2017年1月上旬・お昼前
街中を流れる川を見て歩くと、更にもう1羽のダイサギ(Ardea alba)の独特な捕食行動が成功するシーンを観察できました。
この個体も川の水(冷たい雪解け水)に浸かりながら岸に沿ってギクシャクと歩いています。
これは足で川底を掻いたり足踏みしたりして、隠れている魚を追い出そうとしているのです。
同じ日に3羽連続で(a, c, e)同様の探餌行動を見れたので、決して病的な神経症状(歩行異常)でも珍しい行動でもないと納得しました。
▼関連記事
・足踏みで川魚を追い出し捕食するダイサギa(冬の野鳥)
・川で足踏みしながら魚を探し回るダイサギc(冬の野鳥)
藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか(岩波科学ライブラリー)』によると、
コサギという鳥は、採食時に片脚を水中で震わせて小動物を追い、逃げ出したところを捕食する行動をよく行う。しかし、広く鳥全体を見れば、こうした脚振りの運動は例外的な動作である。(p108より引用)
草にすっかり覆われたコンクリート護岸沿いに下流へゆっくり歩きながら真剣な目つきで魚影を探しています。
一歩ずつ川底を踏み締めた足をガクガクと上下に揺らしています。
しばらくすると左岸を上流に向かって引き返し始めました。(@0:50)
釣りをやらない私には分からないのですけど、ダイサギの行動を見ていると「魚は川の中央部よりも岸辺近くに(多く)潜んで居る」というのは釣り人の常識なのですかね?
それとも川の中央部から魚を追い出しても左右の川岸の物陰に逃げ込んでしまい、漁の効率が悪いのかもしれません。
サッカー選手のサイドバックと同じ発想だったりして。(サッカーのポジションの一つで、常にサイドラインを背負いつつ攻守に上下動する)
獲物探索を一休みして軽く羽繕い。(@5:03)
私が立っている上流の橋の方へダイサギeはどんどん近づいてきます。
橋を通る車やヒトなんか全く気にせず漁に集中しています。
突然ダイサギが羽ばたいて下流へ少し飛びました。(@7:57)
逃げた魚を追いかけて嘴を一閃し、見事に仕留めました。
苦労してようやく捕らえた細長い小魚を旨そうに丸呑みしました。
食後も嘴を水でゆすいでから貪欲に探餌行動を再開しました。
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魚を飲み込む。 |
この日は午前中に川の短い流域を見て歩いただけで、のべ5羽(a~e)のダイサギを観察できて大収穫でした♪
それに対してアオサギは1羽も見かけませんでした。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
↑【おまけの映像】 ※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
実は漁に成功する前にも、同一個体eの探餌行動を長々と撮影しています。(ブログ限定で公開します。)
冒頭で川の中でバランスを崩し転びかけたハプニングが滑稽でした。
猿も木から落ちる。ダイサギも川でこける。
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翼を広げて転倒を回避 |
私が疲れて撮影を中断したら、この直後に魚を捕食したシーンを撮り損ねてしまいました。
失態を取り返そうとむきになって辛抱強く長撮りした結果、冒頭で紹介した漁の成功シーンをものにできたのです♪
2017年5月上旬・夕方
高圧線の鉄塔を支える階段状のコンクリート土台の角でキジ♂(Phasianus versicolor)がケンケーン♪と勇ましく鳴いて縄張りを宣言していました。
周囲の湿地帯(枯れ葦原)を見渡せる高台になっています。
隣の縄張りにいる♂と張り合うようにケンケーン♪と鋭く鳴き交わしていました。
キジ♂はケンケーン♪と絶叫した直後に必ずその場で激しく羽ばたいてバサバサっと音を立てます。
この行動を母衣打ち(ドラミング)と呼びます。
動画を長撮りしてみると、約2分間隔で鳴いていることが分かりました。
もちろん編集で退屈なシーンはカットしましたが、鳴く合間の2分間に羽繕いしたり少し歩き回ったりしています。
生憎この日は風が強くて、肝心の鳴き声がマイクの風切り音でほとんど掻き消されてしまったのが残念でした。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
2017年3月下旬・午後18:03~18:17(日の入り時刻は午後17:54)
▼前回の記事
春の大雪が降った宵のハクセキレイ(冬の野鳥)塒入り:前編
寒の戻りで春の雪が降りしきる中、ハクセキレイ(Motacilla alba lugens)の群れが民家の軒下の辺りに続々と飛来し、ホバリング(停空飛翔)していることに気づきました。
死角に入りよく見えないので、私も少し横に移動して撮影アングルを変更。
すると、通りから少し奥に入った2階建て民家の軒下の雨樋の手前でハクセキレイたちが激しくホバリングしていました。
屋根に積もった雪の上に止まっている個体もいます。
雨樋に潜り込んで並んでいる(目白押し)ハクセキレイが可愛らしい。
カメラを横にパンしても、従来の集団塒である電柱Sには1羽も居ません。
雪が降って寒い夜は雨樋の中で塒をとるのでしょうか?
