2018/05/04

夕暮れにタケニグサ葉裏の初期巣を守るキボシアシナガバチ創設女王【暗視映像】



2016年6月上旬・18:56〜19:00(日の入り時刻は午後18:58)

山麓の路傍に育つタケニグサの大きな葉の裏面にキボシアシナガバチPolistes nipponensis)の初期巣を見つけました。
葉裏の主脈に巣柄が固定されています。
創設女王が巣にぶら下がって休んでいました。
このまま夜を過ごすのだと思いますが、典型的な抱卵姿勢ではありませんでした。
もう気温が高いので抱卵は不要なのかな?

赤外線の暗視カメラをそっと近づけると、気配に気づいたキボシアシナガバチ創設女王は翅を半開きにして警戒姿勢になりました。
少なくとも一つの育房内に産卵済みでした。
女王蜂は神経質に育房を点検して回ると、小さな巣盤を抱くように静止しました。
画面が全体的にややピンクっぽいのは残照のように外気温が高い影響です。

すぐ近くの軒下で見つけたキアシナガバチの巣の創設女王(映像公開予定)よりもキボシアシナガバチは警戒心が強い印象を受けました。

後半は補助照明の白色LEDを点灯しました。
それでも女王蜂は私に飛びかかってきたり刺したりというような攻撃性を一切示しませんでした。
アシナガバチのワーカーに比べて創設女王は一般に攻撃性が低いので、観察時にそれほど怖がる必要はありません。
女王蜂は産卵する使命があるので何よりも我が身が大事です。
したがって死物狂いで巣を防衛することはなく、「多少は警戒・威嚇するけれども、いざとなったら逃げるが勝ち(三十六計逃げるに如かず)」という振る舞いをするのです。
例外は、同種の女王蜂同士が初期巣の乗っ取りを企てたり、それに対して自分の巣を守ろうとして激しく戦うことがあります。
本当に危険が迫ると作りかけの巣を見捨てて(逃去)、新たな場所に巣を作り直すことがよくあります。

タケニグサは未だ背が低い株でしたが、これからぐんぐん成長するでしょう。
いつか草刈りされてしまいそうですけど、定点観察に通ってみることにします。

つづく→7日後:タケニグサ葉裏の初期巣で抱卵するキボシアシナガバチ創設女王【暗視映像】


キボシアシナガバチ創設女王@初期巣:タケニグサ葉裏
キボシアシナガバチ創設女王@初期巣:タケニグサ葉裏
キボシアシナガバチ創設女王@初期巣:タケニグサ葉裏・全景

アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガードと性的共食い



2017年10月上旬

田んぼでは稲刈りが始まっていました。
農道沿いに繁茂するセイタカアワダチソウの群落を見て歩くと、花が咲く前(蕾の状態)の花穂に止まっているアカオニグモ♂(Araneus pinguis)を発見。
黒くて複雑な形状の触肢が発達しているので、交接可能な成体です。
その左側の株では葉や蕾の花序を糸で綴り合わせた隠れ家があり、中には大型のアカオニグモ♀が潜んでいました。
セイタカアワダチソウの株間に張り渡した網は強風でほとんど壊れていました。
おそらく♀亜成体が脱皮して成体になるまで♂が辛抱強く待っているのでしょう。(交接前ガード)
アカオニグモ♂の居るセイタカアワダチソウの茎は♀の作った網から糸で繋がっていませんでしたが、おそらく強風でセイタカアワダチソウ群落が激しく揺れたせいで糸が切れてしまったのだと思います。


▼関連記事(1年前の撮影)
アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガード

クモ生理生態事典 2016』でアカオニグモの項目を参照すると、「交尾は8月,9月には 雄は見られない」とありますが、今回の記録はそれに対するささやかな反例になります。
地方によって出現時期にズレがあるのでしょう。

このアカオニグモ♀♂ペアを採集して飼育下で配偶行動を観察しようか迷ったのですが、この日の私は病み上がりで余力がありませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

アカオニグモ♂(蜘蛛)@セイタカアワダチソウ花穂+交接前ガード
アカオニグモ♂(蜘蛛)@セイタカアワダチソウ花穂+交接前ガード
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂・全景
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂


10日後(10月中旬)に再訪すると、交接前ガードしていた♂の姿が見えなくなっていました。
興味深い配偶行動を見逃してしまったようです。


同じ農道沿いでセイタカアワダチソウ群落のラインセンサスをすると、別個体のアカオニグモ♀が潜む隠れ家を新たに見つけました。
糸でラッピングされた小型のクモに噛みついて吸汁しています。

写真をよく見るとその獲物は腹部が黄色くて、どうやらアカオニグモ♂のようです。
(ムツボシオニグモの可能性は? ラッピングを取り上げて確認すべきでした。しかしムツボシオニグモがわざわざ他種の網に侵入する理由は無いでしょう。)
交接の成否は不明ですが、性的共食いが行われ♂は♀の餌食になってしまったようです。
私がもう少し早く見つけていれば、興味深い配偶行動の一部始終を観察できたかもしれません…(残念無念)。


アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)
アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)
アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)・全景

2018/05/03

池を歩きながら排泄するダイサギ【ハイスピード動画】(野鳥)



2017年10月中旬

水深の浅い溜池をダイサギArdea alba)が歩いて横断しています。
飛び立ちあるいは魚を捕食する瞬間を記録しようと240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
私の予想は外れたものの、その代わりに偶然、ダイサギの排泄シーンが撮れていました。

浅い池を歩いていたダイサギが一瞬立ち止まって液状便を排泄しました。(@0:30〜0:34)
その後ダイサギは何事もなかったように渡渉を再開。

ちなみに歩行シーンをスローモーションでよく見ると、ハトのように首振り歩行しています。
長い足を交互に前へ踏み出す度にダイサギは長い首の筋肉を使って頭部を前後に動かしています。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


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