2018/08/13

ニセアカシア樹上のハシボソガラス幼鳥に巣外給餌しに通う親鳥(野鳥)



2018年5月下旬・午後17:33〜17:50
▼前回の記事
観察者を警戒したハシボソガラス親鳥から巣外給餌のお預けを食う巣立ち雛(野鳥)


ハシボソガラスCorvus corone)の巣立ち雛が隠れているニセアカシア(別名ハリエンジュ)の木から充分に離れ、河川敷に三脚を立て望遠レンズで狙うことにしました。
ここは20日前にもカラスの巣を狙って撮影した同じ場所です。
河畔林のニセアカシアの花が満開に咲き誇り枝に葉が茂ったことで、樹上にあったハシボソガラスの巣が隠されて、どこにあったのか位置がすっかり分からなくなってしまいました。
前回に撮った写真と見比べても、ニセアカシアの枝先が葉や花の重みでしなっていて、営巣地の周りの河畔林の風景が変わってしまっています。
背後に見える山の残雪もほぼ消えました。

しつこく観察を続ける私の姿は親鳥から見えているはずですが、かなり遠く離れたことで安心したようです。

巣立ち雛への巣外給餌をようやく再開してくれました。
親鳥はもう巣に帰らなくなったので、全ての雛鳥が無事に巣立った後なのでしょう。
巣の近くのニセアカシアの枝に一羽だけ残っているこの幼鳥は、おそらく最後の巣立ち雛だと思われます。

映像の冒頭で音声(鳥の鳴き声)が間延びして聞こえるのは、スローモーションに加工したからです。
撮影中は巣の位置が分からず闇雲にカメラを振り回したので、巣が写っている一瞬をスローモーションにしました。
それから私の一瞬の隙をついて、巣立ち雛が隠れている枝に親鳥がこっそり(素早く)飛び込んだ瞬間もスローモーションにしました。
親鳥の行動は明らかに、巣外給餌を私に見つからないよう意識している印象を受けました。
やがて慣れてくると親鳥も堂々と巣外給餌に行き来してくれるようになりました。

花や葉の茂ったニセアカシアの枝に隠れて親鳥が来てくれるまでじっと待っている巣立ち雛の姿が、この撮影アングルでは残念ながらほとんど見えなくなってしまいました。
巣外給餌の直前に幼鳥が親鳥に向かって餌乞いするシーンも撮れません。
しかし、私が近くに居ると親鳥が警戒して巣外給餌に来なくなってしまうので、仕方がありません。
親鳥の行動から幼鳥が巣外給餌を繰り返し受けていることが想像できます。

巣外給餌を済ませた親鳥は近くの電線に止まり直すと嘴を足元の電線に擦り付けています。
巣立ち雛に対して親鳥はもうしもの世話(排糞行動)をしなくなると予想されますが、この点をしっかり観察で確かめられていません。

先に巣立った他の幼鳥(3羽)も縄張り内のどこかに居て親鳥から同様に巣外給餌を受けているはずですが、居場所を見つけられませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→電柱で空中戦を繰り広げるハシボソガラス(野鳥)


ハシボソガラス親鳥(野鳥)@電線+空巣@ニセアカシア樹上・全景
ハシボソガラス(野鳥)巣立ち雛@ニセアカシア樹上・全景(動画とは別アングルで撮影)
ハシボソガラス(野鳥)巣立ち雛@ニセアカシア樹上

2018/08/12

羽化前の眠でも微動だにするナミテントウの蛹RL【50倍速映像】



ナミテントウの飼育記録#11


▼前回の記事
蛹化したばかりのナミテントウが背筋運動でアブラムシを撃退

2018年5月下旬・午後18:55〜午前1:27・室温25℃前後

飼育しているナミテントウHarmonia axyridis)の羽化があちこちで始まったようです。
羽化を見逃した成虫を計4匹、採集しました。

卵塊から孵化してから20日目、蛹化してから5日目のことです。
私は甲虫の飼育経験があまり無いのですが、今まで飼育してきた鱗翅目の蛹期が10日前後だったのに比べると、ナミテントウの蛹期が短い(たった5日!)ことに驚きました。
室温が高かったためでしょうか?
昆虫の中でも原始的なグループである甲虫類は、一般に蛹期が短いのですかね?

