2011年8月下旬
峠道の歩道で瀕死のヒメジャノメを一匹のアリが引きずって巣へ運んでいました。
【追記・訂正】
改めて見直すとこれはヒメジャノメではなくてコジャノメ(Mycalesis francisca perdiccas)ですかね?
念のため撮影後に蟻を採集してみました。
素人目には普通種のクロヤマアリ(Formica japonica)のワーカー♀だと思うのですがどうでしょう。
2011年8月下旬
里山に美しく咲いたツリフネソウの群落でマルハナバチが何匹も訪花していました。
おそらくトラマルハナバチ(Bombus diversus diversus)のワーカーだと思います。
ズル(盗蜜)することなく、きちんと花の奥に舌を伸ばして蜜を吸っているようです。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けています。
最後は葉の上で少し休んで身繕いする様子が撮れました。
ツリフネソウの花びらをよく見ると、マルハナバチが着地する度に爪を掛けるために裂けたり穴が開いたりボロボロになっています。
逆に、爪跡のある花を見つけたら、そこで待っていればマルハナバチを見られる可能性が高いのだそうです。(『マルハナバチ・ハンドブック』p21より)
花の正面に垂れ下がった花被は、訪花昆虫が花にもぐりこむ際の足がかりになる。(Newton special issue『植物の世界 第3号 ナチュラルヒストリーへの招待』p30 「ツリフネソウの生活史」より)
ハチはせわしなく花から花へと飛び回るので、すぐに見失ってしまいます。
今年カメラを新調したのですが、動画モードでオートフォーカスの追従性能が進歩していて感心しました。
今度はハイスピード動画の撮影に挑戦してみようと思います。
【追記】
『花の虫さがし』p76によると
ツリフネソウの花の蜜は、奥のクルリと丸まった所にあります。おしべとめしべは、上の方に付いていて、蜂の背中に付くようになっています。
2011年8月下旬
道端に生い茂った葛の群落で花から花へと飛び回り採餌している蜂がいました。
オオハキリバチの仲間だと思うのですが、同定用の写真を撮る余裕がありませんでした。
撮った映像をスロー再生で見直すと、腹部第2節の側面に特徴的な白く短い毛束が一瞬見えたのでオオハキリバチで大丈夫と思います。
(もし間違いでしたらご指摘下さい。)
腹面のスコパに花粉を集めているかどうか確認できなかったので♂なのかと思いましたが、腹端を確認できたシーンでは尖っていたので(♂の腹端は丸いらしい)♀が吸蜜に専念していたのかもしれません。
(同一個体を追いかけて撮ったつもりですが、草むらで何度も見失ったので複数個体が写っているかもしれません。)
ラストシーンでは隣の花で待ち伏せしていたカマキリ(オオカマキリ?)とニアミスして危ないところでした。
オオハキリバチの営巣行動を昨年かなり集中的に観察できたものの、採餌行動だけは見落としていました。
関連記事はこちら→「オオハキリバチの造巣1」
オオハキリバチの主な花資源植物としてクズ(葛)が知られており、これから花粉と花蜜を集めて花粉団子を作り、その表面に産卵するそうです。
≪参考≫ 『ハチとアリの自然史:本能の進化学』 第4章「オオハキリバチとその労働寄生蜂の生活」 p71より
宿題としていた映像がようやく撮れ、満ち足りた気分で帰りました♪