2024/06/24

林床で餌を探し回り根曲がり巣穴に出入りする謎の野鳥【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年9月上旬〜中旬〜下旬 

平地のスギ防風林で根こそぎ風倒したスギの根元に掘られた「根曲がり巣穴」の主を突き止めるために、自動センサーカメラで監視しています。 
種類を見分けられない謎の鳥の登場シーンをまとめました。 
どうやら複数種が来ているようです。 
フルカラーで撮れていない上に、上から鳥の背面を見下ろす見慣れないアングルなので、私には同定できません。 
これらの鳥の名前が分かる方がいらっしゃいましたら、教えてもらえると助かります。 

シーン0:9/7・午後15:00(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
毎冬の雪圧で根曲がりした灌木(マルバゴマギ?)が巣口を取り囲むように育っています。 


シーン1:9/9・午後13:27(@0:03〜) 
地味な小鳥がホッピングで巣口周辺を徘徊し、嘴で落ち葉をめくったり地面を啄んだりしています。 
どうやら虫を捕食しているようです。 
しばらくすると、警戒しつつも巣穴の中に入ったので、驚きました。(@0:50〜) 
まさか、地中の巣穴で営巣しているのでしょうか? 


シーン2:9/9・午後13:37(@0:57〜) 
10分後に同一個体(?)の鳥が巣穴の外に出てきました。 
巣穴の近くでしばらく佇んでいます。 


シーン3:9/9・午後13:50(@1:20〜) 
黒っぽい謎の鳥が再び根曲がり巣穴に出入りしています。 
入巣の前には尾羽根を扇のように左右に大きく広げました。 
これは緊張の現れなのかな? 
外に出てくると、絶えず尾羽根を上下に振り立てています。 

ちなみに、画面右上の低木(樹種不明の広葉樹)の葉にハキリバチ♀が巣材を切り抜いた痕跡が見えます。 


シーン4:9/9・午後15:05(@2:08〜)
出巣した鳥がホッピングで左下エリアをうろついて、餌を探しています。


シーン5:9/12・午後21:04(@2:54〜) 
夜に雨が本格的に降っていました。 
トレイルカメラを下向きで設置したので、レンズが雨水で濡れることはありません。 


シーン6:9/15・午前10:14(@3:00〜) 
謎の鳥が巣口の細根に止まり、広げた尾羽根をゆっくり上下させながら左右をキョロキョロ見回しています。 
しばらくすると、少し飛んで灌木の横枝に止まり直しました。 


シーン7:9/16・午前9:57(@4:00〜) 
小鳥が右下へ素早く飛び去りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしても、私には同定できません。 


シーン8:9/17・午前11:12(@4:14〜) 
1羽の小鳥が地上を探餌徘徊しています。 
もう1羽が頭上を飛んだのにつられて飛び立ちました。 


シーン9:9/23・午前6:14(@4:54〜) 
チッ♪と鳴き声がしてから右下の地上に登場したのですが、すぐに葉陰に隠れてしまいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
根曲がり巣穴に出入りする鳥が気になります。 鳥の繁殖期はとっくに終わっているはずなので、卵を生んで雛を育てるための巣(繁殖用)ではなく、ただの隠れ家として一時的に利用しているような気がします。 
それよりむしろ、カマドウマなど暗所を好む虫が昼間は巣穴に潜んでいて、それを捕食するために鳥が通ってきているのではないか?と予想しています。


2024/06/23

アナグマの旧営巣地に1〜2頭で来るホンドタヌキの諸活動:9月下旬〜10月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年9月下旬〜10月上旬 

二次林でニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地(セット)をうろつくホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録をまとめました。 
タヌキを個体識別できていませんが、単独またはペアで登場します。 


シーン1:9/25・午前後・気温(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
新旧2台の自動センサーカメラで2つの巣穴L、Rを監視しています。 

その日の晩にもタヌキが登場しました。 


シーン2:9/26(@0:22〜) 

シーン3:9/28(@0:38〜) 

シーン4:9/30(@1:11〜) 
2頭のタヌキが巣口Rを訪問した後に画角の外に出てから軽い唸り声が聞こえました。(@2:42〜) 

シーン5:10/2(@2:45〜) 

シーン6:10/3(@3:32〜) 

シーン7:10/4(@4:22〜) 

シーン8:10/6(@4:29〜) 

