2020/06/01

巣の近くで聞いたノスリ親鳥の鳴き声♪:午前中(野鳥)



ノスリ(野鳥)営巣地での観察記録#18



▼前回の記事(時間的な順序は逆になります)
樹上の巣に通うノスリ親鳥(野鳥)

2019年6月上旬・午前8:40〜855、9:51〜9:55・晴れ

ノスリButeo japonicus)の巣が見える場所に夜明け前からブラインドを張って中に潜伏しました。
カメラに対して朝日の逆光がきついアングルなので、まともに撮影できるようになったのは太陽がだいぶ昇ってからでした。
巣を狙って愚直に長撮りした映像から、少しでも気になるシーンを抜粋してみます。


シーン1:(@0:00〜)

冒頭で、1羽が巣内で頭を上下させるのが営巣木の周囲に生い茂った枝葉の隙間からちらっと見えました。
これは親鳥ではなく幼綿羽の雛ではないかと思うのですが、どうでしょうか?
獲物をついばんでいるのかな?
しばらくすると、再び頭を上下させたり辺りをキョロキョロ見渡していました。



シーン2:(@0:30〜)

親鳥がピーェ、ピーェ♪と甲高い声で断続的に鳴くようになりました。
巣内からではなく、どうやら近くの河畔林の樹上で(雛に?)呼びかけている気がします。
それとも縄張り宣言なのかな?
ブラインド内からは視野がかなり限定されるため、親鳥の居場所を突き止められませんでした。
鳴き声が近かったり遠かったりするので、おそらく場所をあちこち変えながら鳴いているようです。
後半になると、巣内で動く雛(?)の活動が全く無くなりました。
昼寝しているのでしょう。
観察している側も退屈で、睡魔との戦いです。
親鳥が巣に飛来して雛に給餌しているのを私が見逃している可能性も高いです。



シーン3:(@2:01〜)

今まで聞いたことのない、短いフィッ♪という謎の鋭い鳴き声が繰り返し聞こえました。
縦笛を吹くのが苦手なヒトの児童が調子っ外れに練習しているような音です。
これもノスリ親鳥が発しているのだとしたら、どういう意味なのか気になります。(警戒声?)【※追記参照。縄張り宣言の囀りと判明】
その間、巣内の雛は動かずにじっとしています。
親鳥ではなくノスリの雛鳥が鳴き方を練習しているのでしょうか?
それとも、もしノスリ以外の野鳥の鳴き声でしたら、どなたか教えてください。
後半は変調するとヒヨドリの鳴き声っぽくなり、自信がなくなってきました。
ちなみに撮影中に野鳥の朝のコーラスが周囲に響き渡り、カッコウ♂、カラス、モズ、キジ♂、カワラヒワ、ヒヨドリなどの鳴き声♪を私でも聞き分けることができました。



シーン4:(@2:58)

在巣の雛?が頭を持ち上げてキョロキョロと動かしました。
巣を隠している枝葉の隙間から辛うじて見える、とても微かな動きでしかありません。

巣の終日監視は集中力を要する割に成果に乏しく、フラストレーションが溜まります。


※ 猛禽類の営巣観察1年目の初心者が難しい条件のフィールドで必死に撮ったので、個人的にはかなり思い入れが強い映像です。
しかし第三者が見ると「ほとんど何も写っていなくて、何のことやらさっぱり分からない」でしょう。
注目ポイントを矢印で示す、など編集の手間をかけるまでもなさそうです。
それでも観察記録に残しておかないと自分でも忘れてしまいますから、動画はブログ限定で公開することにします。


つづく→#19:ノスリの巣を微速度撮影で監視してみる【10倍速映像】(野鳥)





