2010/12/22

オオハナアブ♀のノギク吸蜜




2010年10月中旬

野菊(種名不詳)の群落でオオハナアブPhytomia zonata)が何匹も訪花していました。
同一個体ではなく、複数の♀を追いかけて接写しました。
全体的な雰囲気はクマバチやマルハナバチに擬態しているらしい。
複眼の表面に縞模様があるのが面白いです。
左右の複眼が頭頂部で離れているので♀だと思います。
口吻を伸ばして蜜を舐めています。
次の花へは飛んで移動することもあれば花弁を伝い歩きすることもありました。


オオモンクロクモバチが獲物を巣坑に搬入





(つづき)
▼前回の記事オオモンクロクモバチ♀のアリ対策

2010年7月下旬

営巣地探索からオオモンクロクモバチ♀(=オオモンクロベッコウ;Anoplius samariensisが戻ってきました。
草むらに放置した獲物のスジアカハシリグモ♀(Dolomedes saganus)を探し回るもなかなか見つけられないでいます。
ようやく発見すると、しばしの休憩後に運び始めました。
営巣地の選定にかなり手間取りましたが(2時間!)、決まると最後の運搬作業は迅速でした。
クモを咥えると後ろ向きで一目散に歩いて行きます(後退地上運搬)。
クモが地面の障害物に引っかかって悪戦苦闘しています。
ヒメクモバチのように麻酔した獲物の歩脚を切り落とせば運搬は楽になりそうな気がします。
しかし歩脚が無いと草上に引っ掛けられなくなり、アリに持ち去られる可能性が高まるのでしょう。
映像をよく見ると蜂は獲物を大顎で咥えて引きずっているのではなく、少し持ち上げて運んでいます。
数回の小休止と偵察を挟んで運搬します。
もはやゴールが近いので、獲物から離れる際もわざわざ草上に引っ掛けたりしません。
あれほど念入りに選定した営巣地は落ち葉の下の隙間で、人間が上から見ても何の変哲も無い場所です。
後ろ向きのまま獲物を搬入しました。
初めに麻酔したクモを置いた草むらから目測で約3mの地点。 
クモバチ科の蜂は独房に獲物を一匹貯食する毎に産卵するはずです。
残念ながら地中での様子は分からず、産卵および巣坑の閉鎖行動は見届けられませんでした。
搬入後20分ほど粘って蜂が潜った場所を監視してみたものの、同じ穴からは出てきませんでした。
数分後に離れた場所からひょっこり現れた蜂が同一個体なのかどうか定かではありません。
観察打ち切り時(18:00 PM)の気温は28℃。
日が暮れる前に決着が付いて一安心。
心地良い疲労です。
(シリーズ完)


 ≪参考図書≫
『本能の進化:蜂の比較習性学的研究』 岩田久二雄 眞野書店 p98より 
本種は狩猟行動が掘坑に先行するタイプであり、「地中の小動物の坑を入ってから、暗黒のところで狩猟運搬後に自ら巣坑をほるのである。」

『狩蜂生態図鑑』p80によればオオモンクロクモバチは
地中深くに営巣するため、巣を調べるのは困難。 


オオモンクロクモバチ♀のアリ対策





(承前) 
オオモンクロクモバチ♀(オオモンクロベッコウ;Anoplius samariensis)が留守の間、辺りを徘徊していたクロオオアリCamponotus japonicus)の働き蟻が放置されたスジアカハシリグモ♀(Dolomedes saganus)を見つけました。
恰好の餌ですが、アリの怪力でも草に引っかかった重いクモを引きずって運べません。
クモの歩脚を食い千切ろうと膜質部に噛みついても歯が立たず、解体も諦めました。



オオモンクロクモバチは巣坑を探しに出かける前に盗難(置き引き)対策として、麻酔したクモを必ず草の上に運び、歩脚を振り分けるように引っ掛けて置くのです。
シリーズその2で実験したように、蜂の留守中にクモを草の上から下ろすと、蜂は再び獲物を草の葉までわざわざ引っ張り上げます。
賢いですねー。
動物番組でよく見る、サバンナのヒョウが狩った獲物を他の肉食獣に横取りされないようにアカシアの高木に咥えて運び上げる行動を連想しました。

▼その7へ続く
オオモンクロベッコウが獲物を巣坑に搬入





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