2021/10/09

アメリカザリガニの死骸に群がるキンバエとニクバエが繰り広げる行動

 

2021年7月中旬・午後14:15頃・晴れ 

大雨で増水した氾濫原の水が引くと、泥だらけになった遊歩道にアメリカザリガニProcambarus clarkii)が2匹並んで死んでいました。 
日向で腐敗が進んでいるようで、赤い殻の表面に黒斑が出ています。 
死骸に真っ先に集まるキンバエ類は、メタリックグリーンのものとメタリックブルーのものと2種類が来ているようです。(種名不詳) 
他にはニクバエの一種(種名不詳)も来ています。 
個体数ではキンバエ類の方がニクバエよりも多いです。 
集まったハエは、アメリカザリガニの死骸を舐め回したり、身繕いしたりしています。 

左の死骸Lは頭胸甲の殻が外れかけていました。 
脱皮の途中で死んだのかな? 
こちらの死骸Lはハエにあまり人気が無いようで、ニクバエが1匹だけ乗っていました。 

右の死骸R上では多数のハエが目まぐるしく飛び回り、互いに位置を変えています。 
その様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、ハエ同士の間で面白いドラマが繰り広げられていることが分かりました。(@1:34〜) 

(1)死骸上の熾烈な陣取り合戦 
隣り合うハエ同士が互いに脚で蹴ったり叩いたりして牽制し合っていました。 
小さなニクバエが隣の大きなキンバエを蹴って追い払うこともありました。 
それでも強引に割り込んで来るハエがいます。
ハエの占有行動で脚を使うとは知りませんでした。
武器の無いハエの喧嘩はどうもコミカルに見えてしまいます。

(2)ニクバエ同士で誤認求愛? 
小型のニクバエの新顔が死骸に飛来すると、先客の大型ニクバエが背後から飛びつきました。 
マウントして交尾を挑んだのかと思いきや、すぐに別れました。 
こうした♂同士の誤認求愛と思われる小競り合いが繰り返されていました。 (あるいは♀の交尾拒否?)

240fpsのハイスピード動画で撮れば、もっと詳細に観察できたはずです。 


 

ノギランの花蜜を吸い飛び立つシロホシヒメゾウムシ【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月下旬・午前9:30頃・晴れ 

山道沿いに咲いたノギランの群落でシロホシヒメゾウムシ(=シラホシヒメゾウムシ;Baris dispilota)が訪花していました。 
同一個体を追いかけて途中からマクロレンズで接写してみました。 
ノギランの花穂の中を歩き回ると、雄しべの葯の黄色とゾウムシの黄紋がマッチしていますね。 
しかし黒い体色なので、隠蔽擬態(保護色)にはなっていません。 
どうやら小花に口吻を突っ込んで吸蜜しているようです。(@1:22) 
花穂の先端まで来ると飛び立って、隣の株の花穂に移動します。 
花粉を食べてなくても花穂を徘徊中に雄しべや雌しべによく触れ、花穂間を盛んに移動するので、ノギランの送粉者として寄与していそうです。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:46〜) 
翅をパカッと開くと羽ばたいて飛び立とうとしても、周囲に林立する雄しべに翅が引っかかったりバランスを崩したりして無様に墜落することがあります。 
花穂の途中から飛び立とうとするとこうなるので、花穂の先まで登ってから飛び立つようになります。 
飛び立ちが上手く行くと、ほぼ垂直に離陸していました。 

花穂上で立ち止まり、身繕いする様子も撮れていました。 
顔や触角に付いた花粉を前脚で擦り落としています。 


2021/10/08

ゴミ集積所の軒下で休むセグロアシナガバチ♀の謎

 

2021年7月上旬・午後15:50頃・くもり 

街なかで飛来したセグロアシナガバチ♀(Polistes jokahamae)が道端のゴミ集積所の小屋の軒下に止まりました。 
白いスチール板壁の錆びた角の部分で長時間休んでいるのですが、近くに巣はありません。
やがて身繕いを始めました。 
化粧が済んでもじっとしています。 
ここに巣があったのに駆除されたのでしょうか? 
急に巣が無くなって呆然としているのかな? 
駆除の際に殺虫剤が使われたとしたら、その影響(神経症状)で方向音痴になってしまったのかもしれません。 
撮影中の私は、てっきり創設女王がここで季節外れに造巣を始めるのか?と期待したりしました。 (巣作りするには時期が遅いので巣の再建?)

しかし落ち着いて映像をよく見ると、複眼が真っ黒なので羽化直後のワーカー♀と分かりました。 
羽化後の日齢が進むと複眼が焦げ茶色になります。 

気になったので辛抱強く長撮りすると、セグロアシナガバチ♀はようやくゴミ集積小屋の軒下から飛び下りました。
車道の上を低く飛び回るものの、やや風が強く吹いているせいか飛びにくそうです。 
ゴミ集積所の小屋の横の路面に着陸しました。 
どうも羽化直後のワーカー♀は飛ぶのも下手糞のようです。 
舗装路上で少し休み、身繕いしてから再び飛び上がりました。 
今度は元気にどこかへ飛び去りました。 

羽化直後で外役経験の浅いワーカー♀が巣から初飛行したものの、途中で迷子になったか、あるいは狩りに行かずに出先でサボっていたのではないか?という気がしてきました。 
巣の位置を突き止められなかったのが心残りです。

ちなみに、この地域ではカラスによる生ゴミの食害を防ぐために、住民は檻のような鍵付きの小屋に決まった時間にゴミを捨てる決まりになっています。 
毎週決められた日時にゴミ回収車が街中のゴミ集積所を巡回するのです。 

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