2016年6月上旬
郊外の道端に咲いたシロツメクサの群落でセイヨウミツバチ(Apis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
花から花へと忙しなく飛び回るものの、後脚の花粉籠は空荷でした。
意外にもこの組み合わせは初撮りです。
『昆虫の集まる花ハンドブック』p55によれば、
(シロツメクサの)個々の花の雄しべ雌しべは白い花びらのケースに包まれ、外からは見えない。蜜を吸うにはケースを押し下げる必要がある。それができるのは、活動的に花から花へと飛ぶハナバチの仲間。こうして花を操作できず、移動性の低いアブや甲虫を花から排除した。
2016年6月上旬
峠道の道端に咲いたハルジオンの群落でヒメシジミ♂(Plebejus argus micrargus)が訪花していました。
翅を閉じて吸蜜しながら、くるくると向きを変えてくれました。
飛び立つ瞬間にようやく青い翅表が見え、♂と確定。
2016年6月上旬
今回のタイトルは大喜利のお題みたいですが、非常に興味深い映像が撮れました。
農村地帯の上空でカラスの群れが1羽の猛禽類を追い回していました。
カラスはモビング(擬攻撃)しながら鳴き騒いでいます。
必死で逃げている猛禽類の翼の下面を見るとノスリ(Buteo japonicus)と判明。
一方、カラスの方はハシボソガラスとハシブトガラスのどちらなのか、遠過ぎて見分けられませんでした。
ちなみに、この辺りの優占種はハシボソガラスです。
モビングの最中に何か小さな物が一緒に写っています。
カラスが空中戦で毟り取ったノスリの羽根がひらひらと舞い落ちているでしょうか?
擬攻撃はあくまでも攻撃するふりだけの筈では?!
映像を見直すと、カラスと直接的な接触があった訳でもないのに突然、ノスリの羽が3枚抜け落ちて青空にパッと散りました。(@0:18)
ノスリが獲物を手放した可能性も検討しましたが、たぶん違うと思います。
2羽のカラスは勝ち誇ったように、落ちて行くノスリの羽根と空中で戯れ始めました。
これを見た私は、トカゲの尻尾切り(自切)を連想しました。
空中戦ということで、まるで現代の戦闘機が戦闘中に敵の目を逸らす欺瞞のため意図的にデコイやフレア、チャフなどを放出したようで、興味深く思いました。
犬猿の仲であるカラスの習性を熟知したノスリが咄嗟に尾羽根(?)を意図的に脱落させたのだとしたら非常に面白いのですが、おそらく空中戦で羽根の性能限界を超える無理な方向転換を繰り返したせいでしょう。
(直前にカラスの攻撃で羽根に直接ダメージを受けていた可能性もあります。)
そのまま2羽のカラスはモビングを止め、高圧線の鉄塔の方へ飛び去りました。
おそらく天敵の猛禽類から巣を守る防衛行動だったのでしょう。
その直後に別のカラスが単独でノスリへのモビングを始めました。
空高く帆翔・旋回するノスリは、行く先々でカラスに追われてるようです。
この空中戦でもあわや接触というタイミングでノスリが羽根を1枚放出しました。(@1:32;肝心の瞬間がピンぼけです)
しかし、今度のデコイ作戦はしつこいカラスに通用しませんでした。(カラスの気を逸らすには1枚の羽根では足りない?)
【追記】
YouTubeのコメント欄にてQuitLife氏より鋭い指摘を受けました。
I think the buzzard actually plucked those feathers from the crow.
スロー再生で何度も見直してみると、確かに直前の空中戦で接触した際に反転したノスリが足の爪で反撃しカラスの羽根を毟り取ったようにも見えました。
しばらく飛んでから掴んでいたカラスの羽根をノスリが意図的に放出したのでしょう。
このシナリオなら自然ですし、私も納得できます。
何かを掴んだまま飛んでいると変な空気抵抗を受けるので、危なくなったら手放すのかもしれません。
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舞い落ちるノスリの羽根 |