2020/12/19

早朝の川に飛び込んで魚を捕るカワセミ♂(野鳥)

 

2020年8月下旬・午前6:03および7:43・くもり
▼前回の記事 
川辺の止まり木で羽繕いする早朝のカワセミ♂(野鳥)
朝日はとっくに昇っているのですが(日の出時刻は午前5:05)、東の山や河畔林に遮られてまだ少し薄暗いです。 
川辺の倒木に止まっていたカワセミ♂(Alcedo atthis bengalensis)が水中に魚影を見つけたようです。 
素早く横歩きして、倒木の先端部へ移動しました。 
急に浅瀬に飛び込むと、川面に水飛沫が上がりました。 
飛び込み漁は見事に成功です。 
嘴に小魚を咥えたまま空中で甲高くチー♪と一声鳴きました。 
すぐに同じ倒木の手前の枝に止まり直しました。 
咥えた小魚を足元の止まり木に叩きつけると、おとなしくなった獲物を頭から飲み込みました。 
飛び込み漁および飛び立ちの瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
※ カワセミ♂が鳴いている部分だけ、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

続けてすぐにまた倒木の下の川に飛び込みました。 
今回は魚を取り逃がしてしまい、カワセミ♂は無言で同じ止まり木に舞い戻りました。 
身を震わせて羽根の水気を切ります。 

休む間もなく再度川に飛び込んだものの、漁は失敗で倒木にすぐ戻りました。 
嘴から水が滴り落ちています。
この漁場は魚があまり多くないのか、カワセミによる飛び込み漁の成功率は低いです。 

倒木の下に集まっていた魚の群れはおそらく散り散りに逃げてしまったのでしょう。 
漁を諦めたカワセミは甲高い声でキーキーキー♪と鋭く鳴きながら飛び去りました。 
整備不良の自転車が坂道を下るときの喧しいブレーキ音のようです。  

1時間40分後、同じ止まり木に同一個体と思われるカワセミ♂が再び飛来しました。 
ほとぼりが冷めて魚が戻って来るまで待っていたのでしょう。(縄張り内で漁場をいくつか持っているはずです。)
止まり木から川面をしばらく見つめると、目の前の川に飛び込みました。 
すぐに元の止まり木に戻ったカワセミ♂の口元を見ても、何も咥えていません。 
しかし何かを急いで飲み込んだようです。 
もしかすると水生昆虫を捕食したのかもしれません。(あるいは水を飲んだ?) 

そこへ 突然、ヒヨドリHypsipetes amaurotis)の幼鳥が飛来すると、同じ倒木の手前の枝に止まりました。 
カワセミと並んで止まっているように見えますが、実際の2羽は離れているようです。 
邪魔が入って漁をする気が失せたカワセミ♂は、お気に入りの止まり木から飛び去ってしまいました。 
ヒヨドリの幼鳥は朝の水浴びに来たのではないかと期待したのですが私の予想は外れ、カワセミに続いて逆方向に飛び去りました。 

路上の苔を舐めるメスグロヒョウモン♂

 

2020年9月上旬・午前8:50頃・くもり 

スギが植林された里山の峠道を歩くと、車が滅多に通らず日当たりの悪い区間は舗装路の表面が苔むしています。 
メスグロヒョウモン♂(Damora sagana)が路上を歩き回りながら口吻を伸ばして苔をひたすら舐めていました。  
朝露を飲んでいるのだと思いますが、もしかするとミネラルを摂取しているのかもしれません。
▼関連記事(1年前の撮影:干からびかけた苔または地衣類を舐めた) 
ヒメアカタテハは苔を舐めるか?
吸水中の蝶は全開にした翅を緩やかに少しだけ開閉していました。 
この場所は日陰なので、日光浴ではありません。 
前翅表の黒い性斑で♂と分かります。 
後翅の肛角が左右対称に破損しているのは、鳥に襲われかけたビークマークでしょう。  

