2024/07/22

アナグマの溜め糞場があるスギ林床で採食するキジバトとヤマガラの混群【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年10月中旬 

シーン1:10/12・午後14:00・晴れ(@0:00〜) 
平地のスギ防風林で、明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面の中央で風倒木の朽ち果てた切株があります。 
切株の手前の溝(涸れた水路)に古い手押し車(一輪車)のフレームが錆びたまま放置されています。 
このフレームの中にニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあり、黒い軟便が溜まっています。 


シーン2:10/17・午後12:07・晴れ(@0:03〜) 
スギの林床に3羽のキジバトStreptopelia orientalis)が散開し、各々が餌を探し歩いていました。 
種子食性のキジバトが好むような木の実や種子は落ちてないと思うのですけど、一体何を食べに来たのでしょうか? 
スギ防風林に繰り返しやって来るということは、うっかり迷い込んだ訳ではなさそうです。

関連記事(9日前に現場近くで撮影)▶ スギ防風林に迷い込んだキジバト【野鳥:トレイルカメラ】 


同時に朽ちた切り株の陰に来ていた小鳥はヤマガラSittiparus varius)でした。 
ヤマガラの採餌行動に注目するために、1.5倍に拡大した上でリプレイしてみましょう。(@0:43〜) 
切り株に飛び乗って獲物となる虫を探してから、右に飛び去りました。 

余談ですが、アナグマの溜め糞stmpの周辺で飛び回っているハエはおそらくベッコウバエ♀♂(Dryomyza formosa)と思われます。 
後日、現場入りした際に求愛行動を観察しました。(映像公開予定) 

秋風が吹くと、防風林でスギの幹が左右にゆっくり揺れます。 
その風揺れのせいでトレイルカメラが頻繁に誤作動するので、厄介です。 


シーン3:10/17・午後12:11・晴れ(@1:08〜) 
画面の左奥から1羽のキジバトが再び歩いて登場しました。 
スギの落ち葉が堆積した林床をあちこち啄んでいます。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ヤマガラは他のカラ類(シジュウカラやヒガラ、コガラなど)と行動を共にしながら採食することが知られています。 
しかし今回のようにキジバトと混群を形成するのは、かなり珍しく思いました。 
たまたまなのかな? 
キジバトの群れの動向が気になって、ヤマガラが偵察に来たのかもしれません。

今回登場したキジバトもヤマガラもアナグマ専用の溜め糞stmpに興味を示しませんでした。
すぐ近くにあるタヌキの溜め糞場wbcと比べてアナグマは排便に通う頻度が低いために、食糞性の昆虫もあまり集まらず、鳥にとって魅力がないのでしょう。 
アナグマは主にミミズを食べるらしく、未消化のまま排泄された種子なども溜め糞stmpには含まれていません。 


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2024/07/21

アナグマの空き巣に侵入して中に潜む虫を捕食する秋のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月中旬〜下旬

シーン0:10/12・午後14:38・晴れ・気温28℃(@0:00〜) 
シーン0:10/12・午後16:59・晴れ(@0:04〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで録画された現場の状況です。 
ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)がある平地の二次林を新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 


シーン1:10/17・午後17:04(@0:08〜)日の入り時刻は午後17:03。 
ちょうど日没前後にホンドテンMartes melampus melampus)が現れました。 
毛皮が白っぽく見えますが、旧機種による動画撮影では夏毛か冬毛か見分けられないのが残念です。 
アナグマの巣口Rの奥を覗き込んでしばらく匂いを嗅ぎ回ってから、巣の主(アナグマ)が留守だと判断したようです。
遂に意を決して巣穴Rの奥に侵入しました。 
巣内で方向転換したようで、しばらくすると頭から外に出てきました。 
その後は、巣口R付近の林床を逃げ回る小さな虫を捕食しようとしています。


