2020/10/20

ヤマカガシを怒らせるとシュー、シュー♪鳴く

 

2020年7月下旬・午後15:50頃・くもり
▼前回の記事 
暗渠に逃げ込んだヤマカガシとにらめっこ

こんな機会は滅多に無いので、ヤマカガシを少し挑発して反応を見てみましょう。 
危険な毒蛇ですから、噛まれないよう細心の注意が必要です。 
思案した末に、カメラを取り付けた三脚を伸ばして、ヤマカガシRhabdophis tigrinus)が潜む排水溝のトンネルにカメラをそっと差し込んでみました。 
スマートな自撮り棒や一脚があれば良かったのですが、ごつい三脚で代用しました。 
(本来はこういう時こそGoProの出番なのでしょうね。)

正面から私を見据えていたヤマカガシは、カメラを近づけると顔をゆっくりと引っ込めながら舌を出し入れしました。 
鎌首の頸部を膨らませて、エラが張っているように見えます。 
これは威嚇の体勢なのでしょう。 
シュー♪という溜息のような音を発しましたが、威嚇にしてはとても静かな音です。 
鼻の穴や口から息を吐いている音なのでしょうか? 
「シュッ、シュッ、シュー♪」とか「シュッ、シュッ♪」「シュー、シュー♪」などと鳴き声?にはバリエーションがあります。 
鳴く合間に舌を高速で激しく出し入れして、周囲の様子を油断なく窺っています。 
ヤマカガシがそんな鳴き声?を出すとは知らなかったので、新たな発見です。 
wikipediaや手元の爬虫類図鑑にもそのような記載はありませんでした。 

※ 動画編集時に音声を正規化して、音量を強制的に上げています。 

 ヤマカガシは頭部をトンネルの奥に引っ込めているのに、尻尾は入口付近に残したままでした。(頭隠して尻隠さず) 
動画を撮りながらヤマカガシの尻尾を私が小枝でつついた途端に、反撃してきました。 
怒ってカメラに噛みつくかな?と少し心配だったのですが、襲いかかる素振り(ブラフ攻撃)だけでした。 
マムシと異なり、ヤマカガシには哺乳類の体温を感じるピット器官がありません。 
「シュー♪」という威嚇音が激しくなります。 
もう一度ヤマカガシの尻尾を繰り返しつついても、攻撃性が弱いことを実感しました。 
今度は頭部上面を見せつけるような姿勢になり、横目でこちらを睨んでいます。 
上半身を精一杯に膨らませているようです。 

最後はトンネルの奥へと蛇行して逃げて行きました。 
私は蛇を捕獲をするスキルが無いので、ここまでにしておきます。

 
(ヤマカガシは)危険が迫るとコブラのように頭を持ち上げ、頸部を平たくし、頭を揺すったりし、この頸腺を目立たせることで威嚇する[3]。また、それでも相手が怯まない場合、仰向けになり擬死行動を行う[3]。それでも相手が怯まない場合は噛みついたり、相手に毒腺のある頸部をすりつける[3]。性質は一般に大人しいとされているが、中には非常に攻撃的な個体もいるため、注意が必要である。(wikipediaより引用)

私が今回観察できたのは、威嚇の第一段階だったようです。 
擬死行動を見るには、ヤマカガシをもっと追い詰めたり刺激したりして怖がらせないといけないのですね。 
こんな危ない真似するヒトはいないと思いますが、くれぐれも自己責任でお願いします。 

参考サイト:蛇覚書 ヤマカガシ



ヤマカガシの威嚇音?を声紋解析してみる?

リョウブの花蜜を吸うキバネセセリ♀の群れ【HD動画&ハイスピード動画】

 

2020年7月下旬・午後14:00頃・くもり 

峠道の傍らに自生するリョウブの灌木でキバネセセリ♀(Bibasis aqulina chrysaeglia)が訪花していました。 
なぜか♀ばかり吸蜜に来ていたのが不思議です。 

キバネセセリ♀がリョウブの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:28〜)  

このリョウブの花には千客万来でした。 
常に他種のチョウ・ガ類と一緒に訪花していて、キバネセセリ♀単独では撮れませんでした。 
ヨツスジハナカミキリLeptura ochraceofasciata)の姿も映像に写っていました。

▼関連記事(13年前の撮影)

 

2020/10/19

腐ったカボチャに群がるショウジョウバエと獲物を狙うキイロスズメバチ♀

 

2020年7月下旬・午後17:00頃・くもり  

農地の周囲の防風林(スギ林)の奥に大量の腐ったカボチャが捨てられていました。 
何らかの理由で(傷物?)売り物にならない収穫物が農業廃棄物として捨てられたのでしょう。 
特に悪臭もしませんし、人家からも離れているので、迷惑にはなっていません。(※追記参照) 
この特殊な生ゴミ(残渣)を巡って食物連鎖の小さな生態系が作られつつあるので、ときどき通って興味深く観察しています。 

おそらくキイロショウジョウバエDrosophila melanogaster)と思われるコバエがおびただしい数で腐ったカボチャに群がっていました。 
腐果を舐めながらショウジョウバエの♀は産卵し、蛆虫も多数育っているようです。 
ちなみに下の写真には、ショウジョウバエの蛹も写っています。 
他には黒い大きなアブ?(種名不詳;ミズアブ??)が高速で何匹も飛び交っていました。 
これはあまりにも動きが素早いので、残念ながら写真にも撮れず、正体不明です。(※追記2参照) 

こうしたハエ類を狙ってキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が腐ったカボチャに居座り、待ち伏せしていました。 
飛び立つと低空でホバリングしながら探餌飛翔を繰り返します。 
ショウジョウバエの数があまりにも多いので、捕食者のキイロスズメバチは目移りして獲物に狙いを定めにくいようです。(植食性動物など弱者が群れを作るメリット) 
小さなショウジョウバエに飛びかかっても素早く逃げてしまい、私が見る限り一度も狩りに成功しませんでした。 
狩りの失敗シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
腐ったカボチャに着陸したキイロスズメバチ♀は、触角を前脚で拭って身繕い。 

薄暗い林床で夕方に撮った動画なので、画質がかなり粗いです。 

 ※【追記】 
カボチャの大量廃棄に問題があるとすれば、もしニホンザルやイノシシなど野生動物がこのゴミ捨て場の存在を知った場合に、意図せずして猿に餌付けすることになってしまいます。 
そうなると、味をしめた野生動物によって隣接する農地で作物への深刻な猿害・食害を招くことになってしまいます。 
しかし今回の現場は山から離れているので、おそらくニホンザルやツキノワグマなどは来ない(と考えられている)のでしょう。
カメラトラップを仕掛けてみたら面白そうです。
案の定、トレイルカメラにニホンザルの群れが写っていました。
▼関連記事(6年前の撮影) 
カボチャ泥棒のニホンザル♂


※【追記2】 
高速で飛び回る謎の黒いアブは、コウカアブPtecticus tenebrifer)と後に判明。


つづく→アカバトガリオオズハネカクシが腐ったカボチャに湧いたウジ虫?を捕食
キイロスズメバチ@探餌飛翔+キイロショウジョウバエ群れ@カボチャ腐果
右下および左下隅にショウジョウバエの蛹?

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