吹きさらしの電柱よりも雨樋の中は吹雪になっても安心なシェルターに思えます。
この雨樋こそ冬季の集団塒、荒天時の塒としていつも使われているのかもしれません。
この場所はまさに灯台下暗しというか盲点になっていて、冬の間に私が見落としていた可能性もありそうです。
しかし、いくら断熱効果が高い羽毛に覆われているとは言え、金属の雨樋に密着していたのでは体温が容赦なく奪われそうな気もします。
ところが、しばらくすると突然ハクセキレイが雨樋から次々に飛び立ち、近くの細い電柱から伸びる電線止まり直しました。
民家の住人が追い払ったのではなく、ハクセキレイが自発的に飛び立ったのです。
更に再び飛んで、大通り沿いの電柱Sへ移動しました。
結局はいつもの集団塒(電柱S)にハクセキレイが続々と集まり始めました。
したがって、雨樋で就塒前集合していたことになります。
就塒前集合を経てから一気に塒入りするのは、ハクセキレイの習性です。(集団就塒)
夏に観察したときには、近所の別の建物の三角屋根(平屋建ての赤いトタン屋根)に就塒前集合していました。
電柱Sの塒内ではいつものように位置取りの小競り合いや追いかけっこ(空中戦)、ホバリングが巻き起こっています。
私の予想に反し、発熱して暖かそうな柱上トランス(柱上変圧器)付近に特に集中して群がっている様子はありませんでした。
鳥は恒温動物で断熱効果が高い羽毛に包まれています。
ハクセキレイは留鳥なので(一部は漂鳥?)、このぐらいの風雪や寒さは全く平気なのかもしれません。
(それなら何故、春になるまで電柱Sの集団塒は使われず閑古鳥が鳴いていたのか?という疑問が残り、堂々巡りです。)
てっきり寒い冬は柱上トランスで暖を取るだろうと予想していたのに、拍子抜けしました。
しかし結論付けるのは未だ早いでしょう。
最低気温になる深夜から早朝にかけて寝静まったハクセキレイをストロボ写真に撮って塒内分布をもう一度調べてみるべきでしたね。
また、柱上トランスが実際に夜どれぐらい放熱しているのか、サーモグラフィーでいつか撮影してみたいものです。
非接触型のレーザー温度計があれば電柱に登らなくても測定できそうです。(野外の高所までレーザーが届くのか?)
電柱Sのハクセキレイにズームインしてみると、ほとんどが背中の黒い♂ばかりでした。
極端な性比の偏りはいつ見ても不思議で、♀(背中が灰色)の塒はどこにあるのだろう?という疑問は未解決のままです。
鳥の本を読むと、おそらく繁殖期のハクセキレイ♀は各自の巣内で寝ているのだろう、と言われています。
カメラを横にパンして先程の民家をチェックすると、もう軒下の雨樋にはハクセキレイが1羽も居なくなっていました。
街灯(水銀灯)に照らされ、雪がしんしんと降っている様子がよく分かります。
地温が高いため路上には少ししか積もらず、水たまりになっています。
午後18:14に測定した気温は2.1℃、湿度56%。
※ 前半の雨樋のパート(~@3:07)のみ動画編集時に自動色調補正を施しています。(実際はもっと薄暗く彩度が低い)
【追記】
唐沢孝一『生物からみた都市の姿』によれば、
都心のヒートアイランド現象は、厳寒の冬を生きのびる生物にとっては魅力的です。都心の駅前やゴミ焼却炉の近くで集団ねぐらをとる習性があるハクセキレイは、都市で発生する熱を利用している可能性があります。 (ポピュラー・サイエンス241『都市生物の生態をさぐる:動物からみた大都会』第7章 p164-165より引用)
私が見ているフィールドは都市ではなくかなり田舎の市街地(郊外)ですけど、参考までに抜書きしておきます。