2019/08/13

朝の中州で採食するコチドリ♀♂(野鳥)



2019年5月下旬・午前6:55〜7:08
▼前回の記事
中州で交尾するコチドリ♀♂(野鳥)

交尾後にふた手に別れたコチドリ♀♂(Charadrius dubius curonicus)は川の中州で別々に採食を始めました。
日が昇ると早くも陽炎が立ち昇り、画面がゆらゆらと揺れて見えます。

今回は充分に明るい条件で撮れたので、夕暮れ時に撮った前回とは画質が大違いです。

▼関連記事(1か月前の撮影)
夕方の中洲で採食・脱糞するコチドリ(野鳥)

なんとなく、雑草が生い茂るこの中州のどこかにコチドリの巣がありそうな気がします。
中州に上陸して調べに行けば、親鳥の偽傷行動も観察できそうです。(繁殖の邪魔になりそうなので、思っただけで止めておきました。)

つづく→


コチドリ(野鳥)@川:中州+採食
コチドリ(野鳥)@川:中州+採食

ヒメハナバチの営巣地で穴掘りを邪魔し、巣口に侵入を試みるアリ【ハイスピード動画】



2019年5月中旬・午後12:03〜12:10


▼前回の記事
ヒメハナバチの営巣地でホバリングする寄生アブ?との攻防【ハイスピード動画】

花から花粉を運んで営巣地(集団コロニー)に戻って来たヒメハナバチ科(またはコハナバチ科?)の一種♀aが地面を掘っている様子を240-fpsのハイスピード動画で撮影しています(画面中央下)。
そこへ別個体bが空荷で飛来するも、2匹は互いに無関心です。
その羽ばたきで地面に落ちていた虫の抜け殻が舞い上がりました。

次に大小2匹のクロアリ(種名不詳)ワーカー♀が通りかかりました。
小さい方のアリが穴掘り中のヒメハナバチ♀aに触角で触れました。(@0:37)
その途端に驚いたヒメハナバチ♀aが慌てて飛び立ちました。
まさにお邪魔虫。

すぐにまた花粉団子を後脚に付けたヒメハナバチ♀aが戻って来て、穴掘りを再開しました。
地面にあるはずの巣穴の位置を突き止められず、飛び立ちました。
辺りの様子を見回ってから(定位飛行)再び戻ってきて着陸、穴掘りを再開。

今度は花粉団子を付けた別個体♀cが飛来し、穴掘り中の♀aの傍に着地しようとしました。(@1:44)
すると巣口を見つけられない♀aは飛び去ってしまいました。
2匹は同種だと思うのですが、若干の体格差があるようです。

後から来た♀cの方が帰巣能力が優秀で、遂に巣口を探り当てて中に入りました。(@2:05〜2:45)
小石(砂粒)を少し横に掻き分けてその下を掘ったら小さな巣口が現れたのです。
まるで「開けゴマ!」と呪文を唱えたようです。
入巣と同時に小石が自然に転がって巣口を塞ぎました。(@2:46)
自動扉による戸締まりで防犯対策は万全です。
素人目にはもう巣口がどこにあったのか分からなくなってしまいました。

続けてもう一匹の♀が採餌場から花粉団子を運んで来ました。(@2:54)
さっき逃げた♀aかもしれません。
営巣地に着陸すると巣口を探して試掘を始めます。
しかし微妙に違う場所を探しています。

空荷の別個体が画面下から飛来するも、互いに無関心で通り過ぎました。(@3:30)
空荷の個体が雄蜂♂なのか同種の♀なのか、それとも別種の蜂なのか、私には分かりません。

労働寄生性ハナバチの可能性もありそうです。(※ 追記参照)

徘徊中のクロアリ(種名不詳)のワーカー♀が巣口を偶然に見つけてしまいました。(@4:00)

蟻は目がほとんど見えませんから、匂いでヒメハナバチの巣穴を嗅ぎ当てたのでしょう。
頭を突っ込んで侵入を試みるも、諦めました。
巣の中から門衛に撃退されたのかな?
横で地面を試掘中の♀a+花粉団子とアリがニアミスし、ヒメハナバチ♀aが少し飛び上がってアリを営巣地から追い払いました。
再び着陸した♀aは必死で巣口を探しますが、依然として見つけられません。
すぐ近くにあるのに、見ている私ももどかしいです。

実はこの辺りは多数の巣穴が開いている集団コロニーらしく、どの巣に注目して撮影しようかと目移りするほどでした。
巣口が常に開きっぱなしの巣もあり、それが普通なのかもしれません。(映像なし)
今回撮影した巣口が小石で塞がれてしまって迷子を生み出しているのは事故みたいなもので、アリやヒトが営巣地を徘徊して踏み荒らしたせいなのかな?
それとも蜂が巣から外出する際に戸締まりする習性があるのでしょうか?
迷子になっている個体は外出経験が浅いのか、それとも馬鹿なのかな?

