2023/06/05

オオチャバネセセリの求愛と交尾拒否【ハイスピード動画】

 



2022年7月上旬・午後16:25頃・くもり 

里山の道端でウツボグサの花で吸蜜するオオチャバネセセリ♀(Zinaida pellucida)を 240-fpsのハイスピード動画で撮っていると、♂との配偶行動が記録できました。 

シーン1: ♀がウツボグサの花から飛び立つと、背後から飛来した♂がすかさず♀を追尾します。 (探雌飛翔)
オオチャバネセセリの羽ばたきがあまりにも速いので、更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:21〜) 


シーン2:(@0:49〜) 
オオチャバネセセリ♀は隣の株のウツボグサで花蜜を吸っています。 
♂はその少し下のススキの茎に止まりました。 
♂は閉じた翅を小刻みに震わせながら(準備運動・アイドリング?)、右の触角で♀の翅に触れています。 
やがて♂が飛び上がって♀の目の前で少しホバリングしてから、近くのウツボグサの葉に止まり直しました。(アイドリング・ストップ) 
♂に求愛された♀は逃げなかったものの、吸蜜を止めてしまい、ゼンマイ状の口吻をくるくると丸めて収納しました。 

こうしてペアで並ぶとサイズは♀>♂で、翅形にも微妙な性的二型が見られます。 
後翅裏の白斑は♂よりも♀でより発達していました。 
この♂個体が単独で居る時に翅裏の斑紋を見たら、私にはオオチャバネセセリと見抜ける自信がありません。 
(もしも、この♂がオオチャバネセセリではなくて別種ならば、今回の動画は異種間の誤認求愛や繁殖干渉を記録したものになります。)

オオチャバネセセリ♀がしがみついていたウツボグサの唇形花は足元が不安定で、♀は隣接するススキの葉に歩いて移動しました。 
横で待機していた♂は、その動きに反応して飛び立ち、♀の背後で少しホバリングしてから、♀の真下のウツボグサの葉に止まり直しました。 

やがて、♀は翅を閉じたままで小刻みに震わせ、準備運動を始めました。(@2:31〜) 
しばらくすると♂が飛び立ち、♀の近く(主に後方)でホバリングを披露しました。 
このとき♂は♀に対して視覚的にアピールしているだけなのか、それとも性フェロモンを♀に嗅がせているのでしょうか? 

♀の直下のススキの葉に着地した♂は閉じた翅を小刻みに震わせています。 
翅をしっかり閉じたままで飛翔筋のアイドリング・ストップしていた♀がアイドリングを再開しました。 
♂が再び飛び立って、♀にアピールします(@3:55〜)。 
しかし♀は交尾に応じてくれず、脈なしと判断した♂は紳士的に飛び去りました。(@4:03〜) 
その後も♀は閉じた翅を小刻みに震わせています。 
♂のセクハラを上手くやり過ごした♀が訪花行動に戻るまで私は待ちきれず、撮影終了。 

残念ながら交尾には至らなかったものの、オオチャバネセセリの配偶行動は初見です。 
オオチャバネセセリ♀の交尾拒否行動はシロチョウ科のように明瞭ではなく、私にはよくわかりませんでした。 
シロチョウ科♀の交尾拒否で見られるような腹端の持ち上げ行動は見られませんでした。 
♂に求愛されて翅を広げれば受諾で、閉じたままなら交尾拒否なのかな? 


関連記事(1、2年前の撮影)▶ 

2023/06/04

山林の小径を遊動するニホンザルの群れ(首輪装着♀、アルビノ子猿ほか)【トレイルカメラ】

 

2022年11月上旬・午後15:25頃 

山林の斜面をトラバースする小径でタヌキの溜め糞場dを自動撮影カメラで監視していると、ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが次々と通りかかりました。 
雑木林の斜面から小径を見下ろす撮影アングルで、谷側にはスギの植林地が見えます。 

小径を遊動するニホンザルの群れは、タヌキの溜め糞に全く興味を示さずに素通りしました。 
谷側のスギ林の斜面を登ってくる個体の姿も生い茂った下草に見え隠れしています。 
ニホンザルの発する様々な鳴き声も聞こえてきます。 

気になる個体としては、小径を歩いて遊動してきた成獣が首輪を装着していました。(♀かな?@0:46〜) 
食欲の秋になるとニホンザルはよく肥えている上に冬毛に生え変わっているため、黒い首輪が見えにくくなります。 
テレメトリー調査の電波発信器またはGPSが首輪に入っているのでしょう。 
それに続いて幼い白猿(アルビノ?)が走って追いかけてきました。(@0:48〜) 
好奇心旺盛な純白の子猿は立ち止まって、丸太の切り口の匂いを頻りに嗅いでいます。 
更に別個体の子ザル2頭(通常の体色)も後からやって来ると、アルビノ子猿と仲良く一緒に遊んでから右に走り去りました。 
アルビノという理由で仲間外れにしたり、いじめたりすることはありませんでした。 


最近見かけたアルビノと同一個体なのかな?
前回アルビノと一緒に居た母親♀は首輪を装着していませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
猿の鳴き声が聞き取れるように、一部の音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

食後に種子を吐き出すジョウビタキ♀(野鳥)

 

2022年11月上旬・午前10:50頃・くもり 

山麓の入山口でジョウビタキ♀(Phoenicurus auroreus)が道端の藪から飛び上がって近くの電線に止まりました。 
どうやら私が近づくまで地上で採食していたようです。(メニューは不明) 
電線に止まり、いつものように尾羽根を細かく振っています。 

大きく開いた嘴から小さな種子が飛び出したので、見ていた私は吃驚しました。 
このときチッ♪と小声で鳴きました。 
しばらくすると再び種子を連続で吐き出したので、意図的な排出行動と分かりました。 
2回目以降は鳴き声が聞き取れませんでした。(鳴かずに吐き出し) 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:48〜) 
種子を吐き出す際に嘴を開くと、赤い舌が見えました。 

鳥類には歯が無いので餌を何でも丸呑みにし、砂嚢ですり潰してから胃で消化します。 
一部の鳥は消化できない物をペリットの塊としてまとめて口から吐き出します。
 
関連記事(9、10年前の撮影)▶ 

ジョウビタキが食後に種子を1粒ずつ吐き出すのは初めて見ました。
ネット検索すると同じ事例が多数ヒットするので、ジョウビタキではよく知られた行動のようです。 
吐き出したのが何という植物の種子か分かりませんが、この行動も一種の種子散布と言えるでしょう。
種子を吐き出すのなら、ジョウビタキ♀は一体何を目当てに採餌していたのか気になります。 
(果肉を食べていたのかな?)

最後にジョウビタキ♀は電線上で方向転換してから飛び降りました。 

※ 動画編集時に逆光を補正しました。 
冒頭の吐き出しシーンだけ、鳴き声が聞き取れるように音声を正規化しました。

ランダムに記事を読む

  • 子ザルに授乳しながら池の岸で草をむしり泥汚れを水洗いしてから食べるニホンザル♀【トレイルカメラ】20/11/2022 - 0 Comments
  • タヌキの溜め糞場で多数のダニに寄生されたエンマムシの一種17/01/2024 - 0 Comments
  • 身投げするネコハエトリ亜成体(蜘蛛)27/03/2011 - 0 Comments
  • 腹部を回して暴れるホシヒメホウジャク(蛾)の蛹27/03/2020 - 0 Comments
  • 電線で鳴き真似♪を練習するモズ♂(野鳥)12/03/2015 - 0 Comments