2020/12/09

ツルボの花で採餌するハキリバチの一種♀【名前を教えて】

 

2020年8月中旬・午前11:20頃・晴れ 

山道を麓の近くまで下ると、沢の水が山道に流れ込んで水浸しの泥濘になった区間がありました。 
トレッキングシューズが泥まみれになって酷い目に遭いました。 
その湿地帯のような場所に見慣れないピンク(紫)の花穂が咲いていました。 
茎だけがヒョロヒョロとまっすぐ高く伸びていて、葉が見えません。 
もっと根元をかき分けて葉を確認すべきでした。 
この先も道のりは長いので、靴をこれ以上泥だらけにしたくない私は調べるのが億劫になってしまいました。 
こういうときは長靴かサンダルにすぐ履き替えれたら便利ですね。 
素人目には昔、別の里山で見たノギランと似てる気がしたのですが、花の色が紫なのは変ですかね? 
つぼみもノギランの蕾とは違います。 
高山植物にしては現場の標高は335mと低いです。 
(クガイソウも違うし…?) 
まさか園芸植物(外来植物)がこんな辺鄙な里山まで逸出したのでしょうか? 
この植物の名前をどなたかご存知の方がいらっしゃいましたら教えて下さい。
ヒヤシンスに似てると思いつき、試しに「キジカクシ科 紫の花」で画像検索したところ、ようやくツルボに辿り着きました。
本来は日当たりの良い場所に多いらしく、湿地によく生える植物でもありませんでした。
英語名はJapanese jacinthで、「日本のヒヤシンス」という意味でした。(jacinth= hyacinth)

手元に何冊もある植物図鑑の中で唯一ツルボが掲載されていたピッキオ『花のおもしろフィールド図鑑:秋』に面白い豆知識が載っていました。
葉をちょっとちぎってにおいをかぐと、少しだけネギのようなにおいがします。(p118より引用)

ネギはキジカクシ目ヒガンバナ科、ツルボはキジカクシ目キジカクシ科に属するので、遠い親戚に当たるようです。 

ツルボにハキリバチの一種♀が訪花していました。 
吸蜜する蜂の腹部をよく見ると、腹面に密生するスコパの白い毛は空荷のようです。 
てっきりスミスハキリバチ♀かと思いきや、頭楯に白い毛が密生しているので除外できそうです。(『日本産ハナバチ図鑑』p324より) 
蜂を採集できなかったので、それ以上は分かりませんでした。 
ハキリバチ♀の方もどなたか種類を見分けられる達人がいらっしゃいましたら教えて下さい。

オオイタドリの花で食餌するクロハナムグリ

 

2020年8月下旬・午前9:10頃・晴れ 

 堤防路の横に咲いたオオイタドリの群落でクロハナムグリGlycyphana fulvistemma)が訪花していました。 
花穂を歩き回りながら花蜜や花粉を食べています。

2020/12/08

樹洞内でモンスズメバチの巣に居候するゴキブリとワラジムシ【暗視映像】

 

八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチ:#8

▼前回の記事 
モンスズメバチの巣内温度を測る【樹洞内の暗視映像】

2020年8月中旬・午前1:20頃・晴れ 

ヤエザクラ(八重桜)の樹洞内に作られたモンスズメバチVespa crabro)の巣を赤外線の暗視カメラで撮影していると、巣のすぐ左上にゴキブリが潜んでいました。 
おそらくヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)だと思います。 
長い触角が目立つものの、モノクロの映像では翅の有無(性別)が見にくいです。 
幼虫または短翅の♀成虫のようです。
複眼が赤外線を反射して光って見えます。 
カマドウマほど後脚は発達していません。 
腹端に1対の尾角があります。 
自らの脚および腹面を舐めて身繕いしていました。 

正面を向いたときに口器が動いていましたが、モンスズメバチの巣の外皮を食害しているのか、それとも樹洞内の樹皮を齧っているのか、定かではありません。 
以前ヤマトゴキブリを飼育したときには、カシカシ、パチパチ♪と音をたてながら夜に朽木を齧っていました。
▼関連記事(飼育下で6年前に撮影) 
朽木を食べるヤマトゴキブリ♀
しかし今回は、耳を澄ませても樹洞内でそのような物音は聞こえませんでした。 

ゴキブリの他にはワラジムシPorcellio scaber)もモンスズメバチの巣のすぐ外側を徘徊していました。 

スズメバチの巣内でゴキブリが居候(共生?)していることを示す決定的な証拠映像がようやく撮れて、長年のミッシングリンクがようやく繋がりました。 
感無量です。
▼関連記事(5年前の撮影) 
コガタスズメバチの巣に居候するゴキブリ【暗視映像】
暗視映像だけでなく通常照明下でもゴキブリを撮影したいのはやまやまでしたが、スズメバチ専用の防護服を着ていない(持っていない)私は蜂を刺激する危険を冒せません。 
また、夜行性のゴキブリは眩しい白色光を照射するとすぐに物陰に隠れてしまいそうです。

鈴木知之『朽ち木にあつまる虫ハンドブック』によると、ヤマトゴキブリは
立ち枯れの樹皮下や生木の洞にすむ。成虫は5〜9月に現れ、夜間、樹液に集まる。雑食性で、果実や野菜などの植物や、昆虫の死がいなどを食べる。(p14より引用)
私は未だ雑木林の樹液酒場に来ているヤマトゴキブリを実際に見たことはありません。 
ヤマトゴキブリは桜の樹洞内でモンスズメバチとただ同居しているだけなのか、それともモンスズメバチの食べ残しや巣材を盗み食いしているのか、解明したいところです。 
モンスズメバチの巣盤は樹洞内に吊り下げられるように作られ、外皮の底が抜けているため、食べ残しや死骸は樹洞の底にどんどん落ちてしまうはずです。 
ゴキブリが樹洞の底ではなくモンスズメバチの巣の近くに留まっているということは、無抵抗の蜂の子を捕食したり前蛹が育房内に排泄した糞を食べている可能性も考えられます。 
アリの巣に同居・居候する好蟻性昆虫の研究が近年活発に進められていますが、好雀蜂性昆虫の生態も面白そうです。 


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