登場したクロアリは普通種のクロヤマアリかクロオオアリだと思うのですが、しっかり確かめていません。

つづく→ヒメハナバチ♀複数個体が同じ巣に出入り、出巣の定位飛行




※【追記】
北海道大学のキャンパスでホクダイコハナバチの生態を解明した坂上昭一『ハチの家族と社会:カースト社会の母と娘』という中公新書の名著を読み直すと、「寄生者たち」と題した章が設けられていました。
労働寄生性のコハナバチ、エサキヤドリコハナバチの飛来である。ホクダイとほぼ同大、漆黒で腹の前半が鮮紅色のハチだ。地表すれすれにとびまわりつつ巣を探し、持ち主がいないと侵入し、持ち主の労苦の成果を横取りする。 (p30より引用)

しかし腹部が赤い蜂を私は見ていません。
『日本産ハナバチ図鑑』を紐解くと、ヤドリコハナバチ属は多数の種が知られていて、腹部の前半が赤いのは♀で、♂は全身が黒い種類もいるようです。
とりあえず、私が見ているハチがヒメハナバチ科なのかコハナバチ科なのか、確かめることが先決ですね。

2019/08/12

幼い雛への給餌と抱雛のため送電塔の巣箱に出入りするハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)




送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#2



▼前回の記事
送電塔の巣箱を守る警戒心の強いハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)

2019年5月下旬・午後17:05〜18:59(日の入り時刻は午後18:49)

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥が巣箱に出入りする様子をまとめてみました。
♀♂のつがいが完全に分業するのではなく、共働きで雛に給餌しています。
ただし抱雛は♀が多いと言われています。

ようやく親鳥は見ている私の存在に少し馴れてくれたようです。(諦めた?)
私に対する威嚇や警告の行動を#1にまとめましたが、ハシブトガラスにしてはあっさりしていました。
大通りの送電塔に長年営巣しているつがいは人馴れしているのかもしれません。

送電塔に近づき過ぎると巣箱を見上げるアングルになり、親鳥も雛も鉄骨に隠れて見えなくなってしまいます。
逆に送電塔から結構離れて望遠レンズで狙った方が観察しやすいのです。

シーン1:

巣内で抱雛する親鳥の太い嘴が特設ステージ(巣箱)の上に突き出て見えますます。
親鳥は辺りをキョロキョロと見渡して監視を怠りません。
用意された巣箱はかなり丁寧な作りの力作で、送電塔の鉄骨に黒い針金でグルグル巻きに固定されていました。
巣箱の外枠は塩ビパイプ製のようで、そこに金網が張られています。
親鳥は枯枝を大量に持ち込んで組み合わせ、丸い巣を作りました。
巣箱の底は金網なので、雨が降ってもすぐに排水されるようになっています。
しかし、巣材が何本か巣箱から飛び出ていてちょっと雑な印象です。
樹上に一から巣を作る場合と比べて巣材の量も少ない(手抜き工事)気がしました。
巣の実物を回収して詳しく調べないことには、定量的な結論を何も言えないのが、辛いところです。
きっと誰か東北電力の巣箱担当者がしっかり調べてくれることでしょう。


シーン2:(@1:43)

巣箱で親鳥♀が抱雛中に、もう1羽の親鳥(おそらく♂)が帰巣し、餌乞いした雛に給餌しました。
ずっと巣に居た親鳥♀にも餌を少し分け与えたように見えました。
給餌後の親鳥♂は雛の脱糞を待たずに、さっさと巣を離れました。(滑空して川の方へ)

シーン3:(@2:29)

親鳥が♀♂共に巣をしばらく留守にした後で、親鳥♀が戻って来て抱雛を再開しました。

シーン4:(@3:31)

採餌から戻った親鳥が右下から斜めに飛び上がるように巣箱と同じ段の鉄骨に着地しました。
リズミカルなホッピングで巣箱の縁に止まりました。
その振動に雛が反応し、首を精一杯伸ばして真っ赤な口を大きく広げ、餌乞いを始めました。
雛の鳴き声は遠くて聞き取れません。
ところが親鳥は雛に給餌もしないで辺りを見回しているだけです。
しばらくすると雛は諦めて餌乞いを止め、巣内にうずくまってしまいました。
動物行動学の教科書で学んだときには、雛の餌乞いを見たら親鳥は機械的に給餌衝動に駆られるのだとばかり思い込んでいましたが、実際に観察すると意外に柔軟なのですね。
親鳥はようやく警戒を解き、巣箱に座り込んで幼い雛を抱き寄せます。

シーン5:(@4:31)

親鳥の帰巣シーンを撮り損ねてしまいました。
ホッピングで入巣すると、抱雛。
鉄塔の背後の鉛色の空をジェット機が飛んでも、飛行機雲は形成されません。

シーン6:(@5:18)

撮影地点をこっそり変更して、遠くの木陰から送電塔の巣箱を隠し撮りしてみます。
まずは親鳥♂が帰巣しました。
次に右からもう1羽の親鳥♀が帰巣し、鉄骨に並びました。
時間をかけてようやく♀が巣箱に入り、抱雛。
右の鉄骨に止まっている親鳥♂が急にカーカー♪鳴き始めました。
何事かと思いきや、すぐに親鳥♀♂が相次いで巣から飛び立ちました。
領空侵犯に対応する緊急出動のようです。
隠れている私の存在がバレてしまったのかな?


つづく→#3:ハシブトガラス♀♂つがいの愛情表現:キスと相互羽繕い(野鳥)


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