2021/11/13

風媒花アカソの花粉が飛散する様子【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年8月下旬・午前9:30頃・晴れ 

山道の横の法面(斜面)に生えたアカソの大群落のあちこちから白い煙が立ち昇っていました。 
イラクサ科アカソの花穂は地味な風媒花です。 
雌雄同株で、穂状の雄花は茎の下方に付き、雌花は茎の上方に付いています。 
雌花が雄花よりも上にあるのは、自家受粉を少しでも減らすための工夫だと思われます。
朝露で濡れた花穂が朝日を浴びて乾くと、雄花から白い花粉が大量に放出され、風に漂うのです。 
風媒は文字通り「風任せ」で効率が悪いので、莫大な量の花粉を生産し無駄に飛ばさないと雌花は授粉できません。 
その代わり、虫や鳥などの送粉者を誘引するために花蜜や香りを生産する必要はありません。
花粉症の人は映像を見ているだけでくしゃみが出そうになるかもしれません。 

次にどの花穂から花粉が吹き出すのか予測できないので、花穂を揺すって強制的に花粉を飛散させてみました。(@2:07) 
ただし、揺らしても花粉が飛ばない花穂もありました(映像は省略)。 
未だ雄花の準備ができてないのか、充分に乾燥していないのでしょう。 (あるいは既に花粉を放出し尽くした雄花なのかもしれません。)

次に、花粉が雄花から吹き出す様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:33〜) 
不定期で予測できませんから、適当に狙いを定めた花穂を辛抱強く長撮りするしかありません。 
風で雄花から花粉が受動的にこぼれ落ちるのではなく、自然に何かが弾けるように花粉が勢い良く飛び出しています。 
乾燥した葯が破裂しているのですかね? 
拡散する花粉の動きで微風(空気の乱流)も可視化されて、なかなか見応えのあるスローモーションになります。

渓流沿いの崖で採土するオオハキリバチ♀

 

2021年8月下旬・午前9:00頃・晴れ 

渓流沿いの山道の横の崖にオオハキリバチ♀(Megachile sculpturalis)を見つけました。 
地面を掘って巣材を集めているようです。 
私がズームインしたらすぐに飛び立ち、渓流の上を飛び去りました。 
残念ながら営巣地を突き止めることが出来ませんでした。 

短い出会いを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
蜂も慌てていたのか(無頓着なのか)、土塊と一緒に長い枯れ草(細根?)も一緒に持ち去りました。 
採土シーンの動画を撮り直したくてその場にしばらく待機したのですが、オオハキリバチ♀は戻って来ませんでした。 

オオハキリバチ♀の営巣習性は借坑性です。 
育房間を仕切る巣材は主に樹脂なのですが、育房内に貯食、産卵を済ませ巣口を樹脂で塞ぎ終わった後に土や砂を塗りたくって偽装することが知られています。 
今回の♀個体はその最終段階だったのでしょう。

2021/11/12

有毒植物ホツツジの花蜜を吸うイチモンジセセリ

 

2021年8月下旬・午前11:15頃・晴れ 

山道の脇に咲いたホツツジの灌木でイチモンジセセリ♀♂(Parnara guttata)が訪花していました。 
この組み合わせも初見です。 
翅を半開きに開閉しながら吸蜜しています。 

撮影中は気づかなかったのですが、左奥の花に小さな尺取虫(シャクガ科の幼虫)が来ていました。 
ホツツジは有毒植物とされているのに、花弁や葉を食害するのでしょうか? 
やはりホツツジに含まれるグラヤノトキシンは昆虫に対しては毒性が弱いのではないか?という気がしてきます。

【追記】
英語版wikipediaの方にグラヤノトキシンの作用機序および中毒症状について詳しい解説が載っていて、私の疑問の多くが解決しました。
グラヤノトキシンは電位依存性ナトリウムチャンネルのアゴニストとのこと。
イカの巨大神経軸索(神経生理学の古典的な実験材料)を使って薬理学的な実験をしているので、脊椎動物だけでなく無脊椎動物のナトリウムチャンネルにも効き目はあるようです。
送粉者のマルハナバチ類はグラヤノトキシンに対して耐性があるのではないかと考えられているらしい。

Nearly all parts of grayanotoxin-producing rhododendrons contain the molecule, including the stem, leaves, flower, pollen and nectar. 

 

Nectar containing grayanotoxin can kill honeybees, though some seem to have resistance to it and can produce honey from the nectar (see below). According to a team of researchers from the UK and Ireland, worker bumblebees are not harmed and may be preferable as pollinators because they transfer more pollen. Consequently, it may be advantageous for plants to produce grayanotoxin in order to be pollinated by bumblebees.[13]

Mad honey intoxication
Bees that collect pollen and nectar from grayanotoxin-containing plants often produce honey that also contains grayanotoxins.[3][8] This so-called "mad honey" is the most common cause of grayanotoxin poisoning in humans.

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