2020/08/10

ニワトコの若葉をもりもり食べるヒトリガ(蛾)終齢幼虫



ヒトリガ(蛾)の飼育記録#5



▼前回の記事
ニワトコの茎や葉を徘徊するヒトリガ(蛾)中齢幼虫

2020年5月中旬

ヒトリガArctia caja phaeosoma)の終齢幼虫aがニワトコの若葉を蚕食する様子をマクロレンズで接写してみました。
見事な食べっぷりは惚れ惚れしますね。
胸脚は黒く、腹脚は薄いピンクでした。

幼虫と一緒に採集してきたニワトコの幼木はなぜか水揚げが悪くて、葉がすぐにクタッと萎れてしまいます。
あまり生えていないニワトコを探して頻繁に採ってくるのは大変なので、身近で調達できる別種の食樹植物に切り替えることにしました。

つづく→#6:ヤマグワの若葉を蚕食するヒトリガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】




2020/08/09

河原の砂地から飛び立つ春のジガバチ♂



2020年5月中旬・午後14:45

川岸のサラサラした細かい砂が堆積した場所にジガバチの一種♂を見つけました。
触角で地面を探りながらその場で方向転換すると、顔色が白い雄蜂♂でした。
砂地に巣穴を掘るのかな?と期待して撮り始めたのですけど、♂は造巣しません。
もしかすると湿った砂を舐めて水分補給(ミネラル摂取)をしたのかと思いましたが、肝心の口元がよく見えません。

蜂は優性先熟(成虫♀よりも♂が早く羽化する)が多いとは言え、5月にジガバチの成虫を見かけたのは初めてかも知れません。
暖冬だった今年はよほど季節の進行が早いのでしょうか?

最後に飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

現場は平地を流れる川ですが、サトジガバチ♂(Ammophila sabulosa nipponica)とは限らず、ヤマジガバチ♂(Ammophila infesta)かもしれません。
採集して標本を精査しないと見分けられません。




耕耘中の田んぼを飛んで逃げるキジ♂(野鳥)



2020年5月中旬・午後16:10頃・晴れ


▼前回の記事
墓地に出入りするキジ♂(野鳥)
墓地を駆け抜けるキジ♀(野鳥)

墓地から田んぼに戻ったキジ♂(Phasianus versicolor)が、田起こし(耕耘)の済んだ田んぼや農道を歩き回っています。
ときどき立ち止まると辺りを見渡すように伸び上がるので縄張り宣言の母衣打ちをするかと期待したのですが、予想は外れ再び歩き続けます。
田んぼを横断しながら地面を啄んで何かを採食しました。
畦道に登り、水入れ・代掻きが済んだ田んぼの区画の手前まで来ました。

そのとき農家の方の運転するトラクターが農道をこちらに走って来ました。
エンジン音に警戒したキジ♂が慌てて向きを変えてから飛び立ち、低空で滑空すると、田んぼの端に着陸。
最後は枯れヨシ原に逃げ込んで隠れました。
飛んで逃げる際に、鳴き声は聞こえませんでした。
キジ♂の飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、地味な羽根色のキジ♀の方が♂より先に枯れヨシ原に逃げ込んでいました。
見事な保護色のため、それまで♀が田んぼのどこに居たのか全く見つけられませんでした。



【追記】
森林総合研究所 鳥獣生態研究室に所属する川上和人氏のインタビュー記事『「飛ぶ」ってすごいぞ 鳥類学、骨が語る多様な進化』を読んでいたら、興味深い鳥ビアを知りました。
鳥の筋肉って、普通は赤いんですよ。長距離を飛ぶために酸素をたくさん使うのでミオグロビンが大量に含まれていて。でも、ニワトリをはじめとするキジ目の鳥の筋肉って、ピンクです。人間でも赤い筋肉は長距離走者に多くて、白っぽい筋肉は短距離走者に多いわけですけど、ニワトリを含むキジ目の鳥もまさに短距離型、瞬発型で、一気に筋力を使ってボンって飛んで、100メートルとか先で降りてくるわけです
確かにキジやヤマドリの飛び方はいかにも不器用で重そうですし、短距離しか飛べないことを私もフィールドで何度も観察しています。



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