シーン2:10/26・午後22:29・気温9℃(@1:08〜) 
9日後の晩に登場したテンがアナグマの巣口Lを覗き込んでいました。 
アナグマが3時間前に掘り出した(映像公開予定)ばかりの新鮮な土の匂いをアクセストレンチLで嗅ぎ回り、慎重に巣穴Lへ侵入しました。 
しばらくすると慌てて外に飛び出したホンドテンが何か虫を捕食していました。 
巣穴Lに潜む穴居性の昆虫を狩ったようです。 
映像では小さな獲物の正体を見極められませんが、例えばカマドウマの幼虫ではないかと予想しています。 
狩りの成功体験に味をしめしたテンは、再び入巣L。 
残念ながらここで1分間の録画が終わり、出巣Lの瞬間まで見届けられませんでした。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


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【考察】
近所のホンドタヌキだけでなく、ホンドテンもニホンアナグマの空き巣に通って虫を捕食していることが分かりました。

関連記事(同所同時期の撮影)▶ 


エビガラスズメ(蛾)の幼虫を仰向けにすると…

 

2023年10月上旬・午前11:35頃・晴れ 

田舎の郊外では畑や家庭菜園で栽培されたニラが逸出・野生化し、道端で普通に生えています。 
そんな野良ニラの群落で茶色の見慣れないイモムシを見つけました。 
ニラの白い花の下で頭を上にして垂直な茎にしがみついていました。 
尾角があるのでスズメガ科の幼虫と分かります。 
黄土色と焦げ茶色の迷彩?模様がありますが、緑の草むらでは保護色にはなっておらず、目立っていました。 
Googleレンズ(画像検索)で調べると、エビガラスズメAgrius convolvuli)の幼虫だろうと判明しました。 

いつもお世話になっている「みんなで作る日本産蛾類図鑑」サイトにてエビガラスズメ幼虫の食草を調べてもヒルガオ科がメインで、ニラはリストに含まれていません。
食草: サツマイモ(薩摩芋),ヒルガオ(昼顔),アサガオ(朝顔),ヨルガオ(夜顔)などヒルガオ科の植物のほか,フジマメ(藤豆),アズキ(小豆)などのマメ科,ツルナ科などの植物も。
もしもニラを食べていたら意外な大発見なのですが、食事中ではなく、静止していました。

ただじっとしている虫を撮っても、動画ブログのネタになりません。
動画に撮りながらエビガラスズメの幼虫を手掴みで一時捕獲してみました。 
茎にしがみついた胸脚や腹脚を左手でそっと外しても、ほとんど抵抗しなかったのが意外でした。 
掌に載せると、体をC字状に曲げた姿勢のままで、暴れたりしません。 
擬死状態(死んだふり)なのでしょうか? 
腹面を見るために仰向けに裏返すと、まるでレスラーのようにカウントスリーの前にくるっと素早く寝返りを打って起き上がります。 
面白がって何度も繰り返してしまいました。 
これは何か反射運動なのでしょうか?
無重力状態では、この反射は消失するはずです。 
いつでも逃げられるように歩脚を接地しておきたいのかもしれませんが、この個体は逃げようとしませんでした。
脊椎動物と比べると昆虫は体内の構造が背腹軸に関して逆転しています。
つまり、昆虫は腹側に中枢神経系があり、背側に消化管や心臓(背脈管)があります。
致命的な弱点(急所)となる腹面を守るために、仰向けにしても素早く起き上がるのかもしれません。
それとも、威嚇用の尾角を常に見せつけたいのでしょうか?

これだけいじっても、脱糞したり消化液を吐き戻したり噛み付いたり(反撃)、逃げようと(逃避)したり、一切しませんでした。 
不活発ということは、脱皮するためにニラの茎にしがみついていたのかもしれません(眠状態?)。 
あるいは体内寄生されている可能性もありますが、飼育してみないことには分かりません。 

撮影後は道端のニラ群落に戻してやりました(キャッチ・アンド・リリース)。

関連記事(13年前の撮影)▶ エビガラスズメ♂(蛾)の飛翔準備運動 


昔(12年前)に夜の路上で見つけたエビガラスズメ終齢幼虫の写真をついでに載せておきます。 
同じく褐色型で、体長は91mmでした。 
2011年10月上旬

私はまだスズメガ科の幼虫を飼育したことがないので、いつか成虫まで育ててみたいものです。


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