置いて空中から重い石を投げ落として割る方法(道具使用)が進化しなかったのは、身体的なパワー不足と思われます。
それから、地面に放置したクルミを仲間に盗まれてしまいそうです。

2023/09/22

小川の丸木橋を夜な夜な渡る早春のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年3月中旬〜下旬

自動センサーカメラを使った新しいプロジェクトを始めました。

シーン0:3/17・午後14:55・(@0:00〜) 
明るい昼間に撮れた現場の様子です。 
画面の手前から奥に向かって小川が流れ、その先で川の本流に合流します。 
その昔、小川の左岸で育ったニセアカシアの幹にフジの太い蔓が幹に巻き付きました。
そのニセアカシアの木が根元から倒伏し、右岸まで届いて天然の丸木橋になりました。 
年季の入った倒木ですが、横枝だった2本が垂直に太く高々と伸びています。
したがって、このニセアカシアは驚いたことに倒伏したまま何年もたくましく成長を続けたようです。 

倒木が架かっている両岸を調べると分かりやすく獣道になっていたことから、野生動物が丸木橋として小川を渡っていることが予想されます。 
そこでトレイルカメラを設置して見張ってみることにしました。 

早春でも日当たりが良いので、岸辺の残雪は全て溶け去っていました。 
左岸には常緑の笹薮が生い茂っています。 
その他の植物は未だ芽吹く前の状態です。 


シーン1:3/19・午後21:20・(@0:05〜) 
ある晩、右岸から左岸へ丸木橋を渡ったのは1頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)でした。 
タヌキが乗っても丸木橋は安定しており、揺れたりたわんだりすることはありません。 
実は、タヌキが小川を渡った先には河畔林の笹薮に覆われた溜め糞場rpがあるので、そこへ行く途中なのかもしれません。 

その後、右岸の茂みの中で野ネズミらしき小動物の目が白く光って見えました。(@0:18〜) 
極めて分かりにくいので、位置を赤丸で示すべきでしたね。 
本筋とは関係のない枝葉末節の出来事なので、皆さんは忘れてください。
丸木橋を渡る野ネズミについては別の記事にまとめます。(映像公開予定) 


シーン2:3/21・午前5:46・(@0:49〜) 
2日後、日の出直後の早朝に単独のタヌキが右岸に佇んで右を眺めていました。 
目線の先には残雪の小山があります。 
行動を共にするパートナーの行方を探してるのかな? 
ちなみに、日の出時刻は05:39。 

やがて右に歩き始め、小声で甲高く鳴きました♪  
少し遠回りになりますが、丸木橋を渡らなくても溜め糞場rpに行くことは可能です。
ハシボソガラスも嗄れ声で鳴き始めました。 


シーン3:3/23・午前4:14・(@1:12〜) 
未明の低温のせいか、カメラの起動が遅れてしまいました。
丸木橋を渡り終えたタヌキが左岸に上陸するところでした。 


シーン4:3/27・午後22:09・(@1:23〜) 
4日後の晩は、タヌキが右岸をうろつくところから撮れていました。 
そのまま丸木橋を渡って左岸に向かい始めました。 
倒木を渡る際にタヌキの白く光る目が小川の水面にも反射しています。 
暗闇でも足取りに迷いがないので、通い慣れた丸木橋であることが伺えます。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 
登場する単独のタヌキは、同一個体が繰り返し通っているのか、複数個体が代わる代わる写っているのか、今のところ私には見分けられません。

カメラを設置した所から被写体の丸木橋までやや距離が遠いので、赤外線LEDの照明が充分に届いていません。
手前の茂みが邪魔で、赤外線を遮っています。
映像を強引に明るく加工すると、画質が粗くなってしまいます。



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