2012/11/20

アキノキリンソウの花蜜を吸うアムールシロヘリナガカメムシ



2012年10月中旬

里山の林道脇に咲いたアキノキリンソウ群落でカメムシの群れを発見。
よく見ると口吻を伸ばして蝶や蜂のように吸蜜しているようです。

いつもお世話になっているカメムシBBSで問い合わせてみると、shukameさん、kameotakuさんよりコメントを頂きました。

Panaorus属でおそらくアムールシロヘリナガカメムシだろうとご教示頂きました。
図鑑の記述でも

アムールシロヘリには小楯板に一対の黄紋が見られる、でも100%ではない。 モンシロナガカメムシの触角4節基部には白紋、アムールシロヘリは黒、しかし例外がある…。
などとあり、実際紛らわしい個体が多いそうです。
触角の色に関しては、花粉で汚れていますけど、動画も含めて画像から白い部分は確認できないとお墨付きを頂きました。





ナガカメムシが花から吸蜜している行動は珍しいらしく、種子になる栄養豊富な部分が花の奥に隠れていてそこを刺している可能性も考えられるそうです。
私は深く考えず、てっきり吸蜜だと思ってしまいました。

「アムールシロヘリナガカメムシ」でネット検索してみると、

  • スイバに群れで訪花する
  • セイタカアワダチソウに訪花する
  • オトコエシの実に来た
  • オトコエシの花に来た
を観察なさった方々のブログなどがヒットしました。
ただし実際にカメムシが口吻を突き刺して吸蜜・吸汁しているかどうか明記されておらず、掲載写真の倍率ではいまいち不明です。



撮影後に同定用として2匹採集したのですが、隣の花から採集した別個体です。
動画に登場した個体は殺気を感じたのか、擬死落下して逃亡。
写真で記録した後の標本はすぐに捨ててしまいました。
触角が識別点であるとはつゆ知らず、肝心の触角第4節(先端)ははっきり写ってません。


標本a:背面

標本a:顔

標本a:側面

標本a:腹面

標本b:背面

標本b:腹面

2012/11/19

交尾しながらホバリング飛行でリョウブに訪花吸蜜するスズキハラボソツリアブ【ハイスピード動画&HD動画】



2012年8月下旬

満開のリョウブの花に交尾中のスズキハラボソツリアブSystropus suzukii
)が何組も訪れ、賑わっていました。
連結ホバリング飛行の妙技を220fpsのハイスピード動画に撮ってみました。

吸蜜する個体は訪花の際に羽を休めます。
その間、後ろ向きの相方は休まずホバリング飛行を続けます。
互いに逆を向いたペアでどのように意思疎通がなされタンデム飛行しているのか、非常に不思議です。
単純に訪花吸蜜したい方が配偶者をぐいぐい引っ張って飛ぶのかな?
彼らの複眼は真後ろも視野に含まれるのだろうか?
ドリトル先生に登場する空想上の動物「オシツオサレツ」の滑稽な動きとは大違いです。





通常のHD動画でも撮ってみました。

吸蜜している個体は常に♀なのでしょうか?(かかあ天下)
逆に、釣った魚には餌をやらないタイプの亭主関白なのでしょうか?
それとも翔んだカップルは交互に食事するのかな?
本種の性別判定法を知らないのですけど、双翅目の多くでよくあるように複眼の大きさで見分けられるのかしらん?
達人なら交尾器の結合部を見るだけでも性別が分かってしまうのかもしれません。

腹部の若干太い方が吸蜜しているようなので、やはり♀?






化粧するフタガタハラブトハナアブ♀



2012年8月中旬

閉め切った室内で蜂がブンブン飛び回っているので何とかして欲しいと呼ばれて行くと、マルハナバチに擬態したフタガタハラブトハナアブ♀でした。

窓ガラスに激しく衝突を繰り返したせいか、左翅先が破損しています。
出窓に止まって休んでいるので息を吹きかけると、顔を拭い始めました。
撮影後に捕獲して採寸すると、体長16mm。

擬態のモデルはコマルハナバチ♂でしょうか。
全身がレモン色の毛に覆われています。
毒針の無い♂にベーツ擬態しても仕方がないのでは?

一瞬だけギョッとさせれば効果あり、ということでしょうか。

ちなみに前回♂を取り上げた記事はこちら→「ドクダミの花を舐めるフタガタハラブトハナアブ♂(マルハナバチに擬態するアブ)




【追記】
後脚の腿節が黒くて太いので、オオモモブトハナアブ♀(Matsumyia jesoensis)の可能性は?










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