2024/09/07

ニホンアナグマの空き巣に侵入を繰り返し、虫を捕食しに通う晩秋のニホンイタチ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月中旬〜下旬

シーン0:11/15・午後13:07・晴れ・気温25℃(@0:00〜) 
明るい昼間に撮れた現場の様子です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する営巣地(セット)を2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:11/19・午前5:46・気温7℃(@0:04〜)日の出時刻は午前6:20。 
小雨がぱらつく夜明け前に、右からニホンイタチMustela itatsi)が単独で駆けて来ました。 
一瞬ホンドテンかと思いきや、よく見ると華奢なイタチでした。 
この地点でホンドテンは何度も登場していたのですが、ニホンイタチは初見です。 

アナグマの巣口Rの匂いを慎重に嗅いでから、中にするりと潜り込んだので驚きました。 
トレイルカメラの映像記録を信じるならば、イタチは昼間をアナグマの巣穴Rで寝て過ごしたようです。
(しかしイタチの動きは敏捷なので、撮り損ねがあるのではないかと私は疑っています。) 


シーン2:11/19・午後18:21・気温7℃(@0:04〜)日の入り時刻は午後16:28。 
同じ日の晩に、再びイタチが写っていました。 
もしかすると、巣穴Rから外に出てきた直後なのかもしれません。 
あるいは別個体のイタチなのかな? 
真っ暗で雨は降っていません。 

今度はアナグマの巣口Lの縁で匂いを嗅ぎ回ってから、巣穴Lに侵入しました。 
イタチも「穴があったら入りたい」習性があるようです。 
根雪が積もる前に越冬用の安全な巣穴を探すつもりなのでしょうか? 


シーン3:11/19・午後18:22(@0:47〜) 
アナグマの巣口Rにイタチが佇み、周囲を警戒しています。 
どうやら、巣穴Rから外に出てきた直後のようです。 
巣口Rを飛び越えて左に行くと、対面に設置したもう1台のトレイルカメラが起動しました。 

シーン2、3は時系列が逆ですね。 
動画編集をミスりました…。 
トレイルカメラ内蔵の時計がどうしても次第に狂ってくるので、動画に表示される時刻表示を過信すると前後のつながりの辻褄が合わなくなることがあるのです。


シーン4:11/19・午後18:29(@1:11〜) 
アナグマの巣穴Lに侵入したイタチが数分後に外に出てきたようです。 
巣穴の主であるニホンアナグマはこの日はたまたま不在だったようで、その隙にニホンイタチが空き巣を内検したのでしょう。 

巣口L付近で落ち葉の下に鼻面を突っ込んだイタチが、何か虫を捕食したようです。 
左に立ち去る途中でも立ち止まって、虫を捕食しました。 
気温が低い(10℃以下)夜ですから、虫の動きも鈍く、狩りをするのは容易いはずです。 
幼虫で越冬する虫はもう既にどこか安全な隠れ家に潜んでいるはずですし、無防備な林床に居残っている虫は、寿命が近い個体なのかもしれません。 
イタチがアナグマの空き巣L、Rに侵入したのも、巣穴を乗っ取るのが目的ではなくて、中に居候している虫の大群(穴居性カマドウマの幼虫?)を捕食するのが目的だった可能性があります。 

イタチが晩秋の林床で虫を捕食するシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:07〜) 
捕えた虫をその場でムシャムシャと食べています。 


シーン5:11/19・午後18:56・気温8℃(@2:38〜) 
30分後にイタチが再び登場し、右へ立ち去りました。 
同一個体のイタチが戻ってきたのかと思ったのですが、素人目には前回登場した個体よりも少し大きい気がします。 
もしかすると、一緒に行動しているイタチの♀♂ペアが、監視カメラに代わる代わる写っているのかもしれません。 

実はイタチが去ってから2時間15分後、テンが現れました。
見比べると2種の体格や体型の違いがよく分かります。


シーン6:11/22・午前7:50・くもり・気温-1℃(@2:53〜)日の出時刻は午前6:23。 
3日後の明るい朝に、再びニホンイタチが現れました。 
気温は氷点下まで冷え込みました。 
自然光下で見るイタチは美しい冬毛(黄色っぽい黄土色)でした。 

