2020/08/03

墓地を駆け抜けるキジ♀(野鳥)



2020年5月中旬・午後16:05頃


▼前回の記事
墓地に出入りするキジ♂(野鳥)

寺の墓地に潜んでいたキジ♀(Phasianus versicolor)も慌てて走り去りました。
地味な羽根色なので、立ち止まると墓地の砂利にとてもよく紛れています。
私から充分に離れると、キジ♀は墓石を回り込んで農道(田んぼ)の方へ向かったようです。
残念ながら私はその後♀を見失ってしまいました。

つづく→ 耕耘中の田んぼを飛んで逃げるキジ♂(野鳥)




2020/08/02

オドリコソウの花で盗蜜するオオマルハナバチ創設女王



2020年5月中旬・午後17:50頃・晴れ


▼前回の記事
オドリコソウの花で盗蜜するクロマルハナバチ創設女王【HD動画&ハイスピード動画】

用水路沿いの土手に咲いたオドリコソウの群落に訪花していたのはクロマルハナバチ♀がほとんどでしたが、1匹だけオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)も来ていました。
大型の個体ですし、時期的にワーカー♀ではなく創設女王でしょう。
山地性のオオマルハナバチがここ(平地)まで遠征してくる個体が少ないのは納得です。
(ちなみにここで優占していたクロマルハナバチは平地性。)

吸蜜シーンをよく見ると、オオマルハナバチ♀も正当訪花せずに穿孔盗蜜していました。
雄しべに体が触れませんから、後脚の花粉籠は当然ながら空荷です。

Newton special issue『植物の世界 第2号:ナチュラルヒストリーへの招待』を読むと、更に興味深いことが書いてありました。

オオマルハナバチはこの花(=オドリコソウ:しぐま註)を盗蜜者として訪れ、花冠筒部の前部に穴をあける。その際、腹部や背部が花冠の上唇の中に入り雌しべと雄しべの先にふれるのである。その行動は盗蜜に似ているが、実際にはオオマルハナバチはポリネーターの役割を果たすことになる。
オドリコソウの花は、盗蜜者をポリネーターとして利用できるような形態をもつにいたったのであるとも解釈できよう。(p118〜120より引用)


昆虫をあざむく花:盗蜜者をポリネーターとして利用するしくみをもつと思われるオドリコソウ (p121:図10Bより引用)

決定的瞬間を捉えた見事な生態写真も掲載されていて、専門家の鋭い観察眼と緻密な記述に舌を巻きました。
ところが、私が撮った動画に記録された盗蜜行動と比べてみると微妙に違います。
私が見たオオマルハナバチ♀は常にオドリコソウの花冠の下唇の下に潜り込みながら穿孔盗蜜しますから、上唇の中にある雄しべや雌しべに体は全く触れていません。
間違いなく純粋な盗蜜行動です。
個体差なのか、地域によって異なるのか、興味深いところです。

カースト(女王蜂とワーカー)の違いによる体格差で説明できるかもしれません。
私も未だこの1例しか見ていないので、今後の観察が楽しみです。

参考サイト(@福岡教育大学):シソ科の唇形花(オドリコソウとヤマハッカ)  ← 唇形花の構造の勉強になりました。




ニワトコの葉を蚕食するヒトリガ(蛾)終齢幼虫【10倍速映像】



ヒトリガ(蛾)の飼育記録#3



▼前回の記事
排便中に糞を振り落とすヒトリガ(蛾)終齢幼虫

2020年5月中旬

ヒトリガArctia caja phaeosoma)の幼虫aをノギスで採寸すると伸びた状態で体長60mmなので、おそらく終齢と思われます。(『イモムシハンドブック』p89の記述と一致)
河畔林から一緒に採取してきたニワトコ幼木を与えると、猛烈な食欲で若葉を次々に食べ始めました。
10倍速の早回し映像でご覧ください。
食休みのシーンは編集でカットしています。
太い茎に腹脚で下向きにしがみつき、葉縁を左右の胸脚で抱え込んで葉を摂食します。

脱糞シーンも3回撮れていました。(@0:23、1:44、 2:53)
食休みしていた幼虫が腹端を少し持ち上げて、脱糞しながら下半身を左右に激しく振って糞を振り落とします。
排便後は腹端を下ろし、尾脚も茎をしっかり掴みます。

つづく→#4:ニワトコの茎や葉を徘徊するヒトリガ(蛾)中齢幼虫




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