2022/02/08

しつこく求愛中のモンキチョウ♀♂にモンシロチョウが乱入すると…

 

2021年11月上旬・午後13:30頃・晴れ 

河川敷の小径に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の花で吸蜜中のモンキチョウ♀(Colias erate poliographus)に♂がしつこく求愛を繰り返していました。 
モンキチョウは翅の色で性別が一目瞭然なので、配偶行動の観察に適しています。 
♀は白色、♂は黄色です。 
(黄色い翅の♀もたまにいるのですが、今回のペアはスタンダードな翅色です。) 
♂は♀のごく近くでホバリングしたり、翅を小刻みに羽ばたいたりして♀に秋波(性フェロモン)を送っています。 
一方、♀は交尾済みのようで、翅を開き腹部を高々と持ち上げました。 
これはシロチョウ科の♀に特有の交尾拒否行動です。 
しつこい♂が近づくと、♀はパッと一瞬だけ翅を閉じます。 
♀の背後に着陸した♂が強引に交尾器を結合しようとしたものの、嫌がった♀は飛んで逃げ出しました。 
色気より食い気の♀はすぐ横のムラサキツメクサの花に移動すると、吸蜜を続けます。 
諦めきれない♂は、同じ花の反対側で翅を震わせています。 

モンキチョウの求愛および交尾拒否行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@1:15〜) 
リアルタイムでは見過ごしたのですが、途中でちょっと面白い事件が起こっていました。 
急にモンシロチョウPieris rapae)が飛来したのです。(@2:25) 
白い翅のモンシロチョウにモンキチョウ♂は一瞬惑わされたようで、追尾を始めました(誤認求愛)。 
しかしすぐに別種だと気づいたようで、モンシロチョウを追い払ってモンキチョウ♀の元に戻ると、求愛活動を再開。 
乱入したモンシロチョウの性別を私は見分けられませんでしたが、探雌飛翔中の♂だったのかもしれません。
つまり、モンシロチョウもモンキチョウ♀に誤認求愛しかけた可能性があります。
▼関連記事(3年前の撮影@ムラサキツメクサ) 
訪花中のモンシロチョウに誤認求愛するモンキチョウ♂
モンシロチョウの世界では可視光よりも紫外線で見える情報が配偶行動には特に大切であることが分かっています。
私も紫外線カメラで動画撮影してみたいところですが、高嶺の花です。

つづく→モンキチョウ♂2頭からの求愛を拒否して逃げ回る♀

2022/02/07

川で水浴・羽繕いするオナガガモ♂【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年11月上旬・午後14:10頃・晴れ
前回の記事:▶ 川の水を浴び羽繕いするオナガガモ♀(野鳥)
よく晴れた午後に川のあちこちでオナガガモAnas acuta)の群れが次々と水浴を始めました。 
どの個体を撮るべきか目移りしてしまいます。 
今回の動画は♂の水浴シーンをまとめてみました。 

水浴びに続けて羽根の水気を切り、次に羽繕いを行います。 
それを1セットとして何度も繰り返します。 
 羽繕いで抜け落ちた羽毛が水面に流されて行きます。(@0:30) 
水浴の合間に小声で鳴くことがありました。 
激しく水飛沫を上げながら翼を水面に叩きつけ、後半は上半身を上に伸ばしました。 
頭を水中に突っ込み、次に頭を上げると左右に振ります。 
その間は翼で水面を叩き続けています。 
立ち泳ぎしながら激しく羽ばたき、羽根の水気を切ります。 
ようやく落ち着くと、川面で尾羽を左右に振り振りしています。 

オナガガモ♂の行水を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:47〜) 
この個体は、♂エクリプス羽から生殖羽に移行中の個体だと思います。 
水浴後は立ち(泳ぎし)ながら激しく羽ばたいて伸び上がり、羽根の水気を切ります。 
水浴が一通り終わるといつも尾羽を左右に振るのがなんとも可愛らしいです。 

最後は♂エクリプスの水浴シーンのハイスピード動画です。(@7:27〜) 
以前の私なら、この個体は♀と見なしていました。 
決定版『日本のカモ識別図鑑』とじっくり見比べると、エクリプス羽の♂と判明しました。 
この図鑑は副題に「日本産カモの全羽衣をイラストと写真で詳述」とあるように、私でもかなり細かく見分けられるようになりました。 
それと同時に、カモ観察の奥深さが分かってきました。 
今後オナガガモの行動の解釈が捗りそうです。 

他には、♂幼羽から第1回生殖羽に移行中の個体も混じっています。
越冬のために渡来した直後のオナガガモには様々なステージの個体が混在しているのです。
 

川面を走り縄張り侵入者を追い払うカイツブリ♀♂(野鳥)

 

2021年11月上旬・午後15:30頃・くもり 

川面を羽ばたきながら激しく走り回る水鳥が3羽いました。 
どうやらカイツブリTachybaptus ruficollis)のようです。 
川の上流に向かって逃げる1羽を2羽がしつこく追いかけていました。 
短い翼で羽ばたきながら川面を全力疾走してから、ツーっと滑走します。 
持久力が無いのか、長距離は走れないようです。 
♀♂つがいの縄張りを犯したよそ者を追い払っているのでしょうか? 
それとも、子別れのシーズンなのかな? 

必死で逃げる個体は、一度は潜水して左岸に逃げ込もうとしました。 
しかし追手は許さずに、2羽の連携プレーで縄張り侵入者を中洲の方へ追い出しました。 
この間、カイツブリの鳴き声は聞き取れませんでした。 

3羽の追いかけっこを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:34〜) 
逃走者が飛んで逃げなかったのは、どうしてでしょう? 
結末がどうなったのか気になりますが、中洲の陰に隠れて観察できなかったのが残念です。 

この鳥は果たしてカイツブリかどうか、あまり自信がありません。 
動きが激しくて、じっくりズームインすることが出来ませんでした。 
もし間違っていたら、ご指摘くださると幸いです。 
当地でカイツブリは夏鳥のはずなので、今回11月上旬に見たのは不思議です。
記録を調べると、10月下旬に見ていました。
▼関連記事(2年前の撮影)
温暖化が年々進行している影響でしょうか?

ランダムに記事を読む