2020/05/11

川面で後退運動するカルガモの謎



2019年12月中旬・午前11:05頃・晴れ

川の対岸近くで仲良く浮かんでいる2羽のカルガモAnas zonorhyncha)の内の1羽が奇妙な行動を繰り返しているので気になりました。

川面で動かずに休んでいる1羽(♀?)の横で、もう1羽(♂?)が首を伸ばして頭を下げた姿勢で後退する奇妙な動きを何度も繰り返しています。
必ず相手の真横に戻ってから後退運動を始めています。
残念ながら川の水が濁っているため、後退時に水中で水かきの動きを見ることは出来ませんでした。
横の相手に(構って欲しくて?)後退運動を見せつけている気がしました。
謎の行動を見せられた個体(♀?)は無反応です(やや迷惑そう?)。

カルガモのこんな行動を見るのは初めてですし、本で読んだこともありません。
求愛誇示行動の一つなのでしょうか?
ただし今回♂によるヘッドトッシング(求愛行動)は見られませんでした。
例によって、カルガモの性別を外見で見分けられないのが残念です。
水面に浮いた餌を採食する行動だとしたら、わざわざ後退する意味が分かりません。
それとも、ただの遊びだとしたら、それはそれで面白い話です。


つづく→同じ日に観察したカルガモの求愛交尾(別のペア)








【追記】
All About Birdsという英語のサイトで「How To Recognize Duck Courtship Displays」という解説記事を読んでみたら、♀が♂に交尾を迫る求愛行動という意外な可能性が出てきました。

Nod-Swimming: A male or female swims rapidly for a short distance with its neck held low, just grazing the surface of the water. Females use it to express they are interested in courtship and stimulate the nearby males to display. Males perform this display during bouts of Head-Up-Tail-Up display and immediately after mating.
ただし、これはカモ類の代表としてマガモを例にした解説であり、カルガモと共通かどうか分かりません。
頭を低く下げたまま水面を短く素早く泳ぐ行動と書いてあるだけで、前進とも後退とも明記していません。(添えられた挿絵を見ると、nod-swimmingは前進すると考えるのが自然だと思います。)





SUZUGAMOさんのYouTube動画では、カルガモが餌箱から採食する度になぜか後ずさりしています。
この場合は単独でやっているので、誇示行動ではない気がします。(真空行動?)


2020/05/10

イモカタバミを訪花するツルガハキリバチ♀?の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2019年10月下旬・午前11:10頃・晴れ

道端に咲いたイモカタバミの群落でハキリバチの一種♀が訪花していました。
吸蜜する顔や脚がオレンジ色の花粉で汚れていたものの、腹部下面のスコパ(花粉刷毛)は白いままで花粉を持ち運んでいませんでした。

イモカタバミの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:08〜)

なんとなくツルガハキリバチ♀(Megachile tsurugensis)ではないかと思うのですけど、私はハキリバチ類を見分けるのが苦手で自信がありません。(スミスハキリバチ♀と迷いました)
もし間違っていたらご指摘願います。
こんな晩秋まで活動するハキリバチ♀がいるとは知りませんでした。


吸蜜中の顔
側面
背面
背面

朝、川岸の倒木に一番乗りしたカワウが羽繕い(冬の野鳥)



2019年12月中旬・晴れ・午前7:27〜7:34(日の出時刻は午前6:50)

川岸で倒木や流木が集中した区間に集まるカワウPhalacrocorax carbo hanedae)の活動を終日観察してみました。
ここは漁場の川および休息するための止まり木(コロニー?)がセットになっているのです。

夜明け前から倒木の対岸にブラインドを張って中に隠れました。
このとき私が暗闇で立てる物音で、川で寝ていたカモ類が警戒して一斉に飛び去りました。
夜明け前の川からカワウの鳴き声は聞こえませんでした。
カワウが夜に寝る集団ねぐらはまた違う場所にあることが分かっています。
朝一番にねぐらを飛び立ち、漁場および休息するための止まり木(コロニー?)に通勤してくるカワウをブラインド内で待ち構えて撮影する作戦です。
もし私が岸辺に白昼堂々ブラインドを張ると、カワウは警戒して逃げてしまい、当分近寄らなくなってしまうでしょう。
どうしても暗い夜のうちからブラインドを設営する必要があるのです。

万全の準備で防寒具を着込み懐炉を身に着けても、寒さが身に堪えます。
特に晴れた日の早朝は放射冷却現象で気温が一層下がるのです。
ブラインド内の最低気温は、日の出時刻の直後(午前6:53)に記録した4.7℃、湿度65%でした。

日の出から37分後の午前7:27にようやく一番乗りの若い個体(若鳥)が登場しました。
このときの気温(ブラインド内)は5.2℃、湿度65%。
(岸辺に設置した見慣れないブラインドを警戒して、いつもより到着が遅くなった可能性はあります。)
胸元の羽毛が白い若鳥です。
川面を下流から遡るように泳いで来ると、倒木を一度通り過ぎてから方向転換し、上流側から飛び乗りました。
その前から倒木に陣取って休んでいたカルガモは、カワウに遠慮して逃げ出しました。
水鳥2種の力関係は単純に体格で決まり、カワウ>カルガモのようです。
ただしカワウが先客のカルガモを攻撃的に追い払った(占有行動)訳ではありません。

ブラインドの小さな窓から外を覗いても視野が狭いので、カワウがねぐらから飛来して川に着水する様子は見れませんでした。
倒木に来る前に朝食の潜水漁を済ませたのかどうかも不明です。

止まり木でカワウは欠伸をすると、翼を広げて羽ばたきました。
羽根の水気を切ると、羽繕いを開始。
カメラをズームアウトすると、東の空に昇り始めた朝日が写りました。。

逃げたカルガモも次第に倒木へ戻って来ました。
下流を向いて止まっていたカワウが倒木上で羽ばたいてバランスを保ちながら向きを変えました。


つづく→止まり木の空席を巡りカワウ同士で小競り合い(冬の野鳥)




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