2022/12/12

溜め糞場の下草に臭腺でマーキングするニホンアナグマ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

前回の記事:▶ 溜め糞場の下草に軽くスクワットマーキングしただけで通り過ぎるニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

2022年8月中旬 

自動撮影カメラで見張っているスギ林道の溜め糞場sを通りかかるニホンアナグマMeles anakuma)の定点観察記録です。 

シーン1:8/13・午後20:11・気温25℃ 
アナグマが単独で林道を左から登場し、緩やかな坂を下って来ました。 
タヌキの溜め糞がある地点を迂回し、画面中央に見えるスギ大木の根元にあるアナグマの溜め糞場の匂いを嗅ぎ回ります。 
この個体は目の周りが黒く、股間に睾丸が見えるので♂のようです。 
 排便姿勢になりかけたのですが、落ち着かずに右へ移動しました。 
素人目には大便は排泄しておらず、もしかすると小便でマーキングしたかもしれません。 


シーン2:8/16・午前00:06・気温24℃ (@0:21〜) 
3日後の深夜、前回と同じく林道を左から歩いて来ました。 
タヌキの溜め糞場の手前で立ち止まり、おそらくマーキングしていたようです。 
右へ歩き出した時に、股間に睾丸が見えたので♂。 
この個体は目の周りが黒くなく、体毛が全体に白っぽい(アルビノ?)。 
以前は痛々しく後脚を跛行していたのですけど、すっかり回復したようです。 
ホンドタヌキの溜め糞場を迂回してスギ大木の根本へ行きました。
林床に散乱するスギ落葉の匂いを念入りに嗅ぎながら尻を下草に擦り付けてスクワットマーキングしました。 
直後に後脚で落葉を後方へ蹴り出す行動をしました。 
脱糞後のイヌが興奮して後脚で糞を埋める行動を彷彿とさせます。 
今回も溜め糞場sで排便はせずにマーキングしただけで、林道を右へ立ち去りました。 


アナグマの溜め糞やマーキング行動について、ネット検索で調べてみました。
ため糞[注 2]をする習性があるが、タヌキのような大規模なものではなく、規模は小さい。 

・主として夜行性の動物で、昼間は巣穴に潜んでいることが多い。 
・行動範囲はさ地域環境や食糧事情などによって変わるが、平均で1~4k㎡と言われ、肛門腺や尾部下腺からの分泌液、尿などを樹木などにつけて縄張りを主張する。 分泌液を相手の体に擦り付けたりする習性もあるが、これは互いの識別やコミュニケーションの為と考えられている。  (原文ママ)


アナグマは同じ場所にフンをする「溜め糞」をする習性があります。床下や納屋に溜め糞をされてしまうと、害虫や雑菌の発生、悪臭といった衛生被害をもたらします。また、アナグマはフンに臭腺から出した液をかけるため、他の動物よりも特に酷いにおいです。 



ヒルガオの花粉を食べるコアオハナムグリ

 

2022年8月中旬・午前8:20頃・くもり 

前日に降った雨の影響で、かなり蒸し暑い天気でした。 
線路の土手に咲いたヒルガオの群落でコアオハナムグリGametis jucunda)が訪花していました。 
右の胸背に白い花粉が付着しています。 
大きく開いた花筒に正当訪花して、花弁の内側にこぼれた花粉を舐めています。 

手前の萎れた花で小さなハエトリグモ(蜘蛛)が徘徊していましたが、体格差が大きいのでコアオハナムグリに跳びついて狩ることはなさそうです。
 

ヒルガオは夏にそこら中で咲いているありふれた花なのに、なぜか訪花昆虫を見かけたことがありません。 
今回のコアオハナムグリが初見でした。 
もっと早起きして観察しないといけないのかもしれません。
午後の遅い時刻になると、花が萎れて閉じてしまいます。
 


2022/12/11

雨夜に野ネズミを捕食するフクロウ【トレイルカメラ:暗視映像】(野鳥)

 

2022年8月中旬〜下旬 

トレイルカメラ2台で監視している里山のスギ林道で大事件が記録されていました。 

シーン1:8/21・午前1:53・気温21℃ 
深夜に1匹の野ネズミ(ノネズミ)が林道を右にチョロチョロと走り去りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
タヌキやアナグマが共有している溜め糞場sで糞に含まれる種子を採食しに来た、という訳でもなさそうで、単なる移動経路なのでしょう。 


シーン2:8/20・午後23:12・雨 
2時間40分前には雨が降っていました。 
同じ地点の林道を逆側から狙う別のトレイルカメラで記録された暗視映像です。
画面下の赤い矢印に注目して下さい。 
下草に覆われた林道で何か生き物が暗闇で動いています。 

フクロウStrix uralensis)が暗闇の林床で獲物を捕らえた直後らしく、その場で捕食していました。 
狩りの瞬間が撮れてないのが、つくづく残念です。 
フクロウは雨が降る夜でも構わず狩りをすることが分かりました。 
餌食となったのはおそらく野ネズミでしょう。 
ようやく見えたフクロウの横顔に羽角(耳羽)が無いので、ミミズクの仲間ではありません。 

飛び立つシーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
身を屈めた反動を利用して飛び去りました。 
スローモーションを見直すと、獲物を嘴に咥えたり足で掴んだりして巣に持ち帰ってはいないことが分かります。 
その場で食べ尽くしたようです。 
離陸の際にフクロウの羽ばたきに煽られて周囲の下草が激しく揺れているのに、フクロウの羽音はほとんど聞き取れません。 
フクロウの羽毛は静音性に優れていることがよく分かります。 
(今回は雨音にかき消されたのかもしれません。) 

この山森でフクロウが生息しているとは知りませんでした。 
鳴き声♪を聞いたこともありません。 
フクロウの営巣地(樹洞)を見つけたいものです。 
フクロウが吐き出したペリットを回収できれば、捕食した小動物の骨が回収できるはずです。 
夜に現場入りしてフクロウを調査してみたくなりますが、ツキノワグマと出くわすと危険なので無理はできません。

 ※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 
フクロウの羽音が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。


狩りに失敗した例も後日トレイルカメラで撮れていました。


ランダムに記事を読む

  • リンゴをついばむツグミ#2:ムクドリの闖入27/03/2011 - 0 Comments
  • 川面で羽繕いの合間に水を飲む独身オナガガモ♀(冬の野鳥)28/06/2020 - 0 Comments
  • 道端を歩くハクセキレイ♂(野鳥)01/05/2015 - 0 Comments
  • ニホンアナグマ♀が古い巣材を産室から次の引越し先に運び、ヘルパー♂が巣穴を掘り直す【トレイルカメラ:暗視映像】31/12/2023 - 0 Comments
  • ミゾソバの花蜜を吸うフタモンアシナガバチ♀09/10/2017 - 0 Comments