シーン9:10/9(@5:29〜) 
雨が降っています。 


シーン10:10/10(@5:36〜) 
秋雨が降り続いています。 


シーン11:10/11(@5:45〜) 
雨上がりの眩しい日光が林内に美しく射し込んでいます。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正(モノクロ化)を施しています。 



ニホンアナグマの糞に初齢幼虫および未受精卵を産み付ける卵胎生のニクバエ♀

 

2023年9月下旬・午前10:55頃・晴れ 

里山のスギ植林地を抜ける林道にニホンアナグマMeles anakuma)とホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が共有する溜め糞場sがあります。 
この日はタヌキの新鮮な溜め糞は見当たらず、アナグマが排泄したと思われる新鮮な軟便が林床の下草の上に残されていました。 

ちなみに、この下草はツワブキのような丸い葉の植物ですが、ツワブキにしては葉の緑色に照り(光沢)がありません。 
フキではないことは私にも分かるのですが、山中でよく見かけるこの植物の名前が分からず、長年気になっています。 
どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてくださると助かります。 
【追記】どうやら、この下草の名前はノブキのようです。

前年(2022年)にトレイルカメラを設置して長期観察したところ、この溜め糞場sに通ってくるタヌキとアナグマは少し離れた別々の地点に排便していること、アナグマは下痢便になりがちということ、などが分かりました。 
アナグマの新鮮な糞は「黄土色の絵の具の匂い」がするらしいと本で読んだのですけど、今回の軟便を小枝の先端でつつき(検便)、匂いを嗅いでみても意外なことに無臭でした。


溜め糞場に集まって来ている昆虫でまず目についたのは、ピンクの金属光沢に輝くオオセンチコガネPhelotrupes (Chromogeotrupes) auratus auratus)です。 
アナグマ下痢便のすぐ横でスギ落ち葉の上にじっとしていました。 



しばらくすると、逃げていたキンバエLucilia caesar)の仲間♂とニクバエの一種♀が獣糞に戻ってきました。 
いつものように獣糞の上を歩き回って口吻で表面を舐めています。 

ニクバエ♀が未受精卵を産む瞬間

やがてニクバエが立ち止まると、獣糞の縁に腹端から真っ白い物体を2回続けて産み付けました。 
1個目はバナナのように湾曲した白くて巨大な卵でした。 
続けて産み落としたのは、それよりも小さな白い蛆虫でした。 
ニクバエの仲間は昆虫でも珍しい卵胎生です。 
産卵・産仔したことから、このニクバエは♀と判明しました。 
たまたま『昆虫考古学』という本を読んでいる最中だったので、ニクバエ♀が産仔する瞬間を初めて目の当たりにして感動しました。
ニクバエ科(flesh fly)腐肉食性 他のハエと異なり、卵を産まない。卵は生殖器官内にとどまり、幼齢1期の幼虫として産み出される。幼虫の大きさは3〜19mm。(V章:ハエが見ていた人の死ー葬送昆虫考古学の世界p114より引用)


スギ林の林床は晴れた昼間でもかなり薄暗く、少し離れた位置から望遠マクロで撮影中の私は、産仔されたニクバエの初齢幼虫がどこに行ったのか見失ってしまいました。 
私が目を離した隙にハネカクシやアリなど肉食性の昆虫にすぐ捕食されてしまったのかと思ったのですけど、撮れた動画を見返すと、ウジ虫は産仔直後に蠕動徘徊して軟便の中に自力で潜り込んでいました。 
その様子をじっくり撮影すべきだったのですが、巨大な卵に目が釘付けになっていた私は、現場でニクバエ初齢幼虫の動向に気づいていません。 

アナグマ軟便上を徘徊していたニクバエ♀が初回とは少し離れた地点に再び蛆虫(初齢幼虫)を産仔しました。(@0:40〜) 
2匹目のウジ虫も産仔直後に蠕動徘徊して獣糞の中に潜り込みました。 
産仔シーンを1.5倍に拡大してリプレイ。(@1:00〜)

次に私はカメラにマクロレンズを装着し、巨大な白い卵を接写してみました。 
この卵からニクバエの1齢幼虫がすぐに孵化してくると予想してその瞬間を待ち構えたのですけど、待てど暮せど変化がありません。 
どうやら、未受精卵だったようです。 
未受精卵に付着している白い膜のような物は、初齢幼虫が孵化した後の卵膜なのかな? 


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