辺りをキョロキョロと警戒してから、アナグマの巣口Lの縁で何か小さな虫を捕食しました。 
最後は右へ軽快に走り去りました。 
朝のアナグマ営巣地でイタチが虫を捕食するシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@3:43〜)


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
アナグマの営巣地(セット)でニホンイタチは初見です。 
晩秋に出現頻度がいきなり増えて、昼も夜も登場しました。 
この巣穴ではてっきりアナグマが越冬するものだと思っていたのですが、まさかイタチが乗っ取ったのでしょうか? 
アナグマもイタチも冬眠しません。
「同じ穴のむじな」という慣用句がありますが、もしもアナグマとイタチが同じ巣穴に同居して冬越しするとしたら、なかなか面白い発見です。
それよりもやはり、「アナグマの巣穴に居候している虫(穴居性カマドウマの幼虫?)を捕食できた成功体験に味をしめて、イタチが昼も夜も通ってきている」と私は推測しています。 

ちなみに最近、アナグマの営巣地(セット)で野ネズミの姿をめっきり見かけないのは、イタチやテン、キツネ、フクロウなどの捕食者に狩られたからだと思います。




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ホトトギスの花で吸蜜ホバリングするクロホウジャク(蛾)の羽ばたき【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:40頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの大群落を夕方に通りかかったら、複数個体(2〜3頭?)のクロホウジャクMacroglossum saga)が訪花していました。 
同じ花壇に咲いていたシュウメイギクのピンクの花にときどき飛来しても食指が動かず(口吻が伸びず)、ホトトギスの花に戻って吸蜜を続けました。(定花性) 

高速で羽ばたき続ける蛾の種類をしっかり同定するために、ストロボを焚いて写真にも撮りました。 
前回の反省を踏まえて、シャッタースピードを1/1300〜1/2000秒に設定しました。 

クロホウジャクの吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜) 
停空飛翔(ホバリング)しながら口吻を伸ばして、花の根元に小さく膨らんだきょの入口を器用に探り当てると、挿し込んで花蜜を吸います。 
伸ばした口吻がときどきホトトギスの雄しべや雌しべに触れるので(@3:37〜) 、クロホウジャクはホトトギスの受粉を少しは助けていることになります。
ホトトギスの送粉者の本命と思われていたマルハナバチ類が実は盗蜜していて、逆にスズメガの仲間が送粉しているとは、意外な結果でした。

クロホウジャクが吸蜜後に口吻を縮めると、くるくるとゼンマイ状に丸まります。 
飛翔中は脚を体に沿わせるように縮めて、空気抵抗を減らしています。 


2024/09/06

アナグマ専用の溜め糞場を素通りする晩秋のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月中旬 

平地のスギ防風林に出没するホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 

シーン0:11/5・午前後(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
画面の左上に朽ち果てた切株があり、その手前に長年放置された古い手押し車の錆びたフレームがあり、そこにニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあります。 
スギ林床には野ネズミ(ノネズミ)の巣穴があることも分かっています。 


シーン1:11/13・午前3:56(@0:04〜) 
カメラの電池が消耗していて、通り過ぎるタヌキの下半身がチラッと写っていただけでした。 
実はその1分後にもごく短い映像が撮れていたのですが、トレイルカメラの起動が遅れたのか、何も写っていませんでした。 
♀♂ペアで行動するタヌキの後続個体が来たのかもしれません。 


シーン2:11/13・午前18:45(@0:07〜) 
小雨(みぞれ?)がぱらつく晩に、タヌキが再び現れました。 
ちょっと立ち止まって左を(切株の方を)向いてから、すぐに奥へ立ち去りました。 

この2回とも、タヌキはアナグマの溜め糞に興味を示さず、素通りしたようです。


この地点でタヌキが撮れたのはこれが最後になりました。 
監視カメラを撤去して、別の地点を見張ることにします。 
アナグマ専用の溜め糞場stmpにアナグマが全く来なくなったからです。 
ニホンアナグマはもう本格的に冬ごもりに入ったのでしょうか?

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