2020/09/12

黄色いタチアオイの花で採餌するクロマルハナバチ♀



2020年7月上旬・午後17:00頃・くもり

民家の裏庭の花壇にたくさん咲いたタチアオイの中に、花弁が薄黄色の見慣れない品種が混じっていました。
タチアオイと言えば赤系の花しか知らず、黄色の花を見るのは初めてです。

クロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
小型の個体で、体中が白い(レモン色)の花粉にまみれながら吸蜜しています。
残念ながらクロマルハナバチ♀は、すぐに茂みの奥の花へ移動してしまいました。
物足りなかった私は、その後かなり粘ったものの、クロマルハナバチ♀は戻ってきてくれません。

同じタチアオイの花でも隣に咲いたピンクの品種の方が蜂には大人気でした。(千客万来)
クロマルハナバチの他には、ミツバチやアシナガバチなどが訪花していました。(映像なし)
黄色はハナバチの目にあまりよく見えてないのか、それとも黄色い花は品種改良の副作用で花蜜の量が少ないのかもしれません。
花弁の色による訪花性の違いを動画で記録すべきでしたね。
ピンクのタチアオイとクロマルハナバチ♀という普通種同士の組み合わせは撮影済みなので、スルーしてしまいました。

▼関連記事(7年前の撮影)
タチアオイを訪花するクロマルハナバチ♀



同じ株から薄桃色の花も咲いたように見えますが、別な株の花。
全景

自分の影と戦うハグロトンボ♂



2020年7月上旬・午後18:00頃・晴れ

川沿いに建つ民家の西に面した外壁が波状のトタンで覆われていて、その壁に向かって1匹のハグロトンボ♂(Calopteryx atrata)が何度もぶつかりながら飛んでいました。
何気なく見過ごしそうになって、動画に撮り始めるのが遅れましたが、よく考えると非常に面白い行動です。
動画編集時に彩度を少し上げると、腹部がメタリックグリーンなので♂と分かりました。

夕方の西日を浴びてハグロトンボ♂の黒い影が外壁にくっきりと投影されています。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、影に正面から繰り返しぶつかって行ってることが分かります。
自分の影をライバル♂と誤認して、喧嘩を挑んでいるようです。
つまり、これは一種の鏡像反応でした。
もし曇り空だったり日差しの向きが逆だったりして影が出来なければ、家屋の壁などの障害物があってもハグロトンボは衝突せずに難なく回避して飛んで行くはずです。


▼関連記事(1年前の撮影)
川辺りで激しく縄張り争いするハグロトンボ♂

トタン壁は平面ではなく波状なので、これに写った影はやや歪んでしまいます。
自身の忠実な写像ではないのに、歪んだシルエットでも同種と認識される点が興味深く思いました。
ちなみに壁の下部はコンクリートの平面になっていて、ハグロトンボ♂はそこに写った影にも激しく突進していました。

ハグロトンボ♂の影は全身が真っ黒な同種♀と似ています。
それなのに戦いを挑んだということは、ハグロトンボ♂は他個体の性別を腹部の色で見分けているのではなく、敵対的な行動(ぶつかってくる)に見えてカチンと来たのかもしれません。

「影との戦い」をじっくり観察したかったのですが、壁の端に達すると死角に飛び去ってしまいました。
ハグロトンボ♂にしてみれば、「謎の手強いライバル♂がようやく居なくなった」とせいせいしていることでしょう。

トンボの知能で鏡像自己認知が可能だとは思えませんが、次は本当の鏡を目の前に見せて、ハグロトンボの鏡像反応を確かめたいところです。
様々な動物に鏡を見せたときの反応を調べるのはミラーテストと呼ばれ、昔から行われている実験心理学の面白いテーマです。
そこそこ高価で割れ易い大きな鏡を野外に持ち出すのは大変そうです。
捕獲してきたトンボを鏡張りの室内に放し、実験するのが良いかもしれません。


2020/09/11

トウモロコシの雄花で採餌するセイヨウミツバチ♀



2020年7月上旬・午後16:15頃・くもり

家庭菜園のトウモロコシ畑でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。

体に白い花粉が少し付着しているものの、後脚の花粉籠は空荷の個体でした。
雄花から雄花へ飛び回るだけで、なぜか葯から集粉しませんでした。
花粉がほとんど残っていないのですかね?
未練がましく未熟な花穂の周囲を飛び回ったりしていて、採餌経験の浅いワーカーなのかもしれません。

ミツバチがトウモロコシの花粉を集める様子は、また来年にしっかり撮り直します。
(その後あちこちのトウモロコシ畑を見て回ったのですが、この夏は撮れず仕舞いでした。)
確かイネ科のトウモロコシは風媒花のはずだと思っていたので、虫媒花でもあるとは意外でした。
…と書こうとしたのですが、落ち着いて考えると、送粉者(この場合はミツバチ)が雄花から雌花へ行かないと授粉しませんね。
風媒花なら送粉者への報酬である蜜をほとんど用意していないはずですから、ミツバチはトウモロコシの雄花でひたすら集粉するだけと予想されます。(花粉を一方的に収奪)
逆にもしミツバチがトウモロコシの雌花を訪れたら、そこには報酬の花蜜があるということになります。(虫媒花)

(トウモロコシの)花粉は風媒され、受粉すると雌花の付け根が膨らみ種子(可食部)が形成される[5]。(wikipediaより引用)

【追記】
久志冨士男、水野 玲子『虫がいない 鳥がいない:ミツバチの目で見た農薬問題』という本を読んでいたら、口絵11に「トウモロコシに訪花するニホンミツバチ」と題したカラー写真が掲載されていました。



セイヨウミツバチ♀@トウモロコシ雄花訪花採餌
トウモロコシ雄花
トウモロコシ雌花
トウモロコシ畑・全景

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