これから羽化しそうな蛹の付いたヨモギの葉をハサミで切り取り、2匹の蛹を並べて置いて、成虫が羽化するまで一緒に監視することにしました。
微速度撮影で蛹の前面からと側面から同時に記録します。
ヨモギの葉片は萎れると丸まってくるので、予め糊で台紙に貼り固定しました。
羽化する新成虫が這い出すことを予想して、少し隙間を開けて蛹を並べました。

ナミテントウの成熟した蛹は赤と黒の派手な斑紋になり、ヨモギの葉の緑に対して非常によく目立ちます。
毒々しい警告色になっているようです。
蛹にピンセットで触れてみても、暴れたり動いたりしませんでした。(映像なし)
触覚刺激に対して無反応なので、体内寄生されたのかと心配になりました。
羽化前のみん状態なのでしょう。

50倍速の早回し映像で蛹の動きをご覧下さい。
映像の冒頭で微細な白いダニ?が左の個体(蛹L)の上を這い回りました。
逃げられない蛹Lは初めこそピクッと反応したものの、あとは特に気にしない様子でした。

蛹はピクピクと蠕動運動するだけでなく、ときどき自発的に背筋を使ってグイッと起立運動するようになりました。
ヨモギの葉に固定した腹端を支えにして背筋で立ち上がる運動を断続的に繰り返しています。
しばらくするとパタンと倒れてヨモギの葉に伏せます。

佐藤有恒『科学のアルバム:テントウムシ』という本によると、蛹が自発的にやるこの背筋運動は直射日光を浴びて体温調節のために行うとの記述がありました。

 とつぜん、さなぎがピクッとおきあがりました。ちょうど太陽が木のかげからのぼり、さなぎに光があたったときです。
 きっと、またからだの中の温度計がはたらき、からだの角度をかえて、からだにうける日光の量を調節しているのでしょう。
 ぐうぜん、アリがさなぎにちかづきました。アリがさなぎにふれたとたん、またピクッとからだをおこしました。
 さなぎはにげることができません。だから、敵のけはいをかんじたさなぎは、とつぜんからだをおこして、あいてをおどろかそうとしたのでしょう。 (p22より引用)
野外観察を元にしたユニークな仮説ですが、これは少し疑わしいのではないかと私は思います。
今回の撮影で補助照明として白色LEDのリングライトを一定の方向から照射し続け、並べておいた蛹2匹の行動が違ったからです。
ただし、蛹2匹の発生段階が微妙に異なる上に、光源に対して同じ向きに並べなかったので、反証としては弱いです。
蛹の体温(体表温)を連続測定しながら動きを動画で記録すれば、決着が付くでしょう。
サーモグラフィカメラで蛹を微速度撮影すれば一石二鳥で面白そうです。

右の個体Rに注目すると、背筋運動の際に完全に直立するのではなく斜めになっていました。
固定された腹端に前蛹の抜け殻が挟まって残っていますから、蛹の可動域が制限されているのかもしれない、と想像しました。

いよいよこれから右側の蛹Rから成虫が羽化して来ます。

つづく→#12:ナミテントウ黒色型二紋型の羽化【10倍速映像】


ナミテントウ蛹2: R,L@ヨモギ葉片
ナミテントウ蛹2: R,L@ヨモギ葉片

池で水浴びするカルガモの群れ(野鳥)



2017年10月下旬・午後14:29

平地の溜池に4羽のカルガモAnas zonorhyncha)が群れていました。
水面を泳ぎ回りながら水浴びを始めました。
激しく羽ばたき、頭をザブンと水中に漬け、身震いして水を切ります。
その後は念入りに羽繕いします。

カルガモによる池での水浴シーンは初見です。

▼関連記事(6年前に山中の池で撮影)
カルガモ群れの水浴と羽繕い【野鳥】


※ 動画編集時に自動色調補正。

ハイスピード動画でも撮りたかったのですが、撮影モードを切り替えたときにはもうカルガモの水浴は終わっていました。
ちなみに、このとき近くからカワセミらしき鳴き声が聞こえたのですけど、姿は見つけられませんでした。


カルガモ(野鳥)群れ@溜池+水浴

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