2009年12月中旬
12 月に神社の境内で何気なく石をめくったらマダラマルハヒロズコガ(Gaphara conspersa)の幼虫(別名ツヅミミノムシ)を見つけました。
ワラジムシなどと一緒に越冬していたのでしょう。
前回は飼育に失敗してしまったのですが、パンを与えて育てられると聞いたので半信半疑で試してみました。
生の食パンをちぎって与えると、早速元気に食いついてくれました。
後で見ると食パンのあちこちにツヅミミノムシが潜り込んで齧った小さな穴が空いていました(食痕)。
日を改めて撮った後半の映像で、白いパンの上に黒く小さな粒々が見えます。
これは糞なのだろうか。
それとも蓑に付いていたゴミが落ちただけかな?
パン食う虫も好きずき。
【追記】
ツヅミミノムシの食性は謎に包まれています。
野外でツヅミミノムシは蟻の巣の近くでよく見つかり、アリを食べるのではないかと噂されています。
ありんこ日記 AntRoomさんのブログで素晴らしい報告を見つけました。
【追記2】
本種の食性について、小松貴『虫のすみか―生きざまは巣にあらわれる (BERET SCIENCE)』p29に詳しい解説が書いてありました。
(マダラマルハヒロズコガの幼虫は)他の昆虫の死骸など、動物質のものを中心とした、さまざまな有機物を餌にしているようです。このガの生育にとってアリの存在は必須ではありませんが、アリの巣の周辺にはアリの食べ残しやゴミなどが捨てられているため、必然的にこのガの幼虫が多く見られるのでしょう。過去には、このガの幼虫の体内からアリの残骸が見つかっていることから、アリを捕食しているのではとの見方もありました。どうやら彼らは、アリを含めアリの巣周辺で死んだり死にかけた虫を見つけ出して、それを食い漁っているようです。
鈴木知之『朽ち木にあつまる虫ハンドブック』でマダラマルハヒロズコガを調べると、
朽ち木に営巣するアリの巣内や、アリの行列の近くにひそんでアリを捕食するものと思われる。飼育下ではアリのマユを好んで食べた。(p77より引用)
もう一度飼育して私も試してみたくなりました。