【追記】
『フィールドガイド日本の猛禽類vol.04ノスリ』という素晴らしい本をようやく手に入れました。
未だ拾い読みしか出来ていませんが、ノスリ観察のバイブルになりそうです。
鳴き声に関する解説も詳細で、とても参考になりました。
 ノスリはサシバと同様によく鳴く鷹で、最もよく聞かれるのは「ピーエー」や「ピィー」と強く響く声である(鳥との距離によっては「ヒャー」あるいは「ピャー」と聞こえる)。この声は1年を通して成鳥、幼鳥とも飛びながら発することが多く、その意味は鷹や人などの外敵に対する威嚇や興奮である。 
 繁殖が活発化する2月下旬頃から産卵前にかけて、営巣林内で「フィリ」や「フィ」、「ピー」と聞こえる柔らかい音を複雑に組み合わせたいわば“さえずり”のような声を発する。この声は午前中によく聞かれ、縄張りを主張する“テリトリーコール”と推測される。繁殖期には営巣地周辺の上空を「フィーヨー」とハチクマに似た柔らかい声を出しながら飛ぶことがある。巣上の♀親は卵や雛を抱いたまま「ピー」という1音節の単調な声を断続的に発する(中略)。餌を持って巣に帰る♂親は、営巣林に近づくと「ピキョ」と聞こえる声を発して帰巣を♀親に知らせる。これに対し♀は、抑揚のある「ピィ〜〜〜」という興奮したような高い声を発して♂親から餌を受け取る。 
 その他、外的に急に接近されたり、攻撃されたりした時には、「ギュ」あるいは「ギュェ」と聞こえる声や、「ギュルルル」あるいは「チュルル」と聞こえる高音の小声を発して逃げることがある。(p3より引用)



2020/05/31

雪道で遭難したシダクロスズメバチ♀が低体温症から蘇生



2019年12月中旬・午後13:05頃

雪が少し積もった里山の峠道でシダクロスズメバチVespula shidai)のワーカー♀が弱々しくゆっくり徘徊していました。
雪道で体温が下がり過ぎたようで、やがて歩けなくなり、痙攣すると完全に動かなくなりました。
私が指で転がして仰向けにしても無反応です。

シダクロスズメバチ♀を指で摘み上げて私の手のひらに乗せてみました。
体長が小さいので、新女王ではなく、生き残りのワーカー♀ですね。
寒い冬が来ればワーカー♀は寿命で死ぬ運命です。
私の手のひらで温めると蜂はすぐに復活し、体温上昇とともに横臥のまま弱々しく羽ばたき始めました。
覚醒すると立ち上がり、触角を前脚で拭って身繕い。
激しく腹式呼吸しています。
元気に復活したシダクロスズメバチ♀が飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

実は飛び去る蜂を咄嗟に素手で掴み取りしたのですが、毒針で刺されることはありませんでした。(♀の蜂を握り潰したりすれば当然刺されるでしょう)
今回はシダクロスズメバチとしっかり同定できました。


シダクロスズメバチ♀:背面@雪道+遭難
側面
手乗り


川面で周囲の♂を次々に追い払うマガモ♀(冬の野鳥)



2019年12月下旬・午後15:50頃・くもり

▼前回の記事
ライバル♂を♀から遠ざけるマガモ♂(冬の野鳥)

川面にマガモAnas platyrhynchos)の♂が3羽、♀が1羽、浮いています。
自由に遊泳して互いに位置を刻々と変えています。
♂同士が♀を巡って小競り合いするのは珍しくないのですが、今回は地味な♀が周囲の♂を追い払う行動が興味深く思いました。

♀が水面に嘴の先を漬けながら突進すると、進行方向で休んでいた♂が慌てて身を翻して逃げ出したのです。(@0:29)
別個体の♂も♀が横に並ぶとなぜか遠慮したように離れて行きました。(@0:42)
最後に残った♂とつがい形成済みなのかと思いきや、その♂の方に♀が向き直って牽制しただけで、♂は逃げ腰になりました。
とにかく「私に近づかないで!」という苛立ちのように見えました。
マガモの繁殖期のはずですが、この♀個体は未だ性的に成熟していなくて♂と交尾する気がない(発情していない)のでしょうか。
繁殖期になると♂共が求愛のためしつこく集まってくるので、♀は鬱陶しいセクハラに悩まされているのかもしれません。
♀はどの♂とつがいになるか決めかねているのかな?

他の解釈を無理やりひねり出してみると、♀が♂に求愛しても相手にされていない(もてない♀)という可能性もありますかね? 
あるいは川面の一定区画に♀の縄張りがあったりするのでしょうか?


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