私はコケについて勉強不足で全くの当てずっぽうですが、これはスナゴケですかね?
間違っていたらご指摘願います。 
よく見かける普通種だと思います。  
現場の標高は395m地点

これだけ長時間吸水していたら、同時にオシッコもしていそうです。 
しかし腹端に注目して動画を見直しても、排尿シーンは写っていませんでした。 
後翅が大きいために、横から見ようとしても腹端が翅で隠れてしまうのです。

メスグロヒョウモン♂は苔に夢中で、なかなか飛び立つ気配がありません。 
ヒョウモンチョウ類を同定するためには、翅裏の斑紋をしっかり見ることが必須です。 
私は執念で同一個体を追いかけ回し、なんとか翅裏のストロボ写真を撮ることができました。  


2020/12/18

モンスズメバチの巣の定点観察と温度測定【暗視映像】

 

八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチ:#10

▼前回の記事 
モンスズメバチの巣に繭ができた!【暗視映像】


2020年8月下旬・午前3:40頃・晴れ 

6日ぶりの定点観察。 
いつものように赤外線の暗視カメラを樹洞内にそっと差し入れて、中の様子を撮影してみました。 
樹洞の底に置いた赤外線投光器のうち1台のバッテリーが切れているというトラブルに焦りましたが、残る1台でもなんとか暗視撮影できました。 
樹洞入り口の上部を塞いでいた外皮はわずかに残っているだけで、修復されていませんでした。(※ 追記参照) 
樹洞の外に門衛役のモンスズメバチ♀(Vespa crabro)が居ないのも外役活動が無いのもいつも通りです。 
コロニーの規模が大きくなれば蜂の挙動も変わってくるかと期待していたのですが、私の予想は外れました。
残念ながら、この巣はもうこれ以上大きくならない気がします。 

巣盤全体が保温性の高い外皮でほぼ包まれていますが、外皮の底が開口したままで狭い巣口となっています。 
その外皮にモンスズメバチ♀が2匹が止まっていました。(夜警?) 
互いに逆を向いてじっとしているだけです。 
気温が暑くないので、扇風行動などは見られませんでした。 
寝苦しい巣内を避けて外皮で寝ているだけかも…?と勝手に擬人化しそうになります。 
もう1匹も巣口から外皮に出たり入ったりしています。 

巣口から見える範囲で、育房内には繭キャップおよび老熟幼虫が見えました。 
巣盤の中央部には新たに巣柄が下に伸ばされ、下段の巣盤に新しい育房が3つ作られていました。 
新女王となる卵がこの新しい育房に産み付けられているのかな? 
内役ワーカー♀が夜中も甲斐甲斐しく活動していました。 

樹洞内でモンスズメバチの巣の外周には多数の居候昆虫が潜んでいて、長い触角が蠢いています。 
おそらくヤマトゴキブリと思われますが、この日疲れていた私は、居候には注目せずに撮影を切り上げてしまいました。  

動画の後半は、いつも使っている赤外線のデジタル温度計による巣内温度の測定風景です。 巣盤を覆う外皮の表面温度は25.2℃。 
外皮上に居座る2匹のモンスズメバチ♀は、赤いレーザーポインタに対して無反応でした。 
モンスズメバチは赤色および赤外線が(ほとんど)見えていないのです。 
樹洞の底は25.0℃。 
樹洞内部(開口部の奥)は24.8℃。 
樹洞開口部を覆う外皮の残りの表面温度は24.6℃。 
営巣木の周囲の外気温は25.6℃、湿度73%。 
驚いたことに、巣内温度は6日前の測定値とほぼ同じでした。 
果たしてこれは偶然でしょうか?  
昼間の巣内温度は分かりませんが、少なくとも私が測った深夜はかなり安定しているようです。  



 ※【追記】 
ハンディカムを樹洞から引き抜く際に初めて気づいたのですが、樹洞開口部の上半分を塞いでいた外皮は右にもう1箇所ありました。 
小さな穴を外皮で塞いでいて、ここは破損(悪童の悪戯による破壊?)を免れています。

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