2024年3月下旬・午後20:02〜20:17
平地の二次林で雪解けした林床に横たわるニホンアナグマ(Meles anakuma)の死骸を自動撮影カメラで見張っています。
日がとっぷり暮れた晩に、1頭のホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が現れました。
初めは警戒しているのか、アナグマの死骸になかなか近寄ろうとしません。
木陰からようやく姿を表すと、このタヌキ個体の歩行異常に気づきました。
右後脚に全く力が入らない様子で、下半身を引きずるように痛々しく移動しています。
実は、ここから数百m離れた休耕地でも同一個体と思われるタヌキが監視カメラに最近写っていました。
関連記事(5日前の撮影)▶ 右後脚を痛々しく跛行しながら早春の営巣地を横切るホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】交通事故の怪我?
5日前よりも下半身の麻痺症状が進行しています。
夜道で車にはねられた(交通事故)のではないかと心配です。
それとも、どこか高い所から落ちたのでしょうか?
後脚の骨折・脱臼系の怪我というよりも、脊髄損傷などによる運動神経の麻痺ではないか?と素人ながら勝手に想像してしまいます。
まさかとは思いますが、この営巣地(セット)で冬眠していたアナグマと死闘を繰り広げて、アナグマを殺した代わりにタヌキも重症を負ったのでしょうか?
それとも、巣穴やパートナー♀を巡るタヌキ♂同士の争いで大怪我したのかな?
しかし、同種間の闘争で相手を半殺しにするでしょうか?
映像を見る限り、出血などの外傷はなさそうです。
右足が罠にかかって壊死した可能性はどうでしょう?
「下肢の麻痺 原因 獣医学」というキーワードを組み合わせてネット検索すると、老齢犬の症状などいろいろ情報がヒットしました。
ようやく右から回り込んでアナグマの死骸に辿り着くと、ハシブトガラスに食われて傷口が大きく開いた下半身の匂いを嗅いでいます。
死肉になかなか口をつけませんでした。
ようやく跛行タヌキは、アナグマ死骸の左前脚の根元に恐る恐る食いつきました。
カラスが食べかけた部位を避けたのが興味深いです。(たまたまなのかな?)
死骸の左耳も齧ったように見えました。
タヌキの死肉食(腐肉食)を実際に観察するのは初めてです。
テンポよくお見せするために、ところどころ5倍速の早回しに加工しました。
タヌキは生きた獲物を狩るのはあまり得意ではなく、専らスカベンジャー(見つけた死骸を食べる)なのだそうです。
少し移動すると、今度はアナグマ死骸の左尻の辺りを食べ始めました。
下半身にハンディキャップがあると毎日餌を探し歩くのは大変でしょうから、これほど大量の肉を見つけて嬉しそうです。
歯も丈夫そうで、毛並みも汚れていません。
足に大怪我を負っても食欲旺盛なのはなによりです。
食事の合間に樹上をキョロキョロ見回す余裕がでてきました。
一度立ち上がって死骸から右に少し離れて、立木の匂いを嗅いでいます。
再び戻ってきて食事を再開。
次は死骸の左脇腹の肋骨?骨盤?を齧っているようです。
アナグマの毛皮も死肉と一緒に飲み込みました。
タヌキの溜め糞にときどき獣毛が含まれているのも納得です。
死骸の周辺に生えている細い枯れ茎?(蔓?)が食事の邪魔になり、口で咥えて引っこ抜こうとしたものの、抜けずに諦めました。 (@x:xx〜)
ところで、タヌキは死肉を貪り食っている間に喉が渇かないのでしょうか?
足が悪いと、水を飲みに行くのも大変そうです。
どうやら満腹したようで、タヌキは向きを変えると痛々しく跛行しながら右上奥に立ち去りました。
アナグマの死骸はまだ一部を食べられただけです。
タヌキは食べ残しを隠したり持ち去ったりすることはありませんでした。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
つづく→
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↑【おまけの動画】
早回し加工しないでオリジナルの素材動画をそのまま連結しただけの長編です。(12:04)
需要があるか分かりませんが、ブログ限定